【東京大学】困窮学生の学びを守る！#赤門サポーター

東京大学「緊急学生支援パッケージ」へのご支援、ご賛同、ありがとうございます。

 

本プロジェクトは現在、多くの本学卒業生によって支えられており、その中で賛同人としてご参画いただく方々も多くいらっしゃいます。心から感謝申し上げます。

 

今回は、賛同人のひとり、法学部の卒業生・草原敦夫さんに、学生時代の思い出、そして本プロジェクトに向けた思いを伺いました。
 

東京大学法学部・東京大学法科大学院卒業。司法試験合格後、司法修習を経て2013年弁護士登録（第二東京弁護士会）。2014年より森・濱田松本法律事務所でコーポレート・ガバナンス、ベンチャーファイナンス、会社訴訟・非訟、M&Aその他企業法務一般に従事。2018年READYFOR株式会社に参画。法務・コンプライアンス、新規事業の企画・検討等を担当。
 

 

||　駒場キャンパス時代：模範的な学生ではなかったけれど、感じた「人」の面白さ

 

ーー元々弁護士志望で東大に進んだということを伺いましたが、なぜ東大に？

 

きっかけはあまり高尚なものではなく、どうせ勉強するなら東大を目指そうという単純な動機だったように思います。私は茨城県の公立高校の出身なのですが、高校2年の時に友人と「東大に行けば受験勉強のやる気が出るかも！」ということで東大の本郷キャンパスに行ったことがありました。私は「この伝統あるオーラすごい！さすが東大！」となって気持ちが高揚したことを覚えています。友人は「古臭い」といっていたので価値観の相違だなと思いました。

 

 

ーーなるほど。オーラを感じたということで大学に対する期待もあったかと思うのですが、実際に通ってみていかがでした？

 

お恥ずかしながら、学業についていえば、あまりまじめな学生ではなかったので語れることは少なく、当時は法学の授業も「抽象的で高尚な内容だなあ」と感じ、正直あまり身が入りませんでした。

 

ただ、東大で出会った人には多くの刺激を受けました。彼ら、彼女らは普段はふざけていて今どきの若者のような見た目をしていても、いざ話すときわめて聡明で論理的だったり、社会に対する熱いビジョンやパブリックマインドを持っていたり、音楽・文学に深い造詣を持っていたりと、さすがすごいなと思うことばかりでした。

 

「井の中の蛙」だったと思い直すほどもともと優秀だったわけでもないですが、やはり世の中にはすごい人がいっぱいいるなと実感しました。

 

ーー法学の授業以外では、どのような授業を聴講してらしたのでしょうか？

 

駒場キャンパスにいた1，2年生の頃は東大のカリキュラム上教養学部所属でしたので、人文系・社会科学系、少しの理系科目など幅広い授業を履修しておりました。

 

特に印象的だったのはインド哲学の授業です。不正確かもしれませんが、古代インドでは火の同じ形の再現されない一瞬一瞬の明滅に人の生き死にを見たといったことを聞き興味深いなと思った記憶があります。

 

 

 

||　本郷キャンパス時代：法学の勉強は楽しい！今につながる授業と学友

 

ーー本郷キャンパスに移ってからはどのようなことに取り組んでいらしたのでしょうか？

 

本郷キャンパスに移ってからは法学部の学生として法学系の科目を中心に履修しました。

やはり授業は抽象的で高尚でしたが、同じくロースクールへの進学を希望する同級生と勉強会を始め、少しずつ法学について感覚をつかみ始めることができたように思います。

 

今は東大を退官されて明治大学にいらっしゃいますが、太田勝造先生の「法と交渉」というゼミに入った縁で、「交渉コンペティション」という仲裁・交渉の大会に参加したことは今でもよい思い出となっています。

 

準備期間はある教室を部室みたいにして朝から晩まで入り浸り、論点ごとに役割分担してリサーチしたり、書面を起案して「ああでもないこうでもない」と議論したり。大会当日は担当する論点について論旨をプレゼンしました。

当時は日本の大学以外で唯一出場していたオーストラリアチームが王者だったのですが、何年かぶりに東大に優勝をもたらすことができたことはひそかな誇りです。

 

 

ーーご学友とは、今もまだご関係性は続いてらっしゃるんでしょうか？

 

そうですね。卒業後の進路はさまざまですが、定期的に飲んだり遊んだり、ときどき旅行にいったりしています。法学部やロースクールで一緒に勉強していた何人かは同じ法律事務所に入りましたので、学生時代の仲間というだけでなく、仕事上も元同期という関係です。

 

普段はおちゃらけているけれど、いざまじめな話をすると高い視座をもっている、そんな尊敬できる仲間が見つかったのが、東大での1番の財産かもしれません。
 

 

||　「東京大学緊急学生支援パッケージ」について：誰もが東大で学べる環境を

 

ーー「東京大学緊急学生支援パッケージ」のクラウドファンディングについてはどうご覧になっていますか？

 

とてもよい取組みだと思います。やはり、東大の学生は都市部出身の裕福で教育水準の高い家庭出身の人が少なくない印象があります。

 

一方で、地元では神童扱いだった田舎出身の人もいれば、裕福でない家庭出身の人もたしかにいる。私は都市部ではないものの関東出身で、奨学金を借りていたけれど家が貧しかったというわけでもない。

 

東大は尊敬できる仲間と出会える学び舎だと思いますが、それは全国各地からいろいろなバックグラウンドを持った人が集まってくるからこそとも思えます。

 

また、東大での学びは社会に出て道を切り開く上で大きな武器になると思いますし、その機会は広く与えられるべきとも思います。

 

だからこそ、全国各地から集まるどんな学生にも、修学の機会を与え続けてほしいなと思いますし、「東京大学緊急学生支援パッケージ」はこれを後押しする取組みだと思い、すばらしいなと思っております。