ついにキリマンジャロ国立公園内での環境保全活動、住民の手に!

キリマンジャロ山の国立公園内でこの大雨季、クラウドファンディングで目指していた地域のイニシアティブによる植林がついに実現しました!この植林はキリマンジャロ山の南~東山麓にかけて、直線距離でも差し渡し約30kmにもわたる広範なエリアで、多くの村が参加して実施されました。もちろんその中には“エデンの森”も含まれています。

から東山麓を8ブロックに分け、10カ所で実施されました。




プロジェクトでは2千本の植林を目指していましたが、40村の村人たちが団結し、最終的に1万本を超える植林が取り組まれました。どの村の村人たちもこの植林に強い想いと意気込みでのぞんでいました。

今回の植林には、キリマンジャロ山でかつて取り組まれたことのない幾つかのポイント(成果)がありました。まず冒頭でも触れたように、キリマンジャロ山のかつてない広範なエリアで一斉に取り組まれた植林であること、次にこれまで個々の村でバラバラに取り組まれていた植林活動が、キリマンジャロ山の森を一体不可分のものとして、これからは地域「全体」で守っていくという強い意識のもとに取り組まれたということです。
しかし何より大きいのは、住民たちの生活の森「ハーフマイル・フォレスト・ストリップ(HMFS)」が国立公園に取り込まれて以来、武器と暴力によって徹底的に排除されてきた村人たちが、今回の植林によって、森を守る権利を自らの手に取り戻すことに繋がったということです。



クラウドファンディング・プロジェクトで目指したもう一つの目標が、住民たち自身がこの問題を持続的に外部に発信していくための機会を創出することでした。そのために住民たちによって守られてきたキリマンジャロ山に残るもっとも豊かな森、“エデンの森”の存在をアピールしていくためのステッカーを作り、山麓の地域一帯に配布することでした。

クラウドファンディングにより作成されたステッカーは16,000枚。まず11,000枚が「エデンの森」の名付け親でありシンボルマークの生みの親である テマ村、キディア村、モヲ村、リャコンビラ村の村人全員に行き渡りました。そして残りがそれ以外の村、県議会議員等発信力を持つ関係者、さらに世界遺産を管理しているユネスコ(ダルエスサラーム事務所)にも配布されました。
村側では役場はもちろん、村の主要な社会的施設である教会、学校、診療所のほか、さらに効果的に広報していくため、タンザニアで市民の足となっているダラダラ(乗り合いバス)への貼り出しが実施されました(下写真)。いま毎日多くの市民の目に“エデンの森”の存在がアピールされていっています。
多くのみなさまのご支援、ご協力をいただけたことにより、世界遺産キリマンジャロで住民を苦しめ、実質的に法が機能しない国立公園で放置される森林の劣化に対し、地域住民が環境保全の権利を再び手にすることが実現できました。みなさまからいただきました暖かいご協力とご声援に、キリマンジャロ山の村人たちとともに、心からのお礼と感謝を申し上げます。
当会は残された課題、人権、生活権の回復に向けて、KIHACONEや村人たちとこれからも前進してまいります。これからもキリマンジャロ山での活動の進展を見守り、応援していただけますよう、よろしくお願い申し上げます!
タンザニア・ポレポレクラブ
代表 藤沢俊介
※皆さまからご支援いただいた資金(手数料差し引き後の入金額614,750円)のうち、ステッカー作成費(16,000枚)として485,026円、残りの129,724円を植林(2,000本)のための資金として役立てさせて頂きました。計画を上回った植林数(+9,519本)は、当会の自己資金にて賄いました。

には国立公園公社が設置したビーコン(白黒の縞模様)が写っています。