FALLOUTプロジェクト映画完成と試写会の報告
クラウドファンディングでご支援頂いた皆さまへ
クラウドファンディングを実施したのが2020年。本来ならば2021年中に終了していなければならないプロジェクトでしたが、2020 年から始まったコロナが収束を見せず、アメリカ取材ができない状態となってしまいました。
その後、アメリカで頻発したアジア人ヘイトも重なり、取材について慎重にならざるを得ない状況が続きました。
2022年6月から8月に、アメリカでの取材を決行。編集作業を経て、映画『Silent Fallout・サイレント・フォールアウト~乳歯が語る大気汚染~』は2023年3月31日に日本語版が、(ナレーション 加藤登紀子) そして、2023年10月8日に英語版(ナレーション アレック ボールドウィン)が完成しました。
その後、ハンプトン映画祭やセントルイス映画祭など、アメリカで試写会の機会をつくっています。
2024年は、日本はもちろん、米を中心に、世界中の人に見ていただき、FALLOUTの現実を知ってもらうための活動に力を入れてまいります。
『Silent Fallout・サイレント・フォールアウト~乳歯が語る大気汚染~』
予告編をご覧いただけます!
https://youtu.be/TqtbSQ5KEaY(日本語版)
https://youtu.be/wFXrB7OuHms (英語版)
【FALLOUTプロジェクトへの思い】
ロシア・ウクライナ問題でも核兵器の使用(原発攻撃)が現実味を帯びてきた今、「核兵器をもたなければ国際的ステージに立つことができない」「ロシアや中国、北朝鮮が核兵器を持っている以上、日本も持たなければ自国を守れない」「核兵器をなくすなど夢物語でしかない」など、核兵器をもつことの正当性が強く語られるようになっています。
これらのロジックにおいて、完全に抜け落ちているのは、核兵器製造の過程で起こった地球規模の被曝です。この事実がまったく知らされてないのです。
私たちは、核兵器を製造する過体において、自らの健康、家族の健康、友人の健康。それぞれの命と健康を、知らないうちに差し出しています。この重大な事実を知らないまま、核兵器を持つことを許し、その使用の有無を論じています。
これまで国内外300か所で2作品の映画を上映、さらにはテレビを通してその事実を伝
えてきました。しかし、日本国内に、うねりを作ることができませんでした。
そのことから、プロジェクトでは、核兵器を多く所有するアメリカの人々に事実を知らせ、ムーブメントを引き起こし、さらにそ動きを世界へと広げていきたいと考えています。
アメリカでは、市民レベルのムーブメントが2度にわたり大統領を動かしているという歴史的事実があるからです。
1 度目は、1963 年、女性を中心とした活動によってアメリカの子どもたちの放射能汚染が署名され、ケネディ大統領が大気圏内核実験の中止を呼びかけ、核実験による放射能汚染から地球を守りました。
2 度目は女性記者によって国家ぐるみの放射能人体実験がスクープされ、クリントン大統領が、調査委員会の立ち上げを明治、その結果、謝罪し、補償を行いました。
私は、アメリカで 3 度目のムーブメントを起こせるのではないか、と考えています。核実験によってアメリカ全土が放射能汚染している事実を、映画を通してアメリカの人たちに知らせたいのです。
「あなたたちの暮らすまちが、1940 年代から放射能で汚染している。そのことが知らされていません。あなたたちには知る権利があります。そして政府には知らせる義務があります。あなたや家族や友人が知らないうちに危険にさらされてきました。それでいいのですか?」
と問いかけたいのです。
私は、アメリカにムーブメントを起こしたいのです。そうしなければ、この核兵器の問題は、解決の方向へ進まない。と考えています。アメリカでムーブメントが起これば、日本にも大きな影響を及ぼすでしょう。
その立地から、アメリカ、イギリス、ロシア、中国などの核実験によって、日本列島が強烈な放射能汚染をし続けたことを知ってもらいたいのです。さらには、チェルノブイリ原発事故、福島第一原発事故によって放射能汚染にしたことについて、強い危機感をもってもらいたいのです。
そうしなければ、私は、今後起こる可能性がある核戦争、原発事故を防ぐことはできないと考えています。
アメリカで女性たちがケネディ大統領を動かし大気圏内核実験が中止され、女性記者がクリントン大統領を動かし放射能人体実験に対し謝罪と補償が行われました。アメリカ全土の放射能汚染を知らせることでアメリカの人たちが声を上げ、アメリカ政府が動く。また、そのことが核兵器廃絶へ大きなきっかけになる。とぼくは信じています。諦めないで事実を伝え続けます。
皆さまもFALLOUTプロジェクトのプロジェクトメンバーとしてご一緒いただけると心強いです。
【収支報告とお願い】
2020年9月26日にスタートしたクラウドファンディングは、90日間を経て、同年12月26日に終了し、15,811,000円のご寄付を頂くことになりました。その中から、READYFOR へ達成金額の17%にあたる2,296,700円を支払い、1 年以上わたり伴走して頂いた鎌倉幸子さんへ5%にあたる678,800円を支払うことで、残り12,835,500円でのスタートとなりました。多額の金額とともに皆さまから託して頂いた思いを重く受け止めています。
また、文化庁に申請していた文化庁芸術振興費補助金5,000,000 円の申請が通り、(実際に頂けるのは来年4月以降)クラウドファンディング12,835,500円に加え、17,835,500円が映画製作のため使えることになりました。
2022年のアメリカ取材は、最後の調整地であるシカゴ(ホームステイ)も含めて、47日間。予想を超える700万円以上の費用がかかりました。ホテルは一切使わず、エアビーに宿泊。外食をできるだけ控え、自炊にする。などできる限り節約をしましたが、円安と物価の高騰は、飛行機代、宿泊料金、食材、食事、ガソリン、レンタカーなどすべてにおいて大打撃でした。
取材の後の編集などの作業を経て、映画は完成しました。皆さまからのご支援は取材、映画の編集、ナレーションを入れる費用など、映画制作のために全額を充てさせていただきました。
【これからの計画とお願い】
2024年の目標は、 アメリカ議会を動かすことです。
核兵器を開発するため、101個の原子爆弾をアメリカ大陸で爆発させ、さらに828個の原子爆弾を地下で爆発させ、そのことでアメリカ大陸が放射能汚染していることを知りながら、アメリカ国民に知らせなかったこと。
そして、アメリカ西部のごく一部のみが風下地区として、被曝を認め補償していますが、実は、全米が風下地区であることが認められていません。
そのことをアメリカ議会で議論してほしいのです。 そのために、映画を通して、より広く、より多く、事実を伝えていかなければなりません。
その活動を行うために、資金が必要です。 そのため、再度、クラウドファンディングに再挑戦しようと考えています。
また皆さまにお願いをすることになるかと存じますが、日本やアメリカはもちろん、戦争の音が広がり続ける全世界に「核の事実を伝え、核を問い直す」機会をつくるためにご協力をいただけると幸いです。