みなさん、こんばんは。

真夜中の更新ですが、お許しください。

(メールなどで通知がいくようになっている方、夜分に申し訳ありません…)

 

今晩の更新では、岩手県・山田町の支援対象のひとりである、山澤賞子さんの震災・津波体験談をお届けいたします。

山澤さんは、今回のプロジェクトの現地担当者として、連絡や諸々の調整などで動いていただいています。津波がやってくる前に住んでいたおうちのあった場所を散歩しながら、少しずつ、ご自身の体験をお話いただきました。

 

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山澤さんのお話:前編

▲3月某日、船越の仮設住宅近くの風景

インタビュー:高松洋子(白樺隊ボランティアスタッフ)

 

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3月11日、地震に遭ったとき、宮古第一病院に居ました。娘と買い物をしてから、私の2番目の兄のリハビリが終わるのを待っていたときでした。待合室でいくつもの携帯電話が一斉に鳴り、「これは地震が来るぞ!」と、事務の人が玄関のドアを開けました。
 
14時46分。
 
これまでに体験したことのない揺れがやってきました。揺れ過ぎです。目の前に停まっていた佐川急便のトラックがナナメに飛んでいって、これをみて、とにかく恐怖を感じました。
 
とにかくすぐにうちに帰らなくてはと思い、娘と車に乗りました。ラジオは「津波は3m!!」と叫んでいました。津軽石の川沿い(すっかり津波で流されたところ)を走って、海を見て、「まだ引いていない、大丈夫だ」と自分に言い聞かせ、豊間根の山側を回って、下っていきました。
 
走っていると、UNIONというパチンコ屋さんのあたりで、どんどん車がUターンしてくるんです。その先に、おにぎりやらサンドイッチやら…、コンビニの食べ物が流れているのをみつけました。
 
それが津波でした。屋根が道路を、すーっ…すーっと、動いていくんです。
 
すぐに私たちもUターンして逃げました。サンヨーソーイングの前が、発泡スチロールやら養殖の浮きやらで、溢れんばかりになっていました。今は仮設の山田病院が建っている野球場、あそこに逃げ込もうとしたら渋滞で入れませんでした。とにかく上へ上へ上がって、山のずっと上の方を通り、昔の道路を伝って、ようやく山田町役場の裏に出ました。
 
ところが、津波は、もうここにもやってくる。
 
「高台へ行け!」という声をきき、さらに銀行の裏の方まで逃げました。海を見ると家が流されて、左から右へ、今思うと、大沢から船越の方へと、家たちが流れていました。そのあたりのガードレールに掴まり、16時くらいまで、そこにいました。
 
私はなんとかして家に帰りたかった。うちで待っている犬が心配だったんです。でも帰れず、役場の中央公民館で、一晩を過ごしました。そこでは知り合いのおじさんとバッタリ会いました。「嫁が行方不明で探している」とのことでした。「俺のいる南小学校なら、おにぎりがあるから、来い」と言ってくれたので、行きました。ようやくおにぎりを1個食べました。そこで、船越の様子を聞いたんです。
 
すると、「おまえんちは、ない」ということでした。
 
地震から5日後、ようやく船越の家に帰れることになりました。サンダルを脱いで、はだしで土手をよじ登って高速道路にあがり、そこに停まっている車に頼み込み、道の駅まで乗せてもらいました。下ろしてもらってから、また山を越えて、家のあったところに行きました。
 
▲山澤さんの家があったあたりの、現在のようす
 
 
流されてしまって、何もありませんでした。ずっと先の漁協組合にあった油タンクが、家のあたりまで流れてきていて、そこらじゅう油臭かったです。
 
私の兄のひとりが、船越から車で20分くらいのところの会社に勤めていました。会社は海の近くなので、地震のあとすぐに「とにかく逃げよう!」となって、車に飛び乗って、うちに来たそうです。急いで2階に上がって窓の外を見ると、15mの防波堤を越えて、タンクがこっちに向かってくるところでした。
 
車に乗ってエンジンを掛けて…としていたらもう間に合わない!!だから兄は、何も持たずに子犬だけを抱いて、大きい方の犬は自分で走らせて、とにかく山に逃げました。逃げる途中で津波に捕まって、足までぬれました。でもなんとか、逃げ切りました。
 
車は、となりの家の上にあがっていたそうです。
 
となりの家にはね、78歳のおばあちゃんがいました。逃げるときに転んでしまって、膝を手術したんです。海の方に実家があるそうで、そっちでは90歳をこえるおばあちゃんが逃げ遅れて、そこの漁師のお父さんが泳いで助けたんです。親をおんぶして逃げて、でも流されて、「もういいから」って、泳ぎながら離した方も、あったそうです。
 
津波で逃げるときに何が大変かというと、壊された柱などで道路が塞がれて逃げられないんです。この柱で、川がすごいことになっていました。
 
 
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明朝、後編をお届けいたします。
 
 
 

 

 

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