そもそも、なぜご支援をお願いする必要があったか

本日12月1日は「マスダ・ボストン・チャレンジ」の最終日です。

 

みなさんのご支援のおかげで、最終日を待たずに、予想以上に早い期間で目標を達成することができました。
本当にありがとうございました!

ただせっかくの機会ですので、そもそも今回みなさんにご支援をお願いすることになった原因である、航空会社が人工呼吸器をつけた障害者・病者を乗客として想定していないため高額の費用が必要になったという問題について、みなさんに知っていただけたらと思います

問題のポイントは
・人工呼吸器を装着した障害者などリクライニングを必要とする人はビジネス席を選択せざるを得ないこと。介助者もビジネス席に座る必要があることを考えると、1席50万円もするビジネス席を2席をとらなければならず片道だけで100万円かかってしまうのです。
・横になれるストレッチャーを利用する方法もあるが、ストレッチャーは設置できる機体が限られる上に、エコノミー席(割引されていない通常料金)の2倍かかること。そのため、結局ビジネス席を利用するのと同じぐらいの費用がかかってしまうのです。

高齢や障害の有無にかかわらず、誰もが安心して旅行できる状態を目指して「ユニバーサルツーリズム」が提唱されるようになっていますが、まだまだ実現されていないことが多くあります。

以下、この問題について増田さんがまとめた文章を転載しますので、ご一読下さい。

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ボストンで行われる国際会議に参加したいと思い、その実現に向けて調べはじめました。しかし、国際学会に参加するにあたって、現実的な問題として、そもそも飛行機に乗ることができないことがわかりました。このことは、飛行機が人工呼吸器を装着した私たちのような障害者を乗客として想定してないことによって、私たちの意思にかかわらず健常者と同様に私たち障害を持つ者が活動できない仕組みに置かれてしまっているという現実を示しています。そこでわかったのは、まず、私たちが実際に機内で過ごすために必要な環境が整備されていないということです。私たち人工呼吸器を装着した障害者は、健常者と同じように長時間、体位を直角に保つことができません。私の場合で言えば、少し角度をかえると、高圧アラームが鳴ってしまいます。自分で自分の体を動かすことができない私たちにとっては、体重や圧を分散させることができないわけですから、同じ姿勢でいることそれ自体が拷問とも言える状態です。その状態を解消するためには、リクライニングができるビジネス席を選択せざるを得ません。

しかし、ビジネス席はエコノミー席の2倍以上の金額がかかってしまいます。私たちだけビジネス席に乗っても、人工呼吸器や文字盤などの介助を必要としますから、当然、隣には介助者がいないといけません。だけど、エコノミーとビジネスは席自体が離れているため、介助者はエコノミー席を利用して患者だけビジネス席を利用するというわけにもいきません。そのため、結局は1席50万円もするビジネス席を介助者分の2席をとらなければならずに、片道だけで100万円かかってしまいます。

そこで、いろいろ調べたところ、ストレッチャーという方法があることを知りました。航空会社からは、ストレッチャーはエコノミー席の2倍の料金と言われました。そのとき、私以外の人たちは片道8万円程度の料金だったので、私はストレッチャーを利用すれば、その2倍の16万でいけると思いました。ビジネス席よりも安い費用で行けると思いました。だけど、よくよく調べていくと、ストレッチャーが取り付けられる機体が限られていること、ストレッチャーの取り付けにはエコノミーの座席6席分を必要とすることがわかりました。さらに、航空会社の説明にあったエコノミー席の料金は、基本料金であることがわかりました。健常者が利用する際のエコノミー席片道8万円は、様々な割引がされている料金であり、そうした割引がされていない飛行機の基本料金はおおよそ50万円であることがわかりました。結局、ボストンまでの便はストレッチャーを取り付けられる機体ではないこと、またもし可能だとしても往復で200万円かかってしまうことがわかりました。

つまり、私たちには、通常の人が選べるはずの選択肢がそもそも用意されていないのです。そしてそれを要求しても、サービスを用意していないと言われ、会社の規定ということで要求それ自体を検討することも受け入れてもらえません。まさにお金持ちの患者しか国際的な活動はできないし、健常者と同じように飛行機に乗って海外にもいけないのです。

私は、この現実を突きつけられたとき、愕然としました。安楽死や尊厳死に一番近い存在に置かれてしまっている私が、今まさにその合理化に向けて話し合われようとする場に行ってこの存在をまざまざと見せつけ、私がこれまでJCILや障害を持つ人たちとの活動を通して作ってきた生活を私自身が伝えることで、自分たちの手に自分たちの生活を自分たちで取り戻していくという方向にどうしても向かわせなければならないからです。そのために、私は15時間もの長時間のフライトになるため、健常の人でも厳しいシートですが、私もこの身体でそれに耐えるために毎日車いすに乗って訓練し、文字通り、自分の人生をかけて挑戦に向けた準備をしてきました。それが、たった飛行機に乗れないことだけで、立ち切られてしまうのです。これは私だけの問題ではなく、障害を持って生活をすることを認めないという大きな差別です。これにみなさんと立ち向かっていきたいと思っています。

どうぞよろしくお願いします。

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