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焼津の第五福竜丸事件を語り継ぐCD「そして私は」を制作したい!

新(あら)器量(きりょう)

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焼津の第五福竜丸事件を語り継ぐCD「そして私は」を制作したい!
支援総額
90,000

目標 380,000円

支援者
7人
残り
終了しました
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2014年12月31日 19:00

第4章「病院で」

 それから1ヶ月半ほど、輸血と感染症の危険に対する抗生物質の投与など必死の治療が続いていた4月中旬、見えない放射能は愛吉の体も、屈強な佐吉の体も徐々に蝕んでいた。立って歩くことも出来ず寝たきりになり食事も取れない。他(ほか)のみんなにも同じような症状が出ていた。この時、乗組員の平均年齢は25才という若さだが、「頭はずうっと痛ぇし、口もろくすぽ動かねぇ、体も言うこときかねぇし、ただ死人のようにじっとしているだけだぁ。はぁー俺(おらぁ)二度と海にゃー出られんらな。元の体に戻れんじゃぁー、どうにもなんねぇ。と気弱になっている者や、「だいたいブラボーだなんてぇふざけた名前(なめぇ)をつけやがって、いってぇ誰にとってのブラボーだかわかりゃしねぇ、これで一人でも死人が出たら、ただじやぁおけンわな!」と怒りをぶちまける者もいた。
そんな日が続いてる中、乗組員の一人が「佐吉(さきっ)さん、ギターを弾いてくりょうやー。祭りん時も、船ん中でもよくギター弾いてくれて、みんなで歌ったきじゃん、得意の「返り船」を、ここでまたみんなで歌ぇてえなぁ。そうすりゃちったー元気も出て、明りぃ気分になれれぇなぁ」。佐吉はそれを聞いて「おうええなぁー!やってみるか。一緒にうたぁざー」と、ベッドの傍らに大事に置いておいたギターを取り出し、弾き始めるとみんなは遠くの海を、ふるさとの祭りを思い出すように、楽しそうに歌った。その声はか細くかすれ、誰の声もかっての海の男の力強さはすでに無かったが、みんなは何度も何度も繰り返し一緒に歌った。そうしていると、ひたすらに海を愛する屈託のない今までの海の男に戻れそうな気がした。つかの間の幸せの時だった。
 佐吉は思った。「俺(おらぁ)原子まぐろだの原爆マグロだの言われる、とんでもねえものを持ってきちまっただで、漁業がだめンなっちゃったって言われたってもしょんねえ。だけん俺(おらぁ)、ただただ一生懸命頑張ってきただけだだもんでぇな。知らんとこでとんでもねえ事件になっちまって、情けねえやら、ふぎゃぁねえやら、やりきれねえ思いで一杯(いっぺい)だぁ。俺(おりぁー)今もわかんねぇ病気と戦ってるけぇが、体なんかどうなったってええで、また海に出てぇ気持ちで一杯(いっぺぇ)でぇ。漁に出てりゃあ誰にも噂されるこたぁーねぇらし。これっからだっても、世の中の為にちったーなりてぇって思ってるしさぁ。せえだけん今は人生の暗え谷間のどん底だぁ、ただただ苦しいだけの埒も明ねえ毎日(めぇにち)の連続でぇ。だけん、そういう毎日(めぇにち)の中でも家族や焼津の子供たちからの手紙は、俺を明りぃ気分にさせてくれて、砂漠のオアシスのように慰められるきがして、毎日腹の上にその手紙を大事に乗して寝てるんでぇ。そうすりゃ嫌(やだ)事も忘れていられるような気がするだぁ。」と。

 こちらのサイトから音声でも試聴頂けます。 

    http://cocoltd.com/gionjuku2014/index.html

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リターン

3,000円(税込)

「そして私は、」のCD1枚。名簿記載。
サンクスレター。

支援者
0人
在庫数
制限なし

10,000円(税込)

3000円の引換券に加え、名簿に名前記載&焼津のお土産名簿記載

支援者
6人
在庫数
制限なし

30,000円(税込)

10000円の引換券に加え、焼津のお土産。ギター教室体験券。

支援者
1人
在庫数
制限なし

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