支援総額
目標金額 888,000円
- 支援者
- 171人
- 募集終了日
- 2015年9月26日
『みんなのクロス』教室生中継中にあったご質問へお返事します。
おはようございます。青少年自立援助センターの田中です。
昨晩、堀潤さんの主催されるニコニコチャンネル『みんなのクロス #31「外国にルーツを持つ子供たちが、今直面している言葉と格差の問題を考える」』をご覧下さった皆さま、ありがとうございました。
まだ見ていないという皆さま、チケット購入者向けタイムシフトは2015/09/24(木) 23:59まで視聴可能ということでしたので、ぜひご覧いただければと思います。
(http://live.nicovideo.jp/watch/lv235444765)
昨日は終始緊張していて、「声張って」というコメントが目に入らないほど余裕がなく、お見苦しいところもあったかと思います。すみません・・・クラウドファンディングで、8bitnewsにピンマイク購入予算を!と堀潤さんがおっしゃっておられました。皆さま、ぜひご協力をお願いします(笑)。
先ほどタイムシフトを見返して、皆さんがお寄せ下さったコメントにほとんどお答えしていなかったことに気づき、一部ですが私がお答えできるものに、お返事をさせていただこうと思います。
これからご覧になる方も、ご一読の上でご覧いただければ幸いです。
<その1「外国人は転居を繰り返す?」>
これは地域差や国籍差が大きいように思います。
私たちの現場周辺では、日本人男性との婚姻経験のあるフィリピン出身の方、中華料理店で働いたり、自ら自営されている中国出身の方、20年ほど前から隣の市にある工業団地へ派遣会社を通して就労してきたペルー出身の日系人の方、昨年度までの2~3年間のうちに来日されたネパール出身の方(カレーレストランの経営者やそこで働く従業員)などが保護者層には多く、リーマンショック後も3.11の震災の後も含め帰国したり、遠方へ転居をする方などはほとんど見られませんでした。
一方、私たちの周辺地域には少ないものの、日系ブラジル人の方は国内転居経験がある方が少なくないと聞きます。日系ペルー人の方々にも一部見られますが、そうした方々を専門にしている派遣会社によって、各地を転々とせざるを得ない方がいるようです。
<その2「(現場では)欧米の子どもが少ない?」>
これは他の方のレスが入っていたかと思いますが、いわゆる先進国にルーツを持つお子さんが私たちの現場を利用することは、皆無ではありませんがかなり限定的です。
欧米にルーツを持つご家庭の場合、親御さんが「高度人材」で一定以上の所得があり、インターナショナルスクールなどの私立学校の選択肢が開かれていたり、そうした方々の多くが23区内に居住していて、私たちの現場がある東京の西側にまではアクセスすることが考えづらいことなどがあります。
逆に、東京都福生市には米軍横田基地があり、この関係からアメリカにルーツを持つお子さんも少なくありませんが、お母さんが日本人で、「母語」としての日本語教育をご希望されている場合が多いです。また、同じように日本人のお母さんを持つお子さんが、普段は先進国に在住しており、夏休み期間に一時帰国される際に短期学習を希望される場合があります。
いずれにせよ、私たちのスクールには、こうしたケースに該当しない、困難な状況に置かれた欧米にルーツを持つお子さんも、もちろんいます。ルーツがどこの国であるか、ではなく、そのお子さんやご家庭1人1人の状況やニーズに対して支援を行っています。
2014年度からは、日本語ネイティブの日本人のお子さんに対しても学習支援の門戸を開いています。まだあまり認知されておらず、受け入れ実績がほとんどないため今後、注力していきたいところでもあります。
<その3「文科省はなぜ方針を変更したのか?」>
これは説明がとても長くなってしまうかもしれませんが、もともと私たちが受託していた「定住外国人の子どもの就学支援事業(通称:虹の架け橋教室事業)」は、2009年から実施された事業です。
当時、リーマンショックの余波を受け西日本を中心に自動車産業などで製造業等に就労していた日系ブラジル人の方々が、大量に派遣切りに遭いその結果収入が激減し、お子さんを通わせていたブラジル人学校の月謝を支払うことができなくなってしまった、というケースが相次ぎました。
しかし、ブラジル人学校に長年通ってきた子どもをすぐに地域の小学校や中学校へ編入させることができず(日本語がわからない、就学の手続きがわからない、などの理由から)、一時期大量に不就学のお子さんが発生した、という状況がありました。これに対応するために、3年間の時限付きで基金が組まれ、実施されたのがこの虹の架け橋教室事業でした。
その後、この事業は日系ブラジル人等の不就学のお子さんだけでなく、日本全国の外国人児童生徒のうち、不就学や不登校に苦しむ子どもたちの就学と復学をサポートするという枠組みへ拡がってゆきました。当初2009年度から2011年度までの3年間限りだった事業は、まだ課題は解決されていないという声を受け、2012年度から2014年度まで延長となりました。
一方、やはりその原点がリーマンショックに端を発する経済危機に対応するための施策であったため、その余波が薄れた2015年度以降の継続はかなうことがありませんでした。その後、この事業の「後継」として文部科学省が新設した枠組みが、堀潤さんがおっしゃっていた『定住外国人の子どもの就学促進事業』です。予算規模を虹の架け橋教室事業時代の約4分の1に減らし、その事業主体を地方自治体へと移管しました。これまで国が10分の10拠出していた事業費は「地方自治体3分の2、国3分の1」の補助事業へと改められました。
「地域ごとに異なる外国にルーツを持つ子どものニーズに、きめ細やかに対応するため」
が主な理由とのことでしたが、地方自治体側が、予算を「3分の2も」かけて外国にルーツを持つ子どもに対応するためには、ニコ生でもご説明させていただいたように、その自治体の規模や予算、該当する子どもの人数や割合、首長や担当者の理解ややる気などに大きく左右されることになり・・・という現状です。
文科省の方々にとっては、ニーズの地域差から「地方自治体マター」である。
地方自治体にとっては、そのための予算も人材もなく、「国で実施すべき事業」である。
そんな構図にはまり込んでしまったようです。
<その4「これだけ話せるんだから、日本語教育はもういらない?」>
これは別トピックだったかもしれませんが、放送中に堀潤さんに聞かれて短くお答えしたのですが、日本語の日常会話ができても、学校の勉強や思考、概念を獲得するために必要な「学習言語」という領域の言語能力を身につけるまでに、5~7年が必要であるといわれていて、この学習言語の発達がきちんと支援されないと、日本生まれ・日本育ちのお子さんでも小学校低学年レベルの日本語の力(特に読み書き)にとどまってしまうことが起きています。
お子さんの滞日期間別の日本語の状況については、
『日本語ができないとどうなる(1)? ー幼少期に来日した子ども』
『日本語ができないとどうなる?(2)-10代で来日した子ども』
『日本語ができないとどうなる?(3)-日本で生まれ育った子ども』
にまとめましたので、よろしければお読みください。
十分にお答えしきれない部分もありましたが、もし「これはどうなの!?」というようなご質問がありましたら、お気軽にお知らせいただければと思います!
可能な範囲でお答えします。
リターン
3,000円
子どもからのサンクスメッセージをメールにてお送りします。
- 支援者
- 90人
- 在庫数
- 制限なし
10,000円
3,000円の引換券に加えて、
①スイーツの名店”カフェ・ドゥ・ジャルダン”オリジナル「アメリカンカステラ5個入り」をお送りします。米軍基地のある福生で生まれた絶品カステラです。
②12月に行われる子どもたちとのイヤー・エンドパーティにご招待します(都内。交通費はご負担ください)
- 支援者
- 64人
- 在庫数
- 制限なし
30,000円
3,000円の引換券に加えて、
①スイーツの名店”カフェ・ドゥ・ジャルダン”オリジナル「アメリカンカステラ10個入り」をお送りします。米軍基地のある福生で生まれた絶品カステラです。
②12月に行われる子どもたちとのイヤー・エンドパーティにご招待します(都内。交通費はご負担ください)
③イヤー・エンドパーティ終了後、支援スタッフと共に外国にルーツを持つ子どもたちの現状と課題について語り合う座談会へご招待します。(都内。交通費はご負担ください)
- 支援者
- 14人
- 在庫数
- 制限なし
50,000円
30,000円の引換券に加えて、
ご希望の日時に、責任者田中が無償で外国にルーツを持つ子どもの現状と課題についてお話しさせていただきます。(形式不問。往復交通費はご負担ください)
- 支援者
- 4人
- 在庫数
- 制限なし