新型コロナウイルス|広島大学発の技術で、中和抗体実用化を目指す研究
寄付総額
目標金額 4,000,000円
- 寄付者
- 500人
- 募集終了日
- 2021年9月10日
全国の小さな命を救うために、ドクタージェットを継続して飛ばそう
#子ども・教育
- 現在
- 5,814,000円
- 寄付者
- 293人
- 残り
- 20日
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- 総計
- 181人
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- 現在
- 2,298,000円
- 支援者
- 127人
- 残り
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希望のまちを諦めない、抱樸をひとりにしない|緊急プロジェクト
#まちづくり
- 現在
- 13,302,000円
- 支援者
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- 残り
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#動物
- 現在
- 3,140,000円
- 支援者
- 140人
- 残り
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- 現在
- 3,791,000円
- 支援者
- 150人
- 残り
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こどもを望む願いのそばに|総合病院だからできる不妊治療を目指して
#子ども・教育
- 現在
- 25,816,000円
- 寄付者
- 187人
- 残り
- 14日
プロジェクト本文
終了報告を読む
【クラウドファンディング終了にあたって:ご寄付への御礼】
2021年7月15日より開始しました、新型コロナウイルス感染症治療薬開発を目指す、「新型コロナウイルス|広島大学発の技術で、中和抗体実用化を目指す研究」プロジェクトは、9月10日の23時をもちまして終了となりました。
ちょうど500名の方々から11,615,000円ものご支援をいただきました。当初の目標金額であった400万円を大幅に超えるご支援をいただいたことに皆様方のご期待と希望の大きさに驚き、気が引き締まる思いでおります。私達の目指す目標が間違っていないことを信じ、これからもしっかりと歩みを止めずに研究開発に取り組んで参りたいと思います。
今なお新たな変異ウイルスによる危機に晒されている状況を前に、皆様からいただいた資金で一刻も早く、どのような変異ウイルスにも有効な抗体医薬の実用化を目指して頑張らなくてはならないと強く感じております。また私達の行っている抗体研究から明らかになったことを、現在のワクチンの欠点を改善する革新的ワクチン開発へとフィードバックして参りたいとも考えております。
皆様の思いとご期待に添えるよう、研究開発を進めて参ります。
引き続き応援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
2021年9月20日
広島大学大学院 医系科学研究科 免疫学・教授
保田朋波流
新型コロナウイルスの出現によって、世界は今、大きな危機に直面しています。感染拡大を抑えるために、ワクチン接種を進めることも重要ですが、基礎疾患やアレルギーのある方、 12歳未満のお子さんなど、ワクチンを打てない方もたくさんおられます。
また、ワクチンが効かない新たな変異株が今後出現する可能性もないとは言い切れません。その場合、治療薬の存在がとても重要になります。変異株に対するワクチンと治療薬の開発は、ともに進めていくことが重要です。
感染症の世界的流行のことを「パンデミック」とよびますが、新型コロナウイルスのようなパンデミックはこれまでも何度も起こってきました。これから先、パンデミックで苦しむ人々がいなくなるよう、私たちは新しい治療薬の研究開発に全力で取り組んでまいります。
皆さまからいただくご寄付は、新型コロナウイルス感染症の治療薬を開発するための基礎研究として、私たちが開発した技術で得られた中和抗体の実用化を目指す研究に使わせていただきます。
