ダラムサラ到着の翌日、3月11日の日曜日にサラ大学での学生会議を開催しました。奨学生を集めるのは毎回日曜日。そして交流のために可能な限りはサラ大学に宿泊することにしています。

 

サラ大学に集まるのは、サラ大学で学んでいる奨学生とノルブリンカで学んでいる奨学生の合わせて約60名です。
 

 

場所は大学内のホールです。

いつもと違い、「Japan Tibet Student Conference」の垂れ幕が飾られ、壇上にはチベット亡命政府教育省の面々や、サラ大学の学長が並び、チベット学生は何が始まるんだ?!と緊張の面持ちでした。

 

 

それもそのはず、ロブサン・センゲ首相がスピーチに来るという話に、女子は全員民族衣装で参加することになっていたそうです。1年で最も忙しい3月にあって、センゲ首相のスピーチは実現できませんでしたが、教育大臣が参加することになりました。

 

そうです。今回はこの垂れ幕の作成や、チベット学生への案内など、教育省の全面的な協力によって実現することができました。

 

 

新しく教育大臣となられたカルマさんは、宗教大臣を兼務されている僧侶ですが、日本代表部事務所や教育省にも長年おられたので日本のことやチベット難民社会の教育の重要性をよく知る方です。

 

 

チベット学生たちも真剣な眼差しで教育大臣のスピーチを聞いていました。

 

 

スタッフの紹介などが終わると、日本人学生へバトンタッチして、いよいよ本題の学生会議がスタートです。日本人学生側から自己紹介の後は、お互いの緊張をほぐすためにアイスブレイクのチキンダンスを踊りました。

 

 

約60名のチベット学生の半数近くは英語がうまく話せません。

11月からインタビューや会議準備を手伝ってくれた4年生が、要所要所でチベット語への翻訳を手伝ってくれました。

 

 

サラ大学でのワークショップは、

「Pave the way for our future~To be honest, understand each other」「次への一歩を踏み出す」

というテーマ設定でした。

 

 

異なる存在や価値観から自分の視野を広げ、

考え方行動の選択肢を増やしたり、

自分の目指すところをより具現化できるようになるのが学習目標です。

 

 

ワークショップの活動目標は、

「平和な世界をつくるために私たちにできることはなんだろう?」

をテーマにディスカッションをして、

わたしたちの考える平和をつくるための自分のアクションプランをつくることでした。

 

 

チベット学生に関しては、英語のレベルや、学校、学年、性別等を考慮して、事前に12のグループに分けました。

 

日本人学生1名に対してチベット学生5名の割合です。

 

 

日本人学生は各グループでファシリテーター(進行役)を務めました。

 

 

ティータイムの写真。

JAMMINでデザインしてもらった ”Be The Change” のTシャツが今回のユニフォームとなりました。

 

 

ディスカッションワークショップでは、平和に対する様々な違いが出てきました。

 

 

「『幸せ』と『平和』って一緒のことじゃないの?」

 

 

日本では、幸せと平和は別のものとして認識されています。

 

でもチベットの人々は同じ概念として捉えていたのです。

 

 

「あなたが幸せを感じる時ってどんな時ですか?」

「あなたが平和を感じる時ってどんな時ですか?」

 

この2つの問い、皆さんならどう答えますか?

 

 

「平和って、”World Peace”と”Inner Peace”のどっちのことを言ってるの?」

 

 

日本人チームにとって、平和=Peaceって、世界平和のことしか頭に思い浮かべていませんでした。

 

 

平和って、外にも内にもある。

 

内なる平和って、幸せを感じるそのものかも知れない。

 

 

だからこそ、「幸せ=平和」、同じものとして捉えているのかも知れない。

 

世界が平和になるとき、それは一人ひとりが内なる平和を感じることができるようになるときなのかも知れない。

 

 

最後にグループごとに成果物とともに記念撮影。

 

 

最終ワークは明日からのアクションプランを立ててもらいました。

 

明日、半年後、1年後、5年後、10年後。

 

自分の思う平和のために、自分はどう行動するか。

 

 

「なぜ今日からじゃなくて、明日からなんだ?」

 

そう訴えるチベット学生がいました。

 

 

「今日のワークショップで気づいたこと、吸収したこと、決めたこと。

それを行動に移すのは、明日からではなくて今日からが普通だろう?

それに明日は来ないかも知れない。」

 

 

明日が必ずあると思って生きている、僕ら日本人。

 

明日はないかも知れないと思って生きている、チベット人。

 

 

聞けば、チベット人は人生50年だと思って生きているらしい。

 

 

後に知ったことですが、明日はないかも知れないという考え方は、仏教(チベット仏教)からきているらしいです。

 

 

幸せや平和に対する考え方だってそうです。

 

仏教の教えや、ダライ・ラマ法王の話にはたくさん出てくるテーマです。

 

 

でも、私たち日本人も仏教徒?

 

 

世界的には同じ仏教徒、仏教国ということになっているけど、仏教をきちんと学んでいる日本人は少ないのではないでしょうか。

 

 

ダライ・ラマ法王のように、仏教のことをきちんと教えてくれる存在が日本にはいません。ダライ・ラマ法王だけでなく、他のリンポチェや僧侶や、おじいちゃんやおばあちゃん、お父さんお母さん、学校の先生、隣のおじちゃんもみんな仏教の教えを根底に持っています。それを子供たちにも教えます。

 

 

仏教が、生き方や生活そのものにきちんと根ざしているのでしょう。

 

 

でも、仏教は宗教として妄信するものではないようです。

もっと哲学的なもの。

 

ちょうどダライ・ラマ法王と世界の科学者たちが対話する科学者会議が開催されていて、運よく参加することができました。今回は教育がテーマで、著名な学者や教育関係者が最新の研究成果を発表したのですが、驚いたのはその最先端の研究成果が何千年も前の仏教の経典にすでに書かれてあったという事実。

 

仏教って、ちょっと不思議ですね。

 

 

こうして、サラ大学での学生会議はお互いに学びや気づきを分かち合い、第1部を終了しました。

お互いに、平和な世界をつくるために私たちにできる第1歩を踏み出す学生会議となったのでしょうか?

 

チベット学生は今月末までにアンケートを提出することになっています。

日本人学生たちは4月8日に帰国後研修で再会することになっています。

 

会議の最後に聞きました。

「来年も第2回目の学生会議をしたいですか?」

 

 

満場の拍手でしたので、きっと大成功だったに違いありません!

 

第2部、文化交流に続く。

 

 

 

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