【応援メッセージ】奄美大島に関東から渡ること37年余り 自由科学者 石田 健さん

　オーストンオオアカゲラの現地調査に始まり、通うこと37年余り。私は、文明の利器、電車や飛行機、自動車の中にすわって、その大部分の行程を渡り、わずかに自分の脚で歩いてきました。ところが、このプロジェクトの第一弾の成果として、なんと、奄美から私の地元へ、サシバの１羽が軽々と飛んできたではありませんか。GPSタグをつけた全個体が本州に渡ってきて、全部追跡できたという成果にも目をみはりました。こんなに「夢のあるプロジェクト」は、ほかにもありますけれど、滅多にはないと思います。

　奄美つながりで、いろいろとお話を伺うと、冬の奄美にはサシバがたくさんいるとは知っていましたけれど、日本では最多数が越冬しているらしいし、全個体を追跡できていることには、しっかりした裏付けがあることもわかりました。すごい。フィリピンや台湾や、アジアのほかの国でも活動成果をあげていて、ますます夢のあるプロジェクトだなあと期待できます。

　夢を買う、それが、いちばんのリターンではないでしょうか。

　奄美では、タカがサシバ、されどサシバ、夢をかついでまたおいで?　来春もお越しをお待ちしております。

自由科学者 free scientist　石田　健