ステージに立ちたい、子ども達。

今回の「南相馬フェス」には福島の浜通り

いわき　から、相馬地方までの子供達がステージパフォーマンスをします。

それぞれ、ダンスや歌でのステージパフォーマンス。

 

震災後、子供達が通うダンスや歌のレッスンスタジオが

浜通りにたくさん誕生しました。

 

 

 

ダンスなどが学校で必修科目になってる影響もあるかもしれませんが、

それよりも、ダンスや歌で自分を表現することの楽しさを知ってる子達が

増えたのではないかと思います。

 

震災前に南相馬には無かった、ダンスや歌のレッスンスタジオは、

東京や仙台からの講師が通い、子供達に教えているところが多々あります。

トモダチプロジェクトもそのうちの一つ。

 

震災後、さまざまな縁で福島の浜通りに入ってきた県外の人々が

福島に触れ、福島を好きになり、

子供達と関わり合いながら、ずっとそこに関わり続けるために

レッスンという形態を持ったチームもたくさんあります。

 

 

最近では、学校に行くのが難しい、という子供達も多くいます。

しかしそんな子達も、歌うことや踊ることで自分の「居場所」を見つけ

第３の場としてレッスンに通いながら、自分の技を磨いている子達もいます。

 

 

震災を知らない子達もたくさん、踊り始めました。

その子達にとってみれば、南相馬でもダンスができる、ということは

特別なことではないかもしれません。

生まれた時から、歌ったり踊ったりできる場がそこにあり、

「私も、あのステージに立ちたい！」と先輩たちのステージを見て、

レッスンに通い始める子達もいます。

 

 

最近、浪江でダンスを始めた小学１年生の女の子。

彼女の家族は、帰還困難区域の避難指示が解除されたばかりの、双葉町に住んでいます。

毎週1回ある、浪江町創成小でのダンスレッスンをとても楽しみにしています。

 

 

今回、浪江町に新しく作った「アドベンチャーアベンジャーズ」という曲の歌詞を

みんなで覚えてる時のこと

 

「この歌は、誰の歌だっけ。どんな歌だっけ」

 

という私の質問に、

浪江の子達は

「浪江のみんなが、元気になるための歌〜。」と答えました

 

「そうだね、浪江に帰ってきたみんなが、元気になる歌だよね」

 

と私がいうと

 

双葉町から通っているSちゃんはこう言いました

 

「せんせ、私の街も元気にしてください。だって、お家の周りは誰もいなくって

　真っ暗なんだよ。私しか、子供はいない。だからこの歌は双葉のみんなを元気にする、

　双葉の歌だよ」

 

 

と。

 

 

 

子供達は、なんでもわかっています。

 

浜通りに誕生する歌は、すべてこの街の歌です。

そしてこの子達が歌って、踊って、大きくなっていくときに

この歌や、ダンスや、ステージに立てたことを思い出に、

大きく飛び立っていくための翼です。

 

 

どこにもない、唯一のオリジナルソング。

そしてその歌達にダンスをつけてくれる、福島愛に溢れたダンサーの皆さん。

このフェスの中心には、地元の子供達。

ここから巣立って、日本を照らしてゆく子達を、どうか応援してください。