こんにちは!筑波大学陸上競技部長距離パート3年の遠藤陽太と申します。

 

 

  この度は、筑波大学箱根駅伝復活プロジェクトに対する、多くの方々からのご支援、ご協力を賜り、心より感謝申し上げます。クラウドファウンディングを通して、私達は本当に期待され、応援されているということを実感しています。この期待に応えるべく、予選会までの残り少ない時間を大切に、日々精進していきたいと思います。

 

入学してすぐの関東インカレに大学代表で出場した遠藤

 

  第一次合宿・強化練習(7月20〜29日)が終わった後、少しの休養期間(7月30日〜8月2日)を設け、僕たちは、再び強化練習を再開したところです。久しぶり(人によっては2週間振り)にメンバー全員が顔を合わせたわけですが、皆の充実した表情や食堂での賑やかな雰囲気からは、「強化期間と休養期間を有意義に過ごすことができたのだろうな」ということを感じるとともに、改めて「私達は一つのチームである」ことを実感しています。

 

  今回、ホームページに掲載する文章の執筆依頼が僕のところにきた時、「引き受けるかどうか」ということで非常に迷いました。それは、僕自身、これまで紹介(掲載)されてきた選手のように優れた競技力や結果が伴っているわけではないからです。未だに「僕なんかが書いていいのだろうか」という気持ちはありますが、「自分の過去と現在を見つめ、気持ちを整理する意味で良い機会になる」と思い執筆させていただきます。筑波大学にはこんな選手がいるのかということ、また長距離チームの食事面における現状を知っていただけたら幸いです。

 

高校3年のインターハイ(1500m)で入賞している遠藤

 

  過去の話にはなりますが、僕は、インターハイの1500mで入賞できたことで、筑波大学の推薦入試を受験することを決意し、念願が叶って入学することができました。入学当時は、インカレで得点することを目標に練習に励みました。運良く1年生で関東インカレにも出場することができました。結果は予選落ちでしたが・・。そこまでは本当に順調に進んでいたと思います。フレッシュな1年目の春ですから、このまま全てが上手く進んでいくものと信じて疑わない自分しかいませんでした。

 

 しかし、1年目の関東インカレが終わった後から、まるで“歯車が狂ってしまった”かのように、思うような走りができなくなってしまいました。競技会に出場し、何度も挑戦しましたが、理想とはかけ離れた結果しか出ず、「どうして?」という自問する日々が続くことになりました。走るほどに自信も失い、精神的にもボロボロの状態になっていきました。心の元気がなくなると、当然ですが、身体も益々動かなくなり、「部活動を辞めてしまおうか」と考えたことすらありました。

 

入学当時、同期の4人で記念撮影

 

 「俺は、こんなタイムでしか走れないのか」という自分に対する失望感。自分が活躍することに期待してくれる両親と筑波大学を薦めて下さった恩師に対する申し訳ない気持ち。そんな感情で心は支配され始め、ついには負の心理で一杯になっていきました。この気持ちは今も変わることはありませんが、前よりも強くなった気持ちがあります。それは、

 

 僕は陸上競技を絶対にやめない!

 

 むしろ、僕は、以前よりも陸上競技を好きになりつつあります。それは、なぜか?理由は、大きく分けて二つあります。

 

思うような走りはできていないが、競技が楽しくなっている

 

 一つは、陸上競技に対する考え方が変わったということです。僕は、競技がうまくいかなかった時、その原因や改善策を掴むために、図書館やインターネット、授業などから生理学、栄養学、解剖学、バイオメカニクスなど、スポーツ科学(とくに陸上競技に関連するあらゆる分野)を勉強し、実践し、理解する努力をしました。思うことは、「おそらく競技がうまくいっていたら、自ら本を手にとって勉強することはなかった」であろうこと。

 

 この学習と実践を通じて、「陸上競技は、楽しむもの」「結果が全てではない」「目標に向かって自分が何を取り組み、どんな工夫をしたのか、そのプロセスが大事である」=つまり、「己を磨くため」と考えるようになりました。これまでの私は、記録や結果を出すことに目を奪われ、「心から“競技を楽しむ”ことができていなかったのかもしれない」と思うようになりました。

 

 誤解のないように言っておきますが、僕は、結果を出すことを諦めていません。結果を出すためのプロセスの質を上げていくことも楽しみたいと思っています。

 

