カンボジア僻地の6万人の命を救うために【活動終了報告】
まず初めに、本プロジェクトにご協力いただいたすべての皆様、本当にありがとうございました。
このプロジェクトを終えて強く感じることは、プロジェクトの主体は「ご支援いただいた皆様」であるということです。あおぞらの役割は、皆様の思いを現地に運び、形にし、そしてそこに生まれた笑顔を皆様にお届けすることです。このプロジェクトの中心には、間違いなくご参加いただいた皆様がいます。
皆様の思いが形となって、カンボジア僻地の命が救われ、笑顔が生まれた――そのプロセスはとても美しく、かけがえのない経験となりました。心より感謝申し上げます。
プロジェクトの概要と目的
本プロジェクトは、カンボジア・コンポンチュナム州コンポンレーン郡において、妊産婦と新生児の命を守るため、地域の医療従事者の技術向上と医療環境の整備を目的として、2024年4月より実施されました。
妊婦が安心して地域のヘルスセンターで出産できる体制を築くことを目指し、多角的な支援を行ってきました。
助産師・医師への研修
郡内のヘルスセンターに勤務する助産師8名を対象に、出産に関する技術研修を実施。正常・異常分娩の管理や新生児ケアについて、現場で即活用できる実践的な内容を提供しました。
また、新生児科医の柳先生と、州病院の小児科医ヴァンデット先生による新生児蘇生法研修では、助産師8名と看護師4名が受講。呼吸がない、または弱い赤ちゃんへの緊急対応技術を学びました。
さらに、搬送先である州病院の小児科医8名に対しても、嶋岡先生と柳先生による「アドバンス新生児蘇生法研修」を実施。より高度な蘇生技術やチームでの連携強化に焦点を当てた研修となりました。
地域との連携と啓発活動
産前検診の質向上のため、日本人助産師・羽生さんと州病院のモイ助産師を中心に、助産師への実地指導を実施。個別の妊婦の状態に応じた丁寧な保健指導ができるよう支援しました。
また、地域のヘルスボランティアにも、妊婦との関わり方や異常の早期発見に関する指導を行い、地域全体で妊婦を見守る体制の強化を図っています。
妊婦やその家族に向けた啓発セッションも5回実施し、約200名が参加。保健センターでの出産を希望する妊婦の増加という変化も見られました。
施設整備と医療機材の供与
出産前後に妊婦と赤ちゃんが安心して過ごせるよう、スヴァイルンピア保健センターに「母子棟」を新たに建設しました。陣痛室や産後の滞在スペースを備えたこの施設は、周産期ケアの質を高める重要な役割を担っています。
また、20年以上使用された分娩台の更新も実施。4台の新しい分娩台を供与し、安全な出産環境の整備を図りました。
さらに、感染予防や診療の質向上を目的に、以下の医療機材を供与しました:
- オートクレーブ(滅菌器)3台
- 血圧計16台
- 小児用聴診器24個
- ドップラー1台
これらは5つの保健センター(コンポンハウ、スヴァイルンピア、チロノーク、プレイクマエ、プレライメア)に配分され、日々の診療に活用されています。
今後に向けて
プロジェクトの進行とともに、医療従事者のスキル向上や地域の啓発活動が実を結び始めています。一方で、交通インフラや医療物資の不足といった課題も残されています。これらについては、現地関係者と連携しながら、継続的な支援を検討しています。
今後は、助産師へのフォローアップ研修、ケーススタディを通じた病院との連携強化、地域啓発活動のさらなる拡充を計画しています。
予想されるインパクト
- 出産に関わる医療従事者が、より自信を持って質の高い医療を提供できるようになる
- コンポンレーン郡で年間約700件行われる出産が、より安全で安心な環境で実施される
あらためまして、認定NPO法人あおぞらのプロジェクト「カンボジア僻地の6万人の命を救いたい!安全で安心できる出産を!」にご支援いただき、誠にありがとうございました。
今後とも、皆様と共にあおぞらのむこうがわに笑顔をつくる活動を続けてまいります。
リターンの対応につきましては、活動報告の中でもご案内させていただいておりますが、現在一部において遅れが生じております。ご支援いただいた皆様にはご心配とご不便をおかけしておりますこと、心よりお詫び申し上げます。
現在、順次対応を進めておりますので、大変恐れ入りますが、今しばらくお待ちいただけますようお願い申し上げます。
READYFORでのプロジェクトは、今回をもちまして一区切りとなりますが、認定NPO法人あおぞらの活動は、これからも変わらず続いてまいります。
私たちが目指すのは、「あおぞらのむこうがわ」にある悲しみの涙をとめ、笑顔をつくること。その実現には、引き続き皆さまの温かいご支援が欠かせません。
継続的なご寄付(月額寄付)はもちろん、年に一度のご寄付(年額寄付)や、一度限りのご支援など、ご都合にあわせた形でご参加いただけます。
これからも、一つひとつの命と笑顔を大切に、活動を続けてまいります。
今後とも、変わらぬご理解とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。






























