地域猫・保護猫を救う猫ハウスを作りたい｜新玉旅館の新たな挑戦

 

私は前回、新玉旅館の応援プロジェクトを立ち上げた者です。
女将さんから応援メッセージの寄稿をお願いされていたものの、保護猫・地域猫活動等何もしていない私が寄稿することに違和感があったため一度はお断りしました。
ですが、やはり女将さんやボランティアの方達がされているこの活動を応援したく寄稿することにしました。

前回はコロナ禍で窮地に陥っていた新玉旅館の猫達に対する別のサイトでの支援プロジェクトでした。ご支援いただいた方々には心から感謝しております。

今回は別府市全体の“不幸な野良猫を増やさない”活動とのこと。
現段階では「1棟目の施設」建設という第一目標額を達成され、とりあえずホッとしました。
皆様に心から感謝いたします。

ただ最終目的である「全3棟の施設」を建設する金額には満たないそうです。

最終日まで、いえ終了後の施設始動からも皆様のご支援と応援を下さいますよう、差し出がましくもお願い申し上げます。勿論、私自身も応援してゆくつもりです。

新着情報に書かれていた、野良猫が繁殖している地域についてのお話を先日直接ボランティアの方から伺いました。

その地域は県が管轄する場所であり、当初は立ち入れなかったそうですが、根気よく働きかけ手を尽くし、やっとTNR(捕獲・避妊去勢・戻す)活動の着手にいたったそうです。

そのお話を伺った時、野良猫問題を解決するための意志の強さと猫達への愛情を感じました。
女将さん始め、猫に対する思いと志が一致している方達が今回共同で活動を推進されています。

“保健所行き＝殺処分・野良猫繁殖＝餌も満足に食べられず交通事故や怪我、病気により短命”な猫達を増やしたくない、人馴れしている猫には幸せになって欲しいという思い。
そのために尽力するという共通した志。

実際に猫と深く関わると、猫って人と同じ感性を持つ生き物だと実感します。

勿論それは猫だけではないのですが、人と暮らすと人の気持ちに共鳴し、感性が人に近くなる動物は沢山いると思います。
そんな動物って本当に人と同じ存在に感じてしまうのです。永遠の赤ちゃんです。

前回のクラファン後、知人から1匹の雄猫と2匹の雌猫が1年で16匹に増えてしまった、というある地域の野良猫の相談を受けました。

私自身は経験も知恵もないため、女将さんの経験からの助言とバックアップにより、生まれたばかりの子猫5匹を含む約10匹の野良猫の譲渡が叶いました。

その中にはエイズや腎臓病の子もいました。にもかかわらず、女将さんのご尽力により愛情を持って家族として育ててくださる里親さんの元に譲渡していただけました。

人馴れしていたにも関わらず、捕獲してキャリーの中にいれた途端に暴れて跳び逃げた猫にはそれ以降、近づくこともままならなくなりました。
“捕獲は最初が肝心＝慎重にせねばならない”の意味を今なら痛いほどわかります。私には何もわかっていませんでした。

当初から人馴れしていない子達は捕獲が難しいため頓挫していたそんな折、避妊・リターンしたお母さん猫がしばらくして亡くなり、残った子ども達は河岸を変えたのか、気付くと皆いなくなってしまったそうです。

ＴＮＲ（捕獲・避妊去勢・戻す）が最後までできずに途中で挫折してしまったこと、お母さん猫が亡くなってしまったショック、更には他でも不幸な野良猫の話を聞くにつけ心が病みそうになり、私自身は活動することから逃げ出してしまいました。

継続して保護猫・地域猫活動をされている女将さんやボランティアの方達には本当に頭が下がります。

 

 

左のお母さん猫は避妊、リターン後に亡くなってしまいました。

これを見るたびに切なくなります。

旅館にいるキキララはこの夫婦猫の子どもです。女将さん、ありがとうございます。

 

