南西諸島と台湾

国内では奄美大島がサシバの最大級の越冬地であることはこれまでもお話してきました。

では、南西諸島全体で見るとどうなのでしょうか。そうすると不思議な面も見えてきます。

奄美大島、喜界島、徳之島、沖縄島はサシバの密度は濃いほうかと思います。おそらくその周辺の島々も同様かもしれません。

西表島、石垣島は数は多くないようですが、越冬しています。与那国島はデータが見当たらないのでたぶん越冬していないでしょう。だんだん南に行くにつれて少なくなる感じでしょうか。ここまでは何となく理解できるのですが、その間にある宮古島。相当数の渡りが見られる場所として有名で、山がないので耕作地が広がっていますが、越冬個体はほとんどいないようで、皆通過してしまうそうです。越冬地として何が良くて何が悪いのか。。。

そして南西諸島と同緯度にある台湾では相当数のサシバが通過していきますが、越冬はしないようです。不思議ですね。

ただ、南西諸島を通るルートと台湾を通るルートが全く別として考えれば、南西諸島と台湾が隣り合っていても、台湾を通るルートにおいては、台湾はあくまで目的地に向かう途中に通る中継地なのだろうと割り切って考えられます。しかし宮古島はなぜなのか？？そういった見解もこのプロジェクトの中で考察していきたいですね。