新型コロナウイルス感染拡大に対する緊急支援活動 第2弾

「院内でクラスター発生。動ける職員が半減し、さらに１人倒れた」

ー5月16日夕刻、愛媛県松山市にある牧病院院長からの連絡を受け、
ARROWSは翌朝、医師と調整員計３名を派遣しました。

精神疾患のある患者など180人以上をケアする牧病院では、
今月12日、院内で”陽性”が確認されて以降、自粛や健康観察を行ったり、
激務のため休職する職員が増え、看護師・事務員の数が通常時の半分以下に減っていました。
残った職員で、なんとか通常患者および陽性患者のケアにあたっていましたが、感染症対策の医療物資を管理していた職員が過労で倒れるなど切迫した状況に陥っていました。

そこで、ARROWSの物資管理を担当していた坂田医師が、医療スタッフとして、院内の医療物資の状況を確認するとともに、不足していたアイソレーションガウンやフェースシールドなどの物資を調達し、すぐに届けました。
また、「１週間まともな食事ができていない」という声を受けて、栄養バランスのとれた温かい食事を全スタッフに提供。「洗濯する時間がなく、スタッフも患者も着替えができていない」という声に対しては、衣料品メーカーに協力を依頼し下着などを手配。災害支援用に保管していたキャンピングカーやトレーラー計４台も病院の横に設置し、仮眠スペースとして利用されました。

さらに、ARROWSリーダーの稲葉医師は、愛媛県庁の対策本部で増援を調整。
20日からは、DMAT（災害派遣医療チーム）やDPAT（災害派遣医療精神医療チーム）へ引き継ぐことができ、
医師６名、看護師７名、調整員４名のサポート体制を整えて、ARROWSは撤収となりました。
 

☆★☆　現場 こぼれ話　 ☆★☆

「４日間という短い応援期間でしたが、最終日には院長はじめ職員の方々が見えなくなるまで見送ってくれました。21日までに院内関係の感染者数は26人。PCRの再検査や引き続きの感染防止の取り組みなど牧病院はまだまだ大変な状況ですが、最も切迫した時期に、ARROWSのチーム力で一滴の雫になれた実感があります」
ー坂田大三（医師）

「『昼夜休まず働き疲れ切っていた皆さんに一瞬でもホッとした時間を届けたい』。そう思い、すぐに電子レンジとポット、温かい食事を提供し、肌着なども手配しました。
１月から開始した新型コロナウイルス支援において、現場への派遣は長崎のクルーズ船対応に続く２回目。一見危険に見える現場でも、手指消毒を徹底するなど、正しい知識を持って対応すれば、私たちにできることはたくさんあります。これからも支援を必要とする人に、着実に届く活動を続けていきます」
ー会沢裕貴（レスキュー隊員）

「ARROWSにできること、それは物資支援や救急患者の診療だけではありません。
病院の切迫状況を確認し、すぐに応援要請を実現できたのは、これまでの災害支援で培った経験とネットワークがあったからこそ。
これから梅雨の時期が到来しますが、コロナ禍の災害支援活動に向けてチーム一眼となって万全の体制を整えています」
ー稲葉基高（医師、ARROWSリーダー）

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https://arrows.red/news/emergency/n20200521/

ARROWS「新型コロナウイルス支援活動」の実績はこちら
https://arrows.red/news/