「迷惑」の正体・・・

その地域には数年来、外に住んでいる猫を心配する方々がいました。

風が吹き通る川原。

人懐っこい三毛猫が、懸命に生きる姿を気にしていたのです。

時にはケガを負い、またある時は子猫を連れ。

その子猫が1匹減り、2匹減り、大きくなる前にすべていなくなってしまう様子も見てきました。

そして、時にはほかの猫が現れることもあります。

 

でも地域には、嫌う人も存在します。

現代では、かつてのように外猫が暮らす場所はありません。

納屋も縁の下もなく、小動物さえいないのでゴミをあさる・・・

その姿は、人目に付くようになってしまいました。

猫は、大昔からその地に付いたものとして、人と共生してきました。

ネズミを捕ってくれる大切な役割を担い、付かず離れず、中にはかわいがられる存