みなさま、田中徹二です。

 

『貧困根絶!グローバル連帯税実現のため世論にアピールしたい!』プロジェクトへの支援が、8日目で56%まできました。ご支援くださったみなさまには心より感謝いたします。

 

本プロジェクトの政策は、①持続可能な開発目標(SDGs)、②グローバル連帯税、③タックスヘイブン(租税回避地)の3つですが、本日は③のトピックについてお話しします。

 

●「パナマ文書」とグローバル企業の税逃れ

 

さて、「パナマ文書」という言葉を知っていると思いますが、そう一昨年パナマのある法律会社のタックスヘイブン利用に関するぼう大な(秘密)ファイルが世に明らかになった事件で、そのファイルのことを言います。その文書には世界的に有名な政治家や大富豪の名前も出てきて、彼らの税金逃れの実態が明らかとなり、世界を揺るがしました。

 

またそれを前後して、アップル、グーグル、アマゾン、スターバックスなど世界的な大企業(グローバル企業)が、各国の税制の違いやタックスヘイブンを利用して、巨額の税金逃れをしている実態が明らかとなり、これも世界を揺るがしました。

 

このように有名な大企業や大金持ち、そして何よりも政治家が税金逃れをしているようでは、国の税制や財政が成り立たたなくなりますし、大多数の真面目に納税している国民の政治不信が高まってきます。それこそ「正直者が馬鹿を見る」と国民多数が思うようになってしまえば、国の民主主義はおかしくなってしまいます。

 

●国際社会の取組みと税務情報を公表するグローバル企業

 

国際社会においても、これではたいへんなことになるということで、主に先進国から構成されているOECD(経済協力開発機構)と20ヵ国首脳会合(G20サミット)とが軸となり、次の3つを軸に議論し、実施しています。

 

1)グローバル企業の行き過ぎた税逃れへの対処(BEPS〔税源浸食と利益移転〕実施)

2)海外への資産隠しを通じた脱税の防止(税の透明性・情報交換の実施)

3)マネロン・汚職・脱税等の不正な資金の流れへの対処(実質的所有者情報の透明性の向上)

 

こうした世界的な取組みの経過もあって、世界的に有名なグローバル企業が詳細な税務情報や開示義務のない国別の納税額などを公表し、経営の透明性を訴えるようになってきています。この「背景にはタックスヘイブン(租税回避地)の利用実態を示す『パナマ文書』が明かされ、極端な節税策への批判が高まったことがある。欧州では情報公開を促す法整備も進んでおり、対応を求められる企業は増えそうだ」(3月20日付日本経済新聞)、とのことです。

 

【日経新聞】グローバル企業、詳細な税務情報公表 節税批判受け

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO14266700Z10C17A3TJC000/ 

 

●過度の節税対策=税金逃れを正当化するグローバル企業

 

他方で、昨年12月米アップルは、欧州連合(EU)欧州委員会から過少納税を問題とされ、1兆5900億円という巨額の追徴を命じられていたことに対し、これを不服として裁判所に提訴しました。アップルは欧州で多大な利益を上げていたにもかかわらず、0.005%しか納税していなかったのです。

 

アップルのほかに、欧州域内ではグーグルやマクドナルド、ならびに欧州のグローバル企業の税逃れがやり玉に挙がっていて、今後の推移が注目されます。

 

【時事通信】アップル、欧州委を提訴=1兆5900億円追徴に不服

http://www.jiji.com/jc/article?k=2016122000003&g=int 

 

●日本で失われているグローバル企業からの税金:5.1兆円!

 

残念ながら、上記のような詳細な税務情報をきちっと公表しているグローバル企業はまだまだ少数のようで、アップルのような「節税対策何故悪い」と考えている企業の方が多いようです。その結果、国の会計に入るべき税金がどの位失われてきているのでしょうか。その数字が最近、世界的に税逃れ問題を研究し対策を提案している「タックス・ジャステス・ネットワーク(TJN)」によって公表されましたので、報告します。

 

・失われた税収の世界の総額:5000億ドル(約55兆円)

・国別額:①米国1888億ドル、②中国668億ドル、③日本468億ドル(約5.1兆円)…

 

TJNEstimating tax avoidance: New findings, new questions

http://www.taxjustice.net/2017/03/22/estimating-tax-avoidance-questions/

 

何と、我が日本では5兆円ほど(外国のグローバル企業から)国に入るべき税金が入っていません。これは優に消費税の2%分にも上ります。これだけの税収があれば、今話題となっている小泉進次郎氏たちの保育・幼児教育を無償化するための財源=17000億円を「こども保険」で集めなくてもよいですし、大学教育無償化の財源も捻出できるでしょう。

 

日本のアップルやスタバ、アマゾンなどのグローバル企業の納税はどうなっているのでしょうか? ぜひ調査したいですね。

 

こうした失われた税収はじめ、タックスヘイブン・租税回避問題全般につき研究することも、今回のプロジェクトの目玉です。この研究は、秋に実施する予定です。どうぞご期待ください。

 

★写真は、超党派院内勉強会「パナマ文書問題~国際的な税逃れの実態と対策を考える」(2016年10月)でのジョン・クリステンセンTJN会長のスピーチ

 

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