プロジェクト概要

浮かぶ建築「アジール・フロッタン」は、ル・コルビュジエが世界救世軍の依頼でデザインし1929年に完成した難民を収容するための船です。

 

ル・コルビュジエは、船体だけの状態に、柱と屋根・水平窓を増築し、近代建築としての内部空間を実現しました。パリのノートルダム大聖堂の上流1キロの地点にあり、今もセーヌ左岸に浮かんでいます。近年修復工事を行われてきましたが、2017年末に一連の工事が終了し再び内部を見ることが可能になります。

 

世界遺産に認定されたル・コルビュジエの作品の一つ、パリ市の文化財にも指定された「アジール・フロッタン」の再生のために、皆様のお力をお貸しください。

 

 

ル・コルビュジエの船再生委員会

(一般社団法人日本建築設計学会) 

 

 

日本にも大きな影響を与えた世界的建築家 ル・コルビュジエからのメッセージを次世代に伝えたい。

 

私たち日本建築設計学会(ル・コルビュジエの船再生委員会)は、関西を拠点に、建築文化の発信や学生や若手建築家を応援する様々な事業に取り組んでいます。メンバーの多くは、建築家や研究者として活動しながら、大学で学生の指導を行っています。

 

近大建築の三大巨匠として知られるフランスの建築家、ル・コルビュジエは、その作品群が、昨年「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-」として世界遺産にも認定されたことで、今あらためて評価されています。日本における作品として、東京・上野に国立西洋美術館があります。

 

ル・コルビュジエの肖像写真

 

 

建築関係者の多くが、その作品や思想から多くのことを学んでおり、その功績は書籍や展覧会を通して度々紹介されてきましたが、「アジール・フロッタン」をご存知の方は決して多くはないでしょう。彼のプロジェクトで唯一の「船」の作品なのです。現在、それを再生するプロジェクトが進めらています。

 

ル・コルビュジエ財団提供の写真・年表をもとに作成 ©FLC.

 

 

世界大戦後の難民を救うための、ある女性画家の画期的なアイデアがかたちに。以後60年以上にわたって家のない人々のために使われた。

 

アジール・フロッタン(=浮かぶ避難所)が完成したのは1929年です。当時、第一次世界大戦後のフランスでは、家のない難民がまちにあふれていたと言われています。そこで、ある女性画家が残した財産の活用と芸術を支援するパトロンにより難民収容所が立案されました。

 

ル・コルビュジエが描いたスケッチ

 

 

それもただの収容所ではありません。当時建材としては珍しかった鉄筋コンクリート造の平底船を改修することで、セーヌ川に「浮かぶ避難所」(=アジール・フロッタン)にすることが計画されたのです。

 

竣工当時の船の姿

 

 

その設計を担当することになったのが、ル・コルビュジエでした。当時のコルビュジエは、ちょうど「近代建築5原則」を発表した直後で、彼の代表作となった住宅作品《サヴォア邸》と同時期にアジール・フロッタンの設計に取り組んでいます。

 

純粋で高い作品性が実現された高級住宅のサヴォア邸に対して、アジール・フロッタンは最も貧しい人々への人道的支援の場所でした。また脚光を浴びたサヴォア邸とは対照的に、アジール・フロッタンはその社会的意義とは裏腹に、巨匠の知られざるプロジェクトとなりました。

 

しかし実際は、当時の新聞各紙で広くとりあげられ話題を呼びました。「誘いに応じない浮浪者たちがいるだろうか」。以降、60年以上もの間、アジール・フロッタンは難民や家のない人々の一時避難所として、宿泊と食事を提供していくことになります。そして1995年に、浸水を理由にパリ市から廃船が告知されます。

 

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食堂で配給を受け取る難民の様子

 

 

そこで、この船の近辺に停泊する船に暮らす4人の仲間たちと、ユニークな船に惹きつけられた1人の建築家が集い、資金を集め、船を維持するために所有者であった慈善福祉団体から船を買い取ることにしたのです。彼らが浸水の原因を調べ、浸水していないことと構造上の問題がないことを確かめたことで、船の廃船は撤回されました。

 

