ご寄付をいただきました皆さまへ
イノセンス・プロジェクト・ジャパンは、2022年10月より<「えん罪」のない世界へ!専門家による、えん罪立証への無償支援を広げたい>というタイトルで、プロジェクトを進めてまいりました。このたび、プロジェクトが2024年7月1日に完了するにあたり、プロジェクトの経過、成果、支援金の使途、これからの計画についてご報告させていただきます。
しっかりと「えん罪支援」に取り組むため、①今まで以上にイノセンス・プロジェクト・ジャパンを社会から認知していただき、安心して相談してもらえる組織作りを行い、そして、②新たな組織をベースとして、更に多くのご相談を受け、「えん罪支援」を推進していくという2段階で活動を進めてきました。
具体的には、2023年4月3日に一般財団法人イノセンス・プロジェクト・ジャパンを設立し、今まで以上に社会への責任と義務を背負い、「えん罪支援」に特化した法人として活動をスタートしました。
その結果、活動を始めた2016年から、当プロジェクトをスタートする2022年9月30日までは年間70件にも満たなかった相談件数は、このプロジェクト開始以降、年間100件超に増えております。
また、プロジェクト開始時点に皆様にご紹介した今西事件は、専門家のご協力を得て、力強く弁護活動を行うことができ、本年11月28日に大阪高裁にて控訴審判決が言い渡されます。
ご相談の中から、今西事件に加えて2件を新たに支援する決定を行いました。1件は現在、第一審が進行中で、もう1件は再審請求を行う予定です。無罪判決確定に向けて、支援を強化する予定です。
これらの直接的なえん罪救済活動に加えて、「社会への情報発信」 として、様々な啓発セミナーを開催するとともに、各種団体の行うセミナー等に協賛する活動も行っています。とくに、2023 年6月から、世界的な人権団体であるヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)と共同で、「ひとごとじゃないよ!人質司法」プロジェクトを立ち上げました。罪を否認したり黙秘したりする被疑者・被告人の身体拘束が長期化するという日本の「人質司法」のあり方を問うために、人質司法のサバイバーの皆さんのご協力を得て、メディアや社会に発信するとともに、司法制度をより良いものにするための活動を強化し、司法改革に向けた取組み等も継続して展開しています。
そして、これらの活動の成果を具現化するために、司法改革に向けた要綱案をまとめ、公表しました。
本プロジェクトがスタートした1か月間(2022年10月31日まで)は、クラウドファンディングに挑戦し、436名もの方から1216万4000円もの温かいご寄付をいただきました。その後も継続してプロジェクトを進めてきましたが、プロジェクト完了予定の2024年7月1日までに、マンスリーサポーター315人の方々から、計118万1000円のご支援をいただきました。
改めまして、心よりお礼申し上げます。
皆さまからいただいた支援金は、すべて「えん罪立証」に向けた調査・研究・鑑定等の実費、社会に対してえん罪を生まない世界を実現するためのPR費、それらの活動を支える法人の維持・運営に大切に使っています。
今後も、これまでいただいたご寄付を、引き続きえん罪救済に向けて大切に使わせていただきたいと思っています。クラウドファンディング期間以降も、マンスリーサポーターとして引き続きご支援くださる皆様も多くおられます。とはいえ、「えん罪救済活動」は、地道な支援活動と社会への働きかけを続けていくことが必要で、皆様の更なるご支援が不可欠な状況は続いています。どうぞ、今後ともよろしくお願い申し上げます。