新たな復興支援を目指す"FUKKO DESIGN"の始動へ

ご無沙汰しております。FUKKO DESIGNの木村です。

 

皆様のご支援のおかげで、各地の復興支援や防災の取り組みを行わせていただいております。

この場を借りてお礼させてください。本当にありがとうございました。
 
ところで、今回、私どもを支援してくださっている皆様にお話したいプロジェクトがあります。

 

九州を中心に多くの被害をもたらした「令和2年7月豪雨」で被災した
熊本は八代市にある木造三階建の「鶴之湯旅館」の復興支援プロジェクトです。

 

2016年 木造三階建の老舗旅館の再開

 

今回支援させていただいている「鶴之湯旅館」の土山さんとは以前から知り合いでした。

 

鶴之湯旅館は土山さんのお父さんの代で一度廃業したのですが、
「木造三階建の立派な旅館が朽ち果てていくのは忍びない」と考え、
土山さん自ら修復をしはじめ、数年前に復活させました。

 

 

熊本に出張に行った際にそのような話を聞いてお邪魔したのですが、
あまりに素敵な建物だったこともあり、日帰りの予定だったところを変更し、
その日鶴之湯旅館に泊まることにしました。

 

昭和に一気にタイムトリップするかのような玄関。

 

 

そして、２階の廊下を歩くと見える球磨川。

 

 

夕食は八代のものにこだわったものばかり。

 

 

せかせかした気持ちがふうっと落ち着いたのを思い出します。

 

土山さんとはその時からとても仲良くさせてもらっており、
その後もずっと連絡を取り合っていました。

 

九州豪雨で「鶴之湯旅館」が被災

 

そんな「鶴之湯旅館」でしたが、今回の豪雨により目の前の球磨川が氾濫。

 

 

家具や机だけでなく、キッチン家具、たたみ、ふすまなど、
１Fにあったものすべてがなくなってしまいました。

 

土山さんとは被害後ずっと連絡を取り合っていたのですが、
コロナ禍ということもあり、現地で支援もできず、どうしようかと悩んでいました。
 

 

電気自動車で「給電支援」

 

しかし、しばらくすると、電気水道ガスが止まってどうしようもないと悩みを打ち明けてくれました。

 

そのタイミングで偶然連絡をとっていた日産の小川さんに
この話をしたら「日産リーフを貸すことができるかもしれない」と申し出てくれました。

 

そこで、すぐに土山さんを繋いだのですが、
小川さん、日産の営業の方、熊本日産さんが猛スピードで調整してくださり、
相談を受けてから翌日には日産リーフを届けることができました。

 

 

電気自動車の電気を活用して、携帯電話の充電をしたり、
溜まってしまった泥水を電動ポンプで吸い上げたり、
夜間作業の際に照明をたいたり、色々なところで使われました。

 

 

 

電気自動車を使った「災害に強い老舗旅館」へ

 

ただし、建物の被害は甚大で、これからも色々な支援が必要です。

 

私たちとしても支援をちょっとで終わらせず、継続して支援ができないか。

 

そんなことを考えて生まれたのが今回のプロジェクトです。

 

建物の復旧はもちろん、
“木造三階建”の価値を活かして「文化財登録」、
生かされていなかった“温泉”を使った風呂の新設、
給電支援で使用した“電気自動車”に加えて、
ソーラーパネルなども用いて災害が発生しても電気が使える「エネルギー独立化」
など様々な取り組みを行う予定です。

 

 

この取り組みは“地域の復興の拠点となりたい”という土山さんの思いに基づいています。

 

「被災してしまったけど、豊かな自然に囲まれた球磨川にたくさんの人に来て欲しい。」

「もしまた災害がきても今度はしっかり耐えられるようにしたい。」
「何より支えてくれた地域の人に恩返ししたい。」

 

土山さんの思いを元にみんなで考え、行き着いた取り組みです。
名付けて「鶴之湯の恩返し」プロジェクト。

 

 

自動車メーカー、大学なども参加する有志チーム

 

現在、日産自動車さん、熊本日産さん、日本エコライフさん、
READYFORさん、熊本県立大学さん、熊本高専さんなど
様々な企業、団体、個人のメンバーで支援を行っています。

 

プロジェクトは先月スタートしたのですが、
公開後約2週間で現在110人以上の方から支援いただき、
200万円以上集まっております。本当にありがたいことです。

 

しかし、この取り組みを行い、地域を元気にするには
もっともっと多くの方の支援が必要です。

 

ぜひ、みなさんからのお力添え頂ければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 

FUKKO DESIGN 木村充慶