カヤー州はミャンマー国内では最も小さな州ですが、ヤンゴンに電力を供給する水力発電所があり、カヤー州から経済の中心地ヤンゴンまでは送電線で結ばれています。

 

かつて政府軍と民族軍の対立が激しかった時期、電力インフラを守るために、政府軍は送電線の中継点にあるタワーの周辺に地雷を埋設しました。

 

もちろん、こうした地雷の被害に遭う方もいましたが、むしろ多くの被害は放牧されている家畜(牛や豚など)に及んでいます。牛は農家にとって大きな財産です。地雷の被害に遭った牛は商品価値が下がり売れないと言います。

 

元々、さほど裕福でない農家にとって、一家の大きな財産である家畜を失うのは非常に痛手です。

 

車で走っているとどこからともなく牛がやってくる

 

尚且つ、地雷の爆発に伴ってタワーや送電線に異常(故障)が見られると、家畜のオーナーは政府から修理費を請求されると言います。家畜のみならず、こうした修繕費を含め、農家は大きな借金を負い、土地を手放していくそうです。

 

今回2つの団体を訪問して、双方から家畜被害の報告を受けました。それほど一般的な被害なのでしょう。2団体共に「現在、新しい被害者は一時期よりも少なくなっている」と言い、同時に、「(現在は)むしろ家畜の被害でより苦しい状況に追い込まれる農家が少なくない」と言います。

 

対人地雷は「人」に向けられて造られていますが、その被害は無差別であることを端的に表している出来事だと思います。前回のレポートに続き厳しい現実の一側面ですが、こうした地雷の無慈悲な側面を忘れてはいけません。だからこそ世界のすべての国が「廃絶」へのドアを開けるべきなのです。

新着情報一覧へ