桜が咲く季節となりました。みなさまいかがお過ごしでしょうか。さて、今回はクラウドファンディングでみなさまの温かいご支援により開発が決まった「ふくちゃん」のエンリッチメントアイテム(*)について、開発の進捗状況を報告させていただきます。

 



 1月31日にエンリッチメントアイテム試作品が納品され、はやか月となりました。

 アイテム到着から最初の10日間は運動場に入れることなく、柵越しに「お見合い」をすることにしました。

 ふくちゃんは見慣れない物や、聞きなれない音にとっても敏感です。いつも新しいことを始めるときは、慎重に慎重を重ねて取り組んでいます。今回も、新しいアイテムを認識し、慣れるよう、じっくりと時間をかけて進めました。

 

 柵越しでの反応は、鼻を伸ばし確認しようとする程度のものでしたが、担当者が少しでもアイテムを移動させると、転がる音に反応し、興奮して速歩きとなり、声をあげることがありました。

  日がたつにつれ興奮は和らぎ、アイテムに触れてみたいというようなそぶりが見られるようになりました。このような状況から、園内で協議し、12日の休園日に放飼場へ搬入する運びとなりました。 

 搬入では、ふくちゃんの安全面にも最大限、配慮するようにしました。例えば、運動場の高低差などで200キロあるアイテムが勢いよく転がらないように、両サイドをチェーンで繋いでいます。アイテムを転がしても、勢いづく前にチェーンに引っ張られます。

 

 ただ、200キロという重さ(大相撲では逸ノ城関で226キロ)については、人にとっては大変重いですが、ふくちゃんにとってはそれほど重たくないものと考えています。ふくちゃんの体重は2700キロあり、自然界では同等もしくはそれ以上の体重のゾウ同士がぶつかることもあります。

 いざ、アイテムを運動場の中へ。すると、ふくちゃんは思いのほか、取り乱すことはありませんでした。最初は少し興奮していたものの、アイテムを転がすことで落花生が出てくる仕組みに気づくと、普段の落ち着きを取り戻せているようでした。そして、毎朝放飼場へ出ると、真っ先にアイテムのところへ向かうようになりました。

 


 しかしながら、放飼場へアイテムを入れて約2週間、ビデオカメラや目視の記録で使用頻度を分析すると、日に日に使用時間が少なくなっている事がわかりました。この原因は、概ねエサが簡単に取り出せてしまい、アイテムに対する関心が低くなってきているためだと考えます。


 そこで、エンリッチメントアイテムの製作を依頼しているタカオ株式会社へ改良の相談をし、14日に回目の会議を開きました。会議では、設計担当者から模型を使って改良点の説明を受け、飼育担当サイドからも質問や疑問、さらなる改良の相談、そして細かな部分の最終確認と、活発な意見が飛び交う会議となりました。


 


現在使用している試作品から大きく変わるのは次の点です。

・エサが簡単に出ないようにするためにフィーダー(エサ入れ)に開ける穴の場所や数などを変更
・アイテムが真夏に熱くなることを軽減するために、材質を鉄からステンレスに
・アイテムにラバー(タイヤのようなもの)を取り付ける。コンクリートなどの既存の設備を守ることや、暑さ、転がり音などの軽減につなげる 

改良されたアイテムの完成予定は4月中旬です。そして、4月29日にふくちゃんのお誕生日会とエンリッチメントアイテムのお披露目会を開催します。

こうご期待ください!!

 

最後に、寺岡園長が本日(3月31日)で退任することになりました。近日中に新着情報でみなさまに退任のあいさつをさせていただきます。



 

ふくちゃんの日頃の様子は「ふくちゃん応援隊Facebook」で発信しています。
https://www.facebook.com/ふくちゃん応援隊ボルネオゾウ-217713375304554/

 

*エンリッチメントアイテムは、ふくちゃんが運動場で遊ぶための道具。限られた飼育環境でのストレスを減らし、免疫力を向上させることによって結核の再発を防ぎます。
 

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