現在は、治療薬を生み出すためのスタートラインに立ったばかりであり、そのゴールとして実際に皆さまの手元に届けられるのは数年先かもしれません。しかし、今回のクラウドファンディングで進む研究から生まれる新しい技術は、未来の病気の治療にきっと役立つと信じています。
どうか皆様に研究の意義についてご理解いただき、あたたかいご寄付を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
広島大学大学院 医系科学研究科 免疫学・教授
保田 朋波流
本プロジェクトについて、より詳しく解説いたしました動画は
下記「プロジェクト詳細」(こちらをクリックすると移動します。)を
ご覧ください。(2021年7月21日追記)
広島大学大学院 医系科学研究科 免疫学で研究プロジェクトを指揮しております、保田 朋波流(やすだ ともはる)です。
私たちは、「抗体」に関する研究を行っています。体内にある「抗体」は、細菌やウイルスなどの病原体から防御するために、なくてはならない蛋白質です。あらゆる病原体に対抗するために、体内で1兆を超えるとも言われる膨大な種類の抗体がつくられる仕組みについて、研究しています。
新型コロナウイルス感染症によって世界が一変し、もっと生きられたはずの方が今亡くなってしまわれたり、子どもたちにとって楽しいはずの毎日に不自由な我慢を強いられています。この状況を変えるために、「免疫学者の一人としてできることをしたい」という思いから、研究に取り組んでいます。
感染症を気にせず暮らせる社会を取り戻し、この先また発生するかもしれないパンデミックに対抗する技術を生み出せるよう、人の体内から新型コロナウイルスを無力化する中和抗体を取り出し、人工的に作り出す研究を行なっております。
中和抗体とは:
体内の異物を除くために作られる抗体は、免疫に関わるB細胞で作られます。それらの抗体のうち、ウイルスに結合して無力化する抗体は「中和抗体」と呼ばれます。最初から体内にあるわけではなく、ウイルスに感染したり、ワクチンを接種したりすることで得られる抗体です。
新型コロナウイルスに感染した人の体内でつくられる中和抗体は、新型コロナウイルスに結合するとウイルスを無力化させ、細胞への感染を阻止します。ウイルスが体内で増殖できなくなるので、感染症の回復をもたらす効果があります(*1)。
* 本プロジェクトページの参考文献の一覧は、プロジェクトページ末尾に記載しております。
新型コロナウイルスの感染拡大を背景に変異株が続々と生まれており、この状況はまだしばらくの間、世界規模で続くと考えられます。もし既存ワクチンが効かない変異株が出現した場合は、深刻なパンデミックが引き起こされることが危惧されます。
そこで、変異株に対応したワクチンを開発することが、わが国のみならず世界中で急がれております。変異株に対してもワクチン接種を予防的に行うことが理想です。しかし、新たに開発されるワクチンが変異株に効果があるかはまだ不明です(2021年7月時点)。
現実的には脅威となる変異株が感染拡大を始めるまで、変異株のワクチン開発や製造を始めるのは難しく、国民への大規模ワクチン接種には時間を要する点を考慮すると、予防的接種やワクチンによる迅速な封じ込めは容易なことではありません。そこでワクチン以外にも新型コロナウイルス感染症の予防や軽症患者さんの重症化阻止、重症化した患者さんへの治療にも使える「特効薬」が必要だと考えています。
2021年7月現在、過剰な炎症反応を抑える「デキサメタゾン」や「バリシチニブ」、エボラ出血熱のために開発された「レムデシビル」が、国内の治療に使用されています(*2)。これら薬剤によって重症患者の死亡率低下が認められているものの(*3)、特効薬と呼べるようなものはまだ存在しません。
中和抗体は、新型コロナウイルス感染症の特効薬として期待が高まっています。
新型コロナウイルス感染者の血液からウイルスに結合する抗体の遺伝子を取り出し、人工的に抗体を作り出す、という技術はこれまでにも報告されていますが、それには数週間〜数ヶ月かかってしまうという課題がありました。
私たちは中和抗体を作り出す期間を短縮するために、中和抗体を保有する新型コロナウイルス感染症の患者さんの特徴を明らかにし、作業工程に様々な技術改良を施すことで、ウイルスを無力化する能力がとりわけ高い抗体を、数名の患者さんの血液から10日という短期間で取得する技術を確立しました(*4)。
この技術を使って、実際に変異株が出現する前の従来型の新型コロナウイルスに感染された方の血液から中和抗体を作成しました。その結果、アルファ株やベータ株といった、後に出現する変異株に対しても中和抗体を取得できることがわかりました。
これらの結果から、変異株の出現する前であっても中和抗体を取得することが可能であることが、国内で初めて実証されたわけです。また、この方法で世界トップクラス(※)の性能をもった中和抗体を取得できることもわかりました。
※ 中和抗体が治療薬としての性能を有しているか判断するための指標に、IC50があります。これは、ウイルスを中和する活性がどれぐらい少ない濃度まで維持されているか、を表す指標です。IC50値が低いほど、患者に投与した際に治療効果が高く、また同程度の効果を得るために少ない抗体量でよく、薬の費用を低く抑えることが可能になります。
世界で治験が進んでいる抗体のIC50値は15-95 ng/ml(公表されている臨床治験報告書に記載のデータなどから換算)ですが、私たちはそれよりもずっと低い5 ng/mlのIC50値を示す中和抗体を取得することに成功しています。
「変異株中和抗体カクテル」を新たにつくりだす
中和抗体を治療薬として活用(=中和抗体薬)するための研究は、私たち以外でも多くの研究が行われています。中和抗体は人から取り出した抗体であることから、人に投与しても安全です。その上、新型コロナウイルス感染前の予防的投与によって、発症リスクが81%減少(*5)、入院及び死亡のリスクが70%減少(*6)と非常に高い効果が報告されています。そのため“夢の治療薬”としての期待が高まっています。
世界中で新型コロナウイルスの中和抗体と言われるものが報告されていますが、その多くは治療薬として使用するには効果が不十分な抗体とされています。中和抗体のいくつかは医薬品として承認される期待が高まっていますが、取得から1年近くが経過し、「変異株に対しては効果が弱い」ことが報告されています(*7)。そのため変異株に対して新たに中和抗体を作り出さなければならない状況になりつつあります。
新型コロナウイルスは、既に変異株が多岐に枝分かれした中で、それぞれに変異が進んでいることから、広範な変異株に対する防御が必要です。今後、日本で拡大する変異株に対しては自国で中和抗体薬を開発しておくことが望ましいと考えております。
中和抗体薬の実用化には時間がかかることから、先々出現する変異株に対しては今から中和抗体を取得しておく必要があります。今回私たちは、新型コロナウイルス変異株に感染された方から中和抗体を幅広く取得し、将来の変異株に広範に対応する中和抗体カクテルを作り上げたいと考えております。これにより、万が一免疫を回避する変異株が出現したとしても、感染者の死亡率低下や感染の封じ込めにつながるものと考えております。
一方で、“夢の治療薬”である中和抗体にも、現時点では以下の欠点があります。
① 実用化までに時間を要すること
取得した抗体を治療薬として製造するためには、どんなに早くても1年、場合によっては2年から3年という長い期間がかかります。
② 巨額の研究開発費が必要であること
一種類の抗体薬製造だけでも、数億円を超える巨額の費用がかかります。
③ 投与方法が限られていること
静脈内あるいは皮下投与が必要で、現在の技術では簡便な経口投与はできません。
1年後、2年後に出現するかもしれない変異株に対する治療薬の確立に向けて、これら3つの問題点の解決も同時に目指し、中和抗体を迅速に医薬品化するための画期的な技術開発を進める研究開発プロジェクトを開始したいと考えています。
これから先いつまで続くかわからない新型コロナウイルスの変異との戦いにおいて、日本独自の抗体治療戦略を確立するためにも、多くの皆様に今回のプロジェクトへのご協力とご理解を賜りたいと考えました。
どうか、皆さまのご寄付・応援を、よろしくお願い申し上げます。
私たちのこれまでの新型コロナウイルスの中和抗体に対する研究は、すべて寄付によって賄われております。これまでにご寄付いただいた方々にも、この場を借りて心から御礼申し上げます。
しかしながら現状の予算は不足しており、これから先に起こりうる変異株の脅威に対抗するための治療薬を作り出す研究開発には、さらに多くの研究資金を必要としております。このクラウドファンディングを通じて、病気の治療につながりうる基礎研究を皆さまに応援していただき、一緒に進めさせていただく体験を共有できれば嬉しく思います。
本プロジェクトは、2023年12月末まで実施する下記2つのテーマの基礎研究に対して、ご寄付をお願いするものです。
● 現在感染拡大している変異株や、今後派生する未知の変異株を無力化しうる中和抗体を選び出し、日本独自の変異株を標的とした中和抗体カクテル(※)を生み出します。
※何種類かの抗体を混ぜて投与することで、複数の変異株に対する効果を狙うことから、「中和抗体カクテル」と呼ばれています。
● 取得した抗体がウイルスと結合する部分のアミノ酸配列を解析することで、ウイルスの中和に必要最低限な領域を絞り込んで特定します。そこから、中和抗体の結合部分のみを合成した低分子中和抗体薬を試作し、実際にウイルスに対して無力化する効果があるかを検証していきます。
なお、中和抗体カクテルおよび低分子中和抗体薬の実用化への流れも、下の図にお示ししております。私たちの基礎研究によって薬となりうる候補が取得できた場合、製薬企業と連携しながら前臨床試験、臨床試験と進み、安全性と効果が確立されれば国内で実用化されます。現在の制度上、前臨床試験から実用化の段階に進むためは、およそ2年かかると想定しております。
資金使途
今回のクラウドファンディングでいただくご寄付は、2023年12月末までに行う「新型コロナウイルスに対する中和抗体カクテルの開発と、それに基づいた低分子中和抗体薬を開発する基礎研究」に関わる研究費用のうち、以下の用途における一部費用に充当いたします。
- 中和抗体や低分子抗体薬の作成や解析に必要な試薬や実験機器の購入費用
- データ解析に必要なPCやソフトウェアの購入費用
- データ取得や解析に必要な外注費用
- 実験補助員などの人件費
- クラウドファンディング手数料
第一目標金額:400万円
今回のプロジェクトでは第一目標金額達成後、ご寄付いただいた金額に応じて、下に示すように幅広い研究活動が可能になります。
400万円達成時
・目標達成時点で主流の新型コロナウイルス変異株(現時点ではアルファ株やデルタ株)に対して有効な中和抗体1種類以上の取得を試みます。
・抗体のエピトープ(結合するウイルスのスパイク蛋白質上のアミノ酸部位)や結合能力を評価します。
・ウイルス中和能力の評価を行います(主要なウイルス変異株についてはすべて確認します)。
600万円達成時
・2021年から2022年までの期間に日本で主流となる新型コロナウイルス変異株に対して有効な中和抗体1種類以上の取得を試みます。
・抗体のエピトープや結合能力を評価します。
・ウイルス中和能力の評価を行います(主要なウイルス変異株についてはすべて確認します)。
・取得した中和抗体のアミノ酸配列構造を決定します。
・決定したアミノ酸配列からウイルスの中和に重要な領域を予測し、低分子抗体を作成します。
・低分子抗体による中和能を評価します(主要なウイルス変異株についてはすべて確認します)。
1,000万円達成時
・2021年から2023年までの期間に日本で主流となる新型コロナウイルス変異株に対して有効な中和抗体1種類以上の取得を試みます。
・抗体のエピトープや結合能力を評価します。
・ウイルス中和能力の評価を行います(主要なウイルス変異株についてはすべて確認します)。
・取得した抗体の中でも特に結合力が強く、広範な変異株に効果のある抗体を2〜4種類混合した中和抗体カクテルを作成し、各種変異株に有効か評価します。
・中和抗体カクテルの早期医薬品化を目指し、製薬メーカーとの提携や資金調達が実現できれば直ちにに製薬化し、前臨床試験・臨床試験を目指します。
・取得した中和抗体のアミノ酸配列構造を決定します。
・決定したアミノ酸配列からウイルスの中和に重要な領域を予測し、低分子抗体を作成します。
・低分子抗体による中和能を評価します。
・低分子抗体の有望な治療薬候補が見つかった場合、早期医薬品化を目指し、製薬メーカーとの提携や資金調達が実現できれば直ちにに製薬化し、前臨床試験・臨床試験を目指します。
1,000万円以上のご寄付をいただいた場合は、ご寄付の金額に応じて、
2023年以降も日本で主流となる新型コロナウイルス変異株に対して有効な中和抗体の取得を継続いたします。
新型コロナウイルスに対する中和抗体カクテルの開発を目指す基礎研究
① 提携する病院から、感染拡大しつつあるアルファ株やデルタ株などの主流の変異株感染者の血液を送っていただき、新型コロナウイルスに効果を示す新規の中和抗体を取得します。
② 主流の変異株に加えて、今後出現する未知の変異株を無力化しうる中和抗体を選び出します。日本で感染が拡がる変異株は必ずしも海外と同じではないことも十分想定されます。日本国内の変異株の感染拡大状況に応じた、日本独自の中和抗体カクテルを生み出すことを目指します。
上記の成果に基づいた低分子中和抗体薬の開発を目指す基礎研究
③ 取得した抗体がウイルスと結合する部分のアミノ酸配列を解析することで、ウイルスとの結合や中和に必要最低限な領域を絞り込んで特定します。
④ そこから低分子中和抗体薬を試作し、実際にウイルスに対して無力化する効果があるかを検証します。
さまざまな種類の人工中和抗体をこれから準備していくことで、ワクチンが効かない新たな変異株が出現した場合に感染者の命を守る切り札の選択肢になる可能性があります。私たちの技術をもとに、日本独自の優れた中和抗体カクテルの開発に成功すれば、わが国で優先的に治療薬として使用することも可能になるかもしれません。
また中和抗体医薬の低分子化が実現されれば、巨大な抗体分子全体を製造する必要がなくなります。これによって、格段に早く(4倍から40倍のスピードに)、安く(10分の1程度の製造コストに)中和抗体薬を製造できるようになり、投薬が容易な飲み薬にすることも不可能ではなくなります。
本技術の詳細について、特許の取得や論文の発表まで細かくお伝えすることができない点はとても心苦しいのですが、皆さまのご寄付をもとに新たな中和抗体医薬を生み出すことができれば、いずれ新しい変異株が出現しても安全、安心な生活を続けることができると考えています。
私たちの革新的な技術の開発研究を進めることで、エボラ出血熱やエイズなど他の感染症治療薬、またアレルギー、自己免疫疾患、がん治療などで使用される抗体医薬においても、技術を応用した波及効果を見込んでいます。
本プロジェクトの実施にあたり、応援のメッセージをいただいておりますので、ここにご紹介させていただきます。
木原康樹(きはら やすき)
広島大学名誉教授・神戸市立医療センター中央市民病院 病院長
神戸市立医療センター中央市民病院は、神戸市中央区港島にある768床の急性期総合病院です。昨年3月兵庫県より重症化した新型コロナウイルス感染症患者の診療拠点に指定されたため、病院をあげて感染症診療体制を整備し、11月には感染症特化型臨時プレハブ病棟(36床)を開設しました。昨年11月よりこの6月にかけての第3波、第4波パンデミックにおいては同臨時病棟を中心に800名を超える重篤な感染症患者を収容し、懸命の医療を提供して参りました。
謂うまでもなく新型コロナウイルス感染症は未解明の疾患であり、私どもの治療も試行錯誤の連続でありました。主治医チーム等から40有余の臨床研究が提案され、倫理審査と患者さんの同意に基づきそれらをひとつずつ評価する場でもありました。その成果は現在次第に論文化されつつあります。
さて先ごろ、広島大学トランスレーショナルリサーチセンターを介して、同大学保田教授らによる中和抗体作成法に関する研究についての提案をいただき、一にもなくその開発に参画させていただくこととしました。当院に蓄積された臨床データを通して中和抗体の精製確立に貢献できることは、私どもの喜びであるのみならず、本感染症に罹患し苦しい思いをされた患者さん方の本当の願いを叶えることにも繋がると考えます。
私どもは引き続き新型コロナウイルス感染症の最前線で戦い続けます。同時にその克服を目指して様々な臨床研究に挑戦を行って参ります。保田教授を中心とする画期的な研究の早期完了を期し、皆さまのご理解とご支援をお願い申し上げます。
坂口剛正(さかぐち たけまさ)
広島大学大学院 医系科学研究科 ウイルス学
新型コロナウイルスの治療薬として認可されているものは少なく、さらに開発が必要です。抗体カクテルは有効な治療薬および予防薬になり得ます。
広島大学免疫学の保田先生のグループは、新型コロナウイルス感染から回復された患者さんのリンパ球から、ヒト型抗体を迅速・簡便に作製する技術を確立されました。私たちウイルス学研究室では、作製された抗体の、新型コロナウイルスに対する中和活性を調べています。実際に高い中和能をもつ抗体が得られていますので、ウイルス感染や重症化を防ぐ薬剤の準備ができています。
今後、デルタ株やラムダ株など変異株が流行の主役になることが予想されますが、変異株の感染から回復した患者さんから抗体を迅速に作製することができますので、変異株を制圧するための大きな武器となることが期待されます。さらに、中和抗体を低分子化して使いやすくする技術も開発中ですので、実現すれば、新型コロナウイルスだけでなく様々な感染症治療への応用も期待されます。
薬剤を実際に患者さんに使用するための研究、あるいは新しい技術開発を進めるにあたって御支援いただけましたら、大変心強く思います。皆様の温かいご支援・ご協力を心よりお願い申し上げます。
・必ずしも想定した結果が得られるとは限りません。
・研究の結果次第では、その後の研究が中止もしくは延期になる場合があります。その場合は、三井住友信託銀行-新型コロナワクチン・治療薬開発寄付口座へ移し、新型コロナウイルスのワクチン・治療薬の開発のために大切に活用させていただきます。
・本クラウドファンディングは「新型コロナ中和抗体カクテルの開発とそれに基づいた低分子中和抗体薬を開発する基礎研究」に対して支援をお願いするものです。新しい治療薬が早く実用化されるよう、最大限努力いたしますが、治療薬の実現を保証するものではないことをご理解ください。
・今回のプロジェクト実施完了予定日は2023年12月31日です。ただし、論文発表や特許取得が完了するまでは、研究成果や研究技術の詳細については公開できない場合があることをご了承ください。
・寄附金領収書のお名前は、ギフト送付先にご登録いただいたお名前となります。ご寄附後にアカウント情報を変更した場合でも、ご寄附時に入力したお届け先の宛名と住所は変更されません(個別にご連絡いただかない限り、原則としてご寄附時に入力いただいた宛名と住所に寄附金領収書をお送りさせていただきます)のでご注意ください。
・ 本プロジェクトのギフトのうち、【お名前掲載】に関するギフトの条件詳細については、リンク先(https://readyfor.jp/terms_of_service#appendix)の「支援契約」の中にある「●命名権、メッセージの掲載その他これに類するリターン」をご確認ください。
・日本国外からのご寄付につきましては、寄付金控除の対象外です。寄附金受領証明書は発行しません。
* 本プロジェクトページ記載における参考文献
1.Gaebler et al., Nature, 591, 639-644, 2021
2.厚生労働省 新型コロナウイルス感染症診療の手引き 第5版
3.AnswersNews 新型コロナウイルス 治療薬・ワクチンの開発動向まとめ【COVID-19】(6月18日UPDATE)
4.広島大学 プレスリリース 2021年5月11日
5.REGENERON社 NEWS RELEASE 2021年4月12日
6.日本イーライリリー株式会社 プレスリリース 2021年1月28日
7.Hoffmann et al., Cell, 184, 2384-2393, 2021
広島大学へのご寄附に対しましては、確定申告を行うことにより
税制上の優遇措置が受けられます。
(詳細はこちら:https://www.hiroshima-u.ac.jp/iagcc/katudou/kifu/tax)
なお、寄附金領収書はREADYFOR株式会社を通じて寄附金が広島大学に
入金された日付で発行いたします。広島大学への入金は募集終了の翌々月になりますので、
税制上の優遇措置をお考えの方は対象となる年にご注意ください。
(例)募集期間が2021年9月10日までの今回のプロジェクト:
寄附金領収書の日付は、2021年11月の日付となります。
また、寄附金領収書の発送は2021年12月の予定となります。
【個人の皆様】
◎税制上の優遇措置
1. 所得税の寄附金控除
寄附された年の課税所得から控除を受けることができます。
【例1: 年収700万円、配偶者、子ども2名の家族構成の方が、本学へ50,000円寄附された場合】
所得税率 10%
所得税の軽減額 =(50,000円 - 2,000円) × 10% = 4,800円
【例2: 年収500万円、配偶者、子ども2名の家族構成の方が、本学へ50,000円寄附された場合】
所得税率 5%
所得税の軽減額 = (50,000円 - 2,000円) × 5% = 2,400円
上記の金額はあくまでも目安です。
実際には、収入金額や家族構成のほか、各種の所得控除等により
軽減される金額は異なりますので,ご注意ください。
※寄附金額は、総所得金額等の40%が上限です。また、所得税額控除額は,
その年の所得税額の25%が上限です。
※収入金額や家族構成のほか、各種の所得控除等により軽減される金額は
異なりますので、ご注意ください。
2. 個人住民税(道府県民税・市町村民税)の寄附金税額控除
寄附された翌年の個人住民税から控除を受けることができます。
税額控除額 = ( 寄附金額 - 2,000円 ) × 控除率
※寄附金額は、総所得金額等の30%が上限です。
※控除率は、以下のとおりです。
都道府県から指定を受けた場合の控除率 4%
市区町村から指定を受けた場合の控除率 6%
都道府県・市区町村の両方から指定を受けた場合の控除率 10%(4% + 6%)
【例1: 広島県東広島市にお住まいの方が、本学へ50,000円寄附された場合】
税額控除額 = (50,000円 - 2,000円) × 10% = 4,800円
(県民税:1,920円、市民税:2,880円)
【例2: 広島県A市にお住まいの方が、本学へ50,000円寄附された場合】
税額控除額 = (50,000円 - 2,000円) × 4% = 1,920円
(県民税:1,920円)
◎個人住民税の税額控除を受けることができる方
寄附された年の翌年1月1日現在、指定団体(※)にお住まいの方は、
個人住民税の寄附金税額控除の適用を受けることができます。
※指定団体について
本学に対する寄附金を寄附金税額控除の対象として条例で指定している
都道府県・市区町村
(広島県、東広島市、広島市、福山市、三原市、廿日市市、北広島町)
今後、上記の地方団体以外からも指定を受ける可能性がありますので、
お住まいの市区町村へお問い合わせください。
【法人の皆様】
寄附金の全額を損金算入することができます。
【プロジェクト内容・ご寄附の方法についてのお問い合わせ先】
保田 朋波流(やすだ ともはる)
広島大学大学院 医系科学研究科 免疫学・教授
〒734-8551 広島市南区霞1-2-3
Tel 082-257-5177 Fax 082-257-5179
Email:yasudat[at]hiroshima-u.ac.jp [at]を@に変換してください。
【第一目標達成のお礼とネクストゴールについて】
お陰様で開始からわずか5日目の7月19日9時過ぎに、第一目標としていた400万円を達成することができました。この短期間で予想を超える大勢の皆様に応援して頂き、予想外の驚きと言葉にならない感謝の気持ちでいっぱいです。本プロジェクトにご支援頂いた方々、ご紹介頂いた方々に心より感謝申し上げます。
たくさんの応援メッセージ、激励のお言葉、1日も早い治療薬実現に向けた願いをお聞きし、今一度気が引きしまる思いと、前に進む勇気を頂いた気がします。猛威を振るう変異株ではさらなる変異が発生しており、どうすればこのウイルスを食い止めることができるのか、どのような中和抗体を医薬として目指すのがベストなのか、日々自問自答しております。
第一目標が達成されたことで、現在主流となっているアルファ株やデルタ株に感染され回復された方々からの血液提供をお願いし、連携させて頂いている病院の先生方、研究室の先生方とも協力して第2世代の変異株中和抗体の取得に向けて全力を注ぎたいと考えております。
また次の第二目標(目標600万円)を達成できた場合には、低分子中和抗体を試作し、全く新しい中和抗体薬の開発にも挑戦したいと考えております。そのためのご寄付も是非とも宜しくお願いします。
引き続き、多くの皆様に本プロジェクトの応援を宜しくお願いします。
2021年7月19日
広島大学大学院 医系科学研究科 免疫学・教授
保田朋波流
【第二目標達成のお礼とネクストゴールについて】
お陰様で第二目標の開始からわずか3日目の7月22日に、第二目標としていた600万円も達成することができました。本プロジェクトにたいへん多くの皆様が関心を持たれ、期待や希望を寄せて頂いていることを強く実感しております。これまでプロジェクトの達成に温かいご支援を頂いた皆様に、改めて心より感謝申し上げます。
第二目標が達成されたことで、低分子中和抗体技術の開発に向け本格的に研究を始めて参りたいと思います。近い将来、皆様に嬉しい結果をご報告できるよう精一杯頑張って参ります。
また、次の第三目標(目標1000万円)の達成に向け引き続きご支援をお願いできればと考えております。第三目標を達成できた場合には、第二目標に追加して新たな変異株に対して中和抗体の取得を先々まで進め、幅広い変異株を標的とした中和抗体カクテルの作成と評価を継続して行なって参ります。また低分子中和抗体医薬の開発もこれにより加速させて参ります。
引き続き、多くの皆様に本プロジェクトの応援を宜しくお願いします。
2021年7月22日
広島大学大学院 医系科学研究科 免疫学・教授
保田朋波流
【第三目標達成のお礼とネクストゴールについて】
お陰様で第三目標としていた1,000万円を達成することができました。本プロジェクトに多くの皆様が関心を持たれ、期待や希望を寄せて頂いていることを強く実感しております。これまでプロジェクトの達成に温かいご支援を頂いた皆様に改めて心より感謝申し上げます。
第三目標達成により、お約束していた変異株に特化した次世代中和抗体カクテルの作成・評価ならびに低分子抗体薬開発に向けた研究を加速させていくことができます。変異ウイルス感染者の治療薬となる日本独自の中和抗体薬開発に向け、そして迅速かつ安価に抗体治療薬を供給するための基礎技術の確立に向けて、近い将来ご支援頂いた皆様に嬉しい結果をご報告できるよう精一杯頑張って参ります。
クラウドファンディングの募集を開始した以降にも、特にデルタ株を中心にした変異株が全国で猛威を振るっております。またラムダ株など新たな脅威となる変異株が国内に流入しつつあるだけでなく、国内においてもこれまでになかった変異株の報告がなされております。
変異ウイルスに初感染された方々の体内で作られる抗体、そしてワクチン接種の後に感染された方に作られる抗体を取得して解析することで、新たな変異ウイルスに対して私たちの免疫系がどのように対応しているのか、また変異ウイルスを封じ込めるためにはどのような抗体が最も効果的であるのかを解明する手がかりが得られます。
次の第四目標(目標1,500万円)の達成に向けても、引き続きご支援をお願いできればと考えております。第四目標では、これまでの研究をさらに推し進めるための研究機器や器具、そして膨大な数の抗体の配列情報やウイルスと結合する立体構造予測に必要な高性能のコンピューター、実験補助員の人件費などにご支援頂くお金を使用させて頂きたいと考えております。
引き続き、多くの皆様に本研究プロジェクトの応援を宜しくお願いします。
2021年8月24日
広島大学大学院 医系科学研究科 免疫学
保田朋波流
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プロフィール
広島大学で免疫学の研究を行っております。抗体が作られる仕組み、アレルギー、腫瘍免疫、免疫老化、免疫細胞による組織再生などの研究を行なっております。
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3,000円
3,000円 | 中和抗体実用化を目指して
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10,000円 | 中和抗体実用化を目指して
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50,000円 | 中和抗体実用化を目指して
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100,000円 | 中和抗体実用化を目指して
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300,000円
300,000円 | 中和抗体実用化を目指して
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500,000円 | 中和抗体実用化を目指して
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1,000,000円
1,000,000円 | 中和抗体実用化を目指して
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- 2021年12月
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広島大学で免疫学の研究を行っております。抗体が作られる仕組み、アレルギー、腫瘍免疫、免疫老化、免疫細胞による組織再生などの研究を行なっております。