小さないのちのドアご支援に感謝
桜の花が青空に映える眺めに、日本の四季の豊かさを思うこの頃です。
12月にレディーフォーのクラウドファンディングでご支援いただきました一社)小さないのちのドアから心からお礼とご報告を申し上げます。
皆様から頂きましたご支援は最終日には304%にも達しました。誠にありがとうございました。
2018年9月からスタートした小さないのちのドアは、思いがけない妊娠で途方に暮れている女性や、産後どうしても育てることができないと追い詰められた女性のために24時間体制で、来所電話の相談をお受けしています。
半年が経過した2月末で501件の相談をお受けしました。その内来所された方は24名でした。相談の時間帯は日中より夜間が多かったです。夜の相談のニーズが高いにもかかわらず、全国的に見ても夜間帯の相談窓口が少ない(全国で3か所)ことからこの小さないのちのドアを利用されるのだと思われます。
また未受診の妊産婦の方からの相談は16件でした。ほとんどが妊娠8か月、また予定日近くの方もおられました。妊娠したことを誰にも言えず、ようやく相談の場所を見つけられたといった方々でした。全員安全な出産につなげることができました。母子の危険が伴う飛び込み出産(陣痛が来てから初めて産婦人科医に救急で搬送される)や無介助自宅出産、また新生児の殺害遺棄事件などを回避することができたのではないかと思います。中には産んでしまった後に電話をかけてこられた方がありました。大変動揺されていましたが、病院に搬送したり、赤ちゃんの里親のお世話などをお手伝いすることができました。
相談の4分の1は夫のDVが関与していました。千葉県で起こった心愛ちゃんの虐待死の事件でも取り上げられていましたが、夫の妻へのDVは、DVそのものがすでに子どもへの虐待ですし、そのまま家庭生活を続けていると、子どもへの虐待につながる危険性が大変高いと考えられますので、離婚も視野に入れて相談にのっています。
その他経済的な問題を抱えた方、実家が機能していない方など起こっている事柄のベースとなっている成育歴や、環境が厳しいケースが多くの割合を占めていました。
そのような方々の病院への同行支援や、国民保険の復活や保健師につなげるといった行政との仲介、だれにも頼る方がない妊婦さんには住むところを提供したり、疲れた方には隣接しているマナ助産院で数日休んでいただいたりといったケアをして参りました。
そのような関わりの中で感じることは、相談に来る方々の多くは社会は冷たい、人は信頼できないと孤立し、心寂しく生きておられるということです。ですから私たち、少しでも温かいものを感じてほしいと思いながらお手伝いします。ある時「私はあなたたちを信じていいのですか」とお聞きになった方がおられました。辛いことの連続の人生だった方です。大変重い言葉でした。私たちのスタッフ会議で「答えは一つだね」と確認しあって「私たちはあなたを裏切らないよ」と答えました。
また「どうせあなたたちも養親さんからお金をもらっているのでしょ」と言った方がおられました。私たちが昼夜問わずお手伝いさせていただいた方でした。特別養子縁組も滞りなく終わり、赤ちゃんの幸せな出発を見届けた後の最後の言葉でした。「私たちはお金を全くいただいていません」と答えると、「表向きはそういうよね」と信じて頂けませんでした。でもきっといつの日かお産の時に付き添って体をさすって差し上げた手のぬくもりを思い出してくださる時がくるだろうと思っています。
そして関わる方々に申し上げることは、私たちは直接お手伝いさせていただいていますが、この活動を支えてくださる方が大勢おられるということです。「あなたのことを大切に思っておられる方が沢山おられるんだよ」レディーフォーでご支援いただいた多くの方々のご厚意を支援の必要な方にお伝えするのも私たちの役割だと思っています。
これからの私たちの目標は人工妊娠中絶で傷つく女性が増えることがないように。そして胎児のいのちが守られますように。育てることができないと追い詰められた女性が一人で重荷を抱えることがありませんように。次のことを展開していく計画を立てています。
①全国にドアが広がること。まずは「ドアの向こう側」として活動してくださる方を募っています。
②常に広報活動をして、必要な方に情報を届けていきます。
③シングルで子どもを育てることが容易な社会にしていきます。
(内密出産法が合法化されるように。シングルマザーの行政の支援体制。シングルで育てることを支える社会の構築など)
④もっとも弱い者、小さな者が大切にされる社会を目指す。
どうかこれからも小さなドアの働きにご支援、ご協力を賜りますようによろしくお願い申し上げます。感謝を込めて…