プロジェクト概要

アイヌ民族は日本の先住民族です。目に見える差別は減ったものの、過去の差別・蔑視がまだトラウマとしてアイヌの心を傷つけていますし、文化を支えるアイヌの暮らしも回復されていません。一方ニュージーランドの先住民族マオリはマオリ語をはじめ失ったものを回復するために立ち上がり、見事な文化復興を遂げました。「40年前にはマオリは一つになれなかったが、いまは団結して立ち上がることができるようになった。きっとアイヌもそうなれる。私たちが持っている経験・知識はすべて皆さんと分かち合いたい。」ーーー日本がもっと多様で、調和のある、平等な社会になるために、アイヌ文化の復興を目指す。マオリから勇気と希望を受け継ぐため、第二回交流プログラムを開催したい。

 

文化復興のために、日本の先住民族アイヌがニュージーランド先住民族マオリ族から学ぶ。アイヌ・マオリ交流プロジェクトにご支援を!

 

ページをご覧いただきありがとうございます。島田あけみと申します。私は北海道静内出身で、現在は神奈川県に暮らすアイヌです。現代社会で力強く生きる、ニュージーランドの先住民族マオリの人たちから学び、私たちの文化復興に活かそうと、アオテアロア・アイヌモシリ交流プログラムという国際交流活動を始めました。(「アオテアロア」は、マオリ語で「白く、長くたなびく雲」という意味でニュージーランドを指します。「アイヌモシリ」はアイヌ語で「アイヌの住む大地」という意味です。)

 

明治時代以降の同化政策で、アイヌの文化は大きく損なわれました。土地、言葉を失い、慣習・生業を禁止され、劣等民族とみなされ、厳しい差別にさらされました。その結果、私たちの文化、それを支える暮らしの基盤は姿をひそめていきました。アイヌ語をしゃべる子を育てることは差別につながるとして、親は子にアイヌ語を教えることをしなくなりました。その結果、アイヌ語は現在、残念ながら、ユネスコの基準では、消滅の危機にある言語です。

 

言葉や暮らしから切り離された文化は根なし草の文化です。失われた文化の基盤を取り戻し、いま伝えられているアイヌ文化を本当に生きた文化として現代に蘇らせたい。私たちは何百年という長い歴史のなかで失われたものをいま復興させようと立ち上がっています。

 

2013年の第一回研修では、アイヌを中心に計15名が、1ヶ月に渡りニュージーランド北島各地を訪れ、歴史や文化・ビジネスなど多様な分野でのマオリの取り組みを学びました。「マオリにとっていいことは、アイヌにとってもいいことだ。アイヌにとっていいことは、日本、世界にとっていいことだ」という彼らの言葉に私たちは文化復興への思い強くしました。

 

マオリの方々から熱い歓待を受けました。

 

交流プログラムとして2回目を迎える今回も、アオテアロアにアイヌの若者を送って、マオリの人たちが成し遂げた文化復興を学ぼうと計画しています。期間は2018年2月2日から2月13日までの12日間、2013年に続く二回目の派遣プロジェクトです。総勢11名を派遣するには最低でも350万円が必要です。

 

助成金、物品販売、イベント実施などで資金作りをしていますが、まだ足りません。アイヌの多くは、いまも経済格差に苦しんでいます。参加するアイヌの経費を全額負担することができていない状態です。

 

文化復興という思いをなんとしても実現したい。そう考えて、クラウドファンディングのプロジェクトを立ち上げました。どうか皆様、温かいご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。

 

儀式(ポーフィリ)のあとは一人一人と挨拶をし、話をします。強く励まされました。

 

 

調和と平等を大事にするアイヌの伝統的な生き方は、現代の日本社会に今こそ必要だと考えます。

 

カント オロ ワ ヤク サク ノ アランケプ シネプ カ イ サム

(天から役目なしに降ろされた物はひとつもない)

 

これはアイヌに伝わることわざですが、調和と平等を大切にするアイヌの精神をよくあらわしています。万物それぞれが役割を持ち、有機的に関係し合い、地球全体の命を支えているという、現代の環境思想に通ずる言葉です。すべてに役割があるという考え方は、一人ひとり人間を尊重する平等の思想です。アイヌはカムイ(神)とも平等です。川で子供が死ぬと、先祖たちは川のカムイに「どうして子供を守ってくれなかったのか」と抗議しました。  

 

アイヌ文化を復興させることによって、こうしたアイヌの精神も蘇らせたい。それは、私たちの自立と生存のためだけではありません。社会がもっと多様で、調和のある、平等な社会になるためにも必要ではないでしょうか。まさに、「アイヌにとっていいことは、日本・世界にとってもいいこと」です。

 

 

同じ先住民族であるニュージーランドのマオリの人たちが、勇気と希望をくれた。

 

アイヌ文化を復興したいと立ち上がった私たちに、海の向こうの「白く、長くたなびく雲」の国、アオテアロアから助けの手が差し伸べられました。2012年、前マオリ開発省大臣のテ・ウルロア・フラヴェル氏が、日本を訪れ、アイヌ語復興や文化継承に取り組むアイヌの姿を見て、マオリの取り組みが参考になるはずと、1ヵ月間にわたるアオテアロアにおける研修プログラムを提案してくださいました。

 

第一回研修を提案してくれたテ・ウルロア・フラヴェル前マオリ開発省大臣(左)と。

 

文化復興を遂げてマオリとしての自信と誇りを回復したマオリの人たちから学ぶことは、アイヌのコミュニティの絆を強くし、文化復興を後押ししてくれるはずだ。そう確信し、多くの方々の支援を得て、2013年に第一回交流プログラムを実施しました。

 

「アイヌはアイヌであっていい」「40年前にはマオリは一つになれなかったが、いまは団結して立ち上がることができるようになった。きっとアイヌもそうなれる。私たちが持っている経験・知識はすべて皆さんと分かち合いたい」

 

こうした力強い励ましは、日本では得がたい経験です。私たちの活動の原動力になりました。

 

マオリ語だけで教育が行われるクラ・カウパパ・マオリ(マオリ語イマージョン小学校)も見学しました。

 

 

「母語喪失」は「民族そのものの消滅」だと考えるマオリたち。復興のために自ら立ち上がった先住民族としての知恵と絆を受け継ぐ。

 

2013年第一回研修からの帰国後、研修参加者によって、マオリの取り組みをモデルにした新しいプロジェクトが立ち上がりました。

 

一つは、マオリ語復興に大きな力となったマオリ語学習法(テ・アタアランギ)をアイヌ語学習に応用しようという試みです。もう一つは、まずできることから自ら立ち上がるというマオリの運動をモデルに、東京にアイヌの集いの場を自分たちの力で作ろうというグループ、チャシ・アン・カラの会の立ち上げです。

 

マオリから教わる言語復興のための学習法(テ・アタアランギ)。
英語しか話せなくなったマオリの大人が、この教授法でマオリ語も話せるようになった。

 

チャシ・アン・カラの会主催のアイヌ感謝祭で、
パフォーマンスをする首都圏のアイヌの若手グループ、ヤイレンカ。

 

私たちは研修団の送り出しだけでなく、小規模ながらマオリの人たちの受け入れも始めました。まさに、交流です。こうした活動を通して、私たちとマオリの人たちとのあいだに強い絆が生まれています。 

 

今回の交流プログラムもその中の一つとして、継続的に交流会や報告会、ワークショップの開催に繋げていきたいと思っています。

 

クラウドファンディングで日本社会に知ってもらいたいこと。

 

2008年にアイヌ民族が日本の先住民族として認められ、アイヌ文化に特化した博物館を中心とする大きな複合施設の建設など、政府による政策の見直しが始まっていますが、一般社会のアイヌ民族の歴史・文化への理解は必ずしも進んでいません。

 

一ヶ月の研修を終えた最終日の夜の集合写真。

 

日本社会で「アイヌを名乗ってもいいことなんか一つもない」そう考えているアイヌが何万人もいます。目に見える差別は減ったものの、明治時代以降の差別・蔑視がまだトラウマとしてアイヌの心を傷つけているのです。豊かなアイヌ文化を復興させることは、そうした同胞への大きな励ましになるはずです。

 

私たちの取り組みがアイヌ社会だけでなく、日本の社会をも豊かにする、この意義をクラウドファンディングを通して知ってもらいたい。同時に、アイヌ民族に向けられた過去の同化政策、その影響をいまも被っているアイヌ民族の現状も理解してもらいたい。皆様の温かいご理解、ご協力は、私たちにとってはまさに大きな飛翔の翼なのです。

 

2017年度 交流プログラム概要

 

今回の派遣プロジェクトは、2018年2月2日から13日までの12日間にわたるアオテアロア(ニュージーランド)研修団派遣を目指しています。ニュージーランドの北島各地を周り、文化、言語の復興と誇りの回復を体験的に学びます。現地AMO代表のベンサム・オーヒアさんを中心に)と連絡を何度も取り、今までお世話になった各地のマオリの方、はじめて訪れる新しいホストの方とともに準備を進めています。以下のようなスケジュールで、アイヌの研修参加者、実行委員会、通訳や記録等のサポーター総勢11名を派遣します。

 

2015年に来日された、ベンサムさんとケイトさん。
若いアイヌや当プログラム実行委員と今後を熱く語りました。

 

 

総勢11名を派遣するには最低でも350万円が必要です。その一部の100万円を皆さんお力添えいただけないだろうか。そう思い切って今回クラウドファンディングという形でのご支援をいただきたく、プロジェクトを立ち上げました。

 

 

ご支援いただいた方への贈り物~アイヌ文化を身近に感じていただくために~

 

ご支援いただいたみなさまへは、特製クリアファイルや、今回のプロジェクトのために、当プログラム副代表の芸術家、結城幸司が新たにデザインした特製Tシャツをお届けしたいと思っています。皆様と、アイヌグッズを通して文化的な繋がりを得ることができればこれ以上嬉しいことはございません。詳しくはリターン一覧をぜひご覧ください。

 

長い文章をここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。少しでも共感いただく部分があれば、ご支援、そしてSNSでのシェアをお願いできないでしょうか?一人でも多くの方に我々の取り組みを知っていただき、応援いただくことが、先住民族の未来には大変重要です。

 

あなたの小さな一押しが、我々の大きな勇気に変わります。

どうぞ応援のほど、よろしくお願いいたします。

 

第1回では、一ヶ月に渡り、本当にたくさんのマオリの方々と語り、一人一人の経験から、多くを学びました。
第2回の開催に向けて、ご支援をよろしくお願いいたします。

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