それでも船は建造から90年の時を経ており、オリジナルのデザインから度重なる改変がなされていました。そこで、5人のオーナーは過去の資料を頼りに修復をはじめました。彼らが描いた共通の夢は、この船をセーヌ川に「浮かぶ社交場」、すなわち文化施設として再生させることでした。

 

私たちのメンバーの一人である建築家の遠藤秀平は、修復プロジェクトの過程でユニークなデザインの仮設シェルターの設計を依頼されたことをきっかけに、修復プロジェクトに参加しました。残念ながらリーマンショックの煽りを受けてシェルターは実現されませんでしたが、その後もオーナーたちは10年近くの時を費やし船の修復を進めていきました。

 


 

努力の甲斐あって修復は概ね完了し、使用のための準備は整ってきましたが、長きにわたって愛される文化施設になるために、補修資金が継続的に必要です。

 

そしてこの2017年、やっとの思いで、アジール・フロッタンは、一般に公開される施設として使用可能な状態に近づいてきました。乗船するための桟橋さえ整備されれば、パリ市からは使用許可が下りるというところまでこぎつけられたのです。

 

最新の写真、現在もセーヌ川左岸に繫留されている

 

 

さらに、この話を遠藤秀平から聞いた日本のあるステンレス加工会社から日仏友好に資するためとの好意によって、ル・コルビュジエのデザインを元に日本の技術で8mの桟橋を制作・寄贈することが決まりました。この桟橋は、来年1月ごろには現地に運ばれ、設置される予定で、2018年秋にはオープンを記念する最初の展覧会として、日本の若手建築家による企画展も計画されています。

 

しかし実際には、修復は完了したわけではありません。アジールフロッタンは鉄筋コンクリート造の船です。鉄筋コンクリートは必ず経年劣化します。表面をきれいにするだけでなく、劣化しているコンクリート部分の補修などをしっかり行わなければなりません。

 

最新の写真、内部の傷んだコンクリートには継続的な補修が必要

 

 

地震の少ないフランスで、河川に浮かんでいる船と言えども、未来永劫安全である保証はありません。セーヌ川を行き交う船との衝突のリスクも常にあるでしょう。 10年かけた修復プロジェクトを完了させ、適切なメンテナンスによって稀代の建築家が残したユニークな船を次世代に受け継いでいくために、日本から寄付を行いたいのです。

 

当時の実施図面。残された資料を検証しながらに復元されてきた


 

ル・コルビュジエと5人のオーナーのメッセージを、日仏友好の証とともに未来に伝えていきます。

 

オーナーたちの地道な努力の成果は広がりをみせています。フランスの支援者たちによる「ルイーズ・カトリーヌ号友の会」が結成されるなど、この特別な船のファンも増えつつあります。また最近では適切な修復が評価され、船はフランスで文化財の指定を受けるに至りました。

 

しかし、地震大国の日本とは違い、フランスやヨーロッパ諸国には数多くの歴史的遺産が残されています。建築に限らず、守らなければならないものが多くあるため、歴史の浅い近大の遺産は見過ごされがちです。アジール・フロッタンに限らず、激動の時代に誕生した数多くの近代遺産を維持していくのは容易ではありません。また再生プロジェクトを一時の延命処置に終わらせず、維持し続けていくことが重要ではないでしょうか。

 

修復の成果が認められ、フランスで唯一の「船」の文化財に指定された

 

 

そこで私たちは、2018年の「日仏友好160周年」にあわせて、日本からこの再生プロジェクトの継続を応援できないかと考えています。またこの支援が、ル・コルビュジエと、彼に影響を受けた日本の建築家・建築に携わる人々・建築を愛する方々との架け橋になればと願っています。

 

私たちを含め、浮かぶ難民収容船という稀有な建築遺産に惹きつけられた5人のオーナーたちの夢を実現し、この船に込められたル・コルビュジエのメッセージを実物の建築を通して伝えていきたいと思います。ぜひ日本の皆様からご支援をいただきますようお願いします。

 

船を譲り受けた5人のオーナーたち(右から2人目が著者のカンタル氏)

 

 

支援金の使用使途について

 

最低限の必要経費を除き、支援金の全額が、修復を行っている「簡易略式会社ルイーズ・カトリーヌ」に寄付されます。

 

資金は、船の鉄筋コンクリートの補修をはじめとするメンテナンス費用にあてられます。これによって、アジール・フロッタンは文化施設として、様々なイベント企画を通して、誰もが訪れることができる場所になります。

 

 

賛同者一覧(敬称略・五十音順)

 

五十嵐太郎(建築史家/東北大学教授)
岩田章吾(建築家/武庫川女子大学教授)
大林剛郎(パリ・ポンピドゥー・センター日本友の会会長)
倉方俊輔(建築史家/大阪市立大学准教授)
光嶋裕介(建築家/神戸大学客員准教授)
斎藤公男(構造家)
末包伸吾(建築家/神戸大学教授)
竹口健太郎(建築家)
竹山聖(建築家/京都大学教授)
辰巳明久(グラフィックデザイナー/京都市立芸術大学教授)
マニュエル・タルディッツ(建築家/明治大学特任教授)
團紀彦(建築家)
千葉学(建築家/東京大学教授)
槻橋修(建築家/神戸大学准教授)
手塚貴晴(建築家/東京都市大学教授)
陶器浩一(構造家/滋賀県立大学教授)
長坂大(建築家/京都工芸繊維大学教授)
中村勇大(建築家/京都造形芸術大学教授)
南條史生(森ビル美術館館長)
淵上正幸(建築ジャーナリスト)
堀口徹(近畿大学講師)
前田茂樹(建築家/大阪工業大学准教授)
松本明(建築家/近畿大学教授)
萬田隆(構造家/神戸芸術工科大学准教授)
水野誠一(ソシアルプロデューサー)
宮本佳明(建築家/大阪市立大学教授)
宗本晋作(建築家/立命館大学准教授)

 

 

リターンについて

 

支援をいただいた皆様全員のお名前を船内に設置される名盤に記載します。それに加えて、以下のようなリターンをご用意しています。

 

10,000円のリターン 船内の名盤に支援者全員のお名前を掲載

 

■アジール・フロッタン船内に設置される名盤にお名前を掲載(希望者のみ)

■お礼のメールと最新写真データ

 

20,000円のリターン アジールフロッタンの歴史をまとめた書籍をお届け


10,000円コースに加え
■記念切手(日本郵政発行・コルビュジエの肖像写真入り)1枚
■書籍『ル・コルビュジエとともに「ルイーズ・カトリーヌ号」の冒険(仮)』(鹿島出版会より2017年末出版予定・著者サイン入り)

 

※アジール・フロッタンのオーナーの一人であり、建築家のミシェル・カンタル=デユパールさんが、綿密なリサーチをもとに船がつくられた経緯について執筆した書籍『ル・コルビュジエとともに「ルイーズ・カトリーヌ号」の冒険』(日本語版・2018年出版予定)を著者サインを添えてお送りします。

 

50,000円のリターン 記念切手(日本郵政発行・コルビュジエの肖像写真入り)10枚をお届け


20,000円コースに加え
■記念切手(日本郵政発行82円切手・コルビュジエの肖像写真入り)10枚

 

100,000円のリターン 記念切手(日本郵政発行・コルビュジエの肖像写真入り)1シートをお届け


20,000円コースに加え
■記念切手(日本郵政発行82円切手・コルビュジエの肖像写真入り)1シート(20枚)

 

300,000円/500000円/1,000,000円のリターン ホンマタカシ氏の作品のカットプリント


100,000円コースに加え
■アジール・フロッタン再生展に展示された写真家ホンマタカシ氏の作品のカットプリント(作品の指定はできません)

 

※数多くのル・コルビュジエ建築を撮影してきた写真家ホンマタカシ氏が2016年11月に撮影した「アジール・フロッタン」の写真プリント(「アジール・フロッタン再生展」の展示品)を、写真家本人によりカット(リコンストラクション)されたものをお届けします。

※作品の内容についてはお任せいただくこととします 。

 

※リターンについては2018年1月末までに発送されます。ただし、船内に設置される名盤のみ2018年内の設置・報告となります。

特記なき場合、本ページの写真©スターリン・エルメンドルフ


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