当時、動物愛護センターに説明を聞きに伺いましたが、地域猫等の整備が準備中で助成金等も出ない市町村では行政も関与できず、行動するには個人でするしかないと言われました。

恐らく行政の方達にも気持ちとは別に規制や葛藤があったのかもと今は感じています。

 

このクラファン終了後、造成済みの土地に施設を建て、そこが窓口となり避妊・去勢手術をする際のとりまとめ場所として、今後色々な融通が利くように進めているそうです。

 

全ての猫を保護して飼育する施設ではなく、避妊去勢前後の体調管理場所、子猫や人馴れした子達の一時保護預かりや譲渡会場、白血病やエイズの子達の保護施設。

猫と関わった一人一人が責任を持つための指導やアドバイスをして下さる場所としても。

 

譲渡対象になる子猫や人馴れした猫には補助金が出ないため、自費での避妊・去勢手術が必要です。病院代は保険がきかないため高額になります。

 

危惧されるのは施設内の敷地に猫を棄てていく人が現れることです。

中途半端に手を出して棄てる位ならば、それは動物全般に言えますが、最初から手は出さず淘汰された方がまだましなのです。

 

ご縁があった動物～ここでは猫です～には命を全うするまで責任を持って育てて欲しい、愛情を持ち家族と思って育てて欲しい、それが利他で活動されている方達の願いと思います。

 

“預けて終わり”ではなく関わったからにはご自身も一緒に活動していきましょう。私自身にも言い聞かせています。

 

又、ご存じない方もいらっしゃるかも知れませんが、野良猫を保護したら検査や必要処置のための病院代、ワクチン代、避妊・去勢手術代、ご飯代もかかります。

そういったこともわかった上で施設を利用し、猫の相談をするにしても里親になるにしても、基本的にその方が自費で賄う覚悟が必要になります。

 

女将さん達は譲渡予定の猫たちの費用も極力ご自分達で負担なさっています。

 

ですが、里親さんになる際にそれまでの費用を基本的にお願いする施設もあります。

また、ご自分が飼えなくなった時に預ける際には終生料金をいただくという施設もあります。

（全てネットで調べたら出てきます）

 

また里親さんを見つける際も誰でもいいという訳ではなく、飼育できる環境にあるか、猫の寿命を考えた時に最後まで飼育できる年齢であるか、虐待目的ではないか、面倒くさくなって外に遺棄しないか、引っ越ししたらその後の住所の報告を求める等々、本当に家族として最後まで面倒を見る覚悟があるか等の確認もされます。

 

昨今の虐待、安易な飼育後の遺棄やネグレクト、多頭飼育崩壊等々の報道による危惧、それらを実際に見聞き経験した現場の方が慎重にならざるを得ないことをご理解していだだけたらと思います。

 

「無料で猫をもらえると思ったら条件が厳しく、更にはお金まで請求された」というような内容の意見をネット内で見かけたのです。現場の状況等、実態を知ることでご理解いただけたらいいなと思います。

 

女将さん達はご縁があった猫を大切に思うがゆえ、何を差し置いても自分達をそっちのけで猫のことを優先してしまいます。

だからこそ、敢えて第三者としての私からの意見をお話ししました。

 

私自身もご縁があった保護猫が現在3匹家におりますが、女将さん達からお話を伺うにつけ反省することばかりです。

 

上記のことは自身の反省も込めて戒めとし最期まで責任を持つつもりですし、自身に何かあった際の準備もしています。

 

女将さん達のこれからの活動に希望を見出し、期待しています。

活動を引き継ごうとしてくださる若い方達もいらっしゃるとのこと。

 

大分県の中でのモデルケースとなり他市町村にも同じシステムが普及してゆきますように。

 

これからも何らかの形で応援してゆきたいと思っています。

 

 

猫の下顎に深く突き刺さっていた釣り針

 

 

2匹は一度譲渡後、新玉旅館に戻って来ました

 

 

テトラポットにいた子猫達