ところが、

 

それをきっかけに技術者出身の社長は発奮し

 

ジェル状クレンジング

 

 

で水洗い専用製品を世に送り出しました。

 

 

世の中ではじめての

ジェル状クレンジング

 

「メイククリアジェル」

 

の誕生でした。

 

 

この製品は大ヒットでした。

 

世の中の女性が永年親しんできた

肌の手入れをする鏡台の前から解放され、

化粧落としとお手入れは

洗面所やお風呂場に移っていったのでした。

 

嫁入り道具として必須の鏡台が姿を消したのは、

花王の新しい化粧習慣の提案からでした。

 

すごいことです。

 

もう一つ、

 

このジェル状クレンジングで、

美容の取材が連日私の仕事となり、

製品の良さをアピールするために

私は頻繁に研究所に通いました。

 

そこで見つけた、

豚の皮膚を使った

顕微鏡による

 

洗顔効果の写真を見つけた瞬間、

 

『私はこれは使える!』

 

『分りやすい。』

 

 

そう思いました。

 

その写真は、

1ミリにも満たない超薄い豚の角層写真に

赤い口紅を塗った写真でした。

 

さらに

 

洗顔料によるダブル洗顔で

汚れが完璧に水に流れている

清潔な豚の角層写真もありました。

 

また、

 

従来のテッシュオフで、

口紅が皮膚のキメに入り込んでいる

写真も見つけたのです。

 

これを加工し、

ダブル洗顔による完璧な洗顔と、

従来のテッシュオフによるクレンジングの

比較写真を作成し、

雑誌記者の皆様に紹介したのです。

 

 

 

 

この資料は大好評で、

メイククリアジェル」のテレビCMにも

採用され長い間使用されました。

 

 

勿論、

 

他メーカーも水洗いのクレンジングを発売、

世の中の洗顔習慣はテッシュオフから

洗いの時代に変わったというわけです。

 

 

洗顔料はクレンジングと違い、

軽い汚れを落とすもので、

泡のたつ石鹸が一般的でした。

 

石鹸はアルカリ性ですから、

汚れは落ちるものの

残念なことに、

 

肌のうるおい成分も流してしまいます。

 

最近はほとんど、

身体を洗うせっけんも弱酸性などをうたい、

肌を優しくしっとり洗いあがると宣伝しています。

 

よく考えてみると、

弱酸性はアルカリより

汚れは落ちませんが、

逆に洗い上がりがしっとりする、

つまり肌に優しいという表現がされるのです。

 

 

洗顔用のビオレや

身体の洗浄に使うビオレUも、

生活習慣を変えた製品です。

 

中学生の男子のニキビが

劇的に減ったのは、

肌を優しく洗うビオレが普及し、

男子の中高校生が頻繁に

洗顔するようになったからだと言われています。

 

 

 

また、

 

連日シャワーを浴びたり、

お風呂に入る習慣が定着したのはビオレUなど、

肌のうるおい成分を余分に取らない製品の

登場によるものです。

 

ボディだけでなく、

シャンプーも同様、

毎日洗髪しても

髪を傷めないシャンプーの開発も

大きく貢献しているのです。

 

もしも、

 

昔の製品で

髪や身体を洗ったらどうでしょう。

 

肌や頭皮は

汚れが落ちすぎて

カサカサになってしまうでしょう。

 

このように

さまざまな分野で新しい製品や

生活習慣を作り上げたのは

メーカーの技術開発によるところが大きいのです。

 

私は花王という会社で

常に時代の先端を意識した開発を

目の当たりにできたことを

大変光栄に思っています。

 

開発者だけでなく

一般の女性にも知識を惜しまず、

オープンにしてくれた花王に感謝です。

 

 

~柳原智子の『化粧伝(けわいでん)』⑦へつづく~

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