西日本豪雨被災地の倉敷市真備町にクリニカルアートで笑顔を

「長いこと来てくれてありがとう」

そう声をかけてくださった方がおられました。

 

こちらこそ「ありがとう」と何よりも伝えたいのです。

 

ぶどうの家のみなさんとの出会いが与えられ、真備町で活動を続けてくることができました。

また地域の保健師さんや、臨床心理の専門である川崎医療福祉大学の先生と学生さん達にもご協力いただけたことは本当に大きな力でした。

 

そして7月からは会発足当初から願っていた親子のためのコミュニティスペース『親と子の時間「ここち」』を開設することができました。

そこから活動終了の足音が聞こえてきた10月になって、NPO法人ペアレントサポートすてっぷとの関わりも与えられ、驚きつつも喜んだのでした。

 

辛く大変なところを通られた真備のみなさん達に、

クリニカルアートを通してホッと心解放されるひと時を過ごしていただきたい…

そう願い臨んできました。

 

最初の頃は「絵なんて描かん」と仰っておられた方が、

毎回参加してくださりとても魅力的な作品を生み出してこられたこと。

完成したご自分の作品が紛れもない「アート」になっていたことを、

ご本人が驚き喜ばれた瞬間。

そんな体験をご一緒してこれたことが、何よりの喜びです。

 

私たちの活動はこの一年を区切りとして終了となります。

ですが、真備町の復興が完了したわけではありません。

新しく家を建て直しているところを何軒もみました。

改装して再開したお店も増えてきました。

でも、更地のまま、空き家のままの家もたくさんあります。

 

自宅に戻れる日がまだ見えない仮設住まいの方、

抱えてしまった多額の負債、

被害の差によって崩れてしまった人間関係、

失われたコミュニティ…

様々な複雑な状況におかれている方々がおられます。

 

「心の復興」はまだ道半ばです。

 

そのような中で、保健師さんや地域子育て支援センターが引き継いでくださる『親と子の時間「ここち」』の場が

これからも真備町の中でのコミュニティとして用いられていきますようにと願っています。

 

今回、JR倉敷駅前のデパート天満屋さんで作品を展示していただけることとなり、

多数の新聞社が記事にもしてくださいました。

真備町の今を少しでも多くの方に知っていただけたら幸いです。

 

災害は遠くのことではない。

それを痛感する昨今。

心の復興に向けて歩んでいかれる真備町のみなさんを心から応援していきたいです。

 

私たちの活動をご支援くださり、見守り続けてくださったみなさま、

本当にありがとうございました。

 

 

〈クリニカルアートまびの会作品展のご案内〉

日時：12月7日（土）〜24日（火）

10時〜22時（最終日は18時まで）

会場：天満屋 倉敷店　6階レストラン街フロア