 そして、二つめは、チームにおける自分の果たすべき役割の重みを感じたことです。僕は、現在、陸上競技部のトレーナー委員会と長距離チームの栄養サポート班の仕事をしています。トレーナー委員会では、選手のフィジカル面でのコンディショニングサポートを担っています。マッサージやケアをすることが主な仕事になりますが、自分がサポートした選手が大会で活躍する姿を見ると、本当にやってよかったという達成感や充実感が得られました(正直、試合に代表選手として出場できない悔しさはあります・・・)。

 

 中でも、今、とくに頑張っているのが、長距離チーム・栄養サポート班の仕事です。僕たちは、朝夕の食事を全員で摂っていますが、管理栄養士の方が準備してくれる「火、木、土曜日の夕食」以外は、全て学生の手で調理を行なっています。毎日の朝食は、食事当番制にして、学生で用意しています。実際のところ、夕食後、夜遅くまでかかる翌日の朝食の仕込みは、ケアや勉強に充てる時間を削ることになります。

 

苦しくとも自分のため皆のために頑張りたいと語る遠藤

 

 それでも、「自分達が強くなるために食事はとても重要」という意識を選手それぞれが持っているので、文句をいう者は誰もいません。みんなで協力し合って取り組んでいます。おそらく、「箱根駅伝に出場している大学」もしくは「予選会の当落線上にいる大学」に、選手だけで食材の調達から調理までの全てを行なっている大学は筑波大学以外にないでしょうし、誰も引け目は感じていないと思います。僕たちの中では、自負心さえ生まれています。

 

 そんな栄養サポート班で、僕はリーダー的な役割を担っていています。その食事に関係する部分では、朝食の献立作成や業務系の仕事を(食材の注文などを担当)しています。献立作成では、栄養バランスを意識するのは当然ですが、夕食のメイン食材に被らないようにしたり、彩や調理のしやすさ、さらには経費など、総合的に判断しながら工夫するようにしています。

 

 「自分が考えた献立が料理(食事)になり、僕を含めた選手全員の身体を作る(回復させる)」と考えると、責任重大ですが、非常にやりがいのある仕事だと感じています。至らない点も多々ありますが、栄養サポート班(食事係)の学生を中心に、チームが一丸となって頑張っていけるような気がするのです。

 

実験の被験者として走る遠藤

 

 食事の時間が、最もリラックスして本音で話すことができ、打ち解けることができやすいと感じています。食事に関連する共同作業が、チーム状況を反映しやすいとも感じています。例えば、配膳手伝いの人が多い・少ない、食事開始時間に皆が揃う・揃わない、食堂がきれい・汚い、など。食欲含めて、食事がチーム状況のバロメータなのかもしれないと思ったりしています。

 

 そんな大事な時間だからこそ、少しでも美味しい食事、疲労を回復させる食事、会話が弾む食事、笑顔が生まれる食事タイムが必要だと思っています。だから、僕たちサポート班のメンバーは一切の手抜きをしないように心掛けています。そうすると、その日の当番も一生懸命に手伝ってくれます。

 

 皆が皆のために!

 

 そういう連鎖が生まれるのは、日常の営みの本質を理解してこそだと思います。当たり前のように出てくる食事、当たり前のように支えてくれる親、当たり前のように心配してくれるチームメイト、そんな当たり前のありがたみを感じ、感謝し、それに恩返ししたいと思う人間になりたいです。自分が変われたように、今の長距離パートの皆が変わってきています。

 

 私は、「うまく走ることができなくなってから、今までの時間が無駄だった」と感じたことはありません。それは、前述したように、自分が成長するための経験を積み、信頼できる仲間と出会うことができたからです。
 

長距離パートに所属する同期の3人は信頼できる友

 

 正直に言うと、昨年までのチームは、少なからずバラバラ感がありました。しかし、今年は違います。個性溢れる今のメンバーが一丸にまとまるなんて・・・!? このような素晴らしい経験ができていることが、嬉しいのです。楽しいのです。

 

 来年は4年生となり、チームを引っ張る存在にならなければいけません。今、長距離チームの3年生は3人しかおらず、厳しい状態なのは言うまでもありません。今でこそ、頼りない私かもしれませんが、自分の与えられた役割や責任をしっかりと果たし、さらに良いチームになっていくよう、今年の後半シーズンも努力していきます。

 

 今後とも応援、サポートのほどよろしくお願い致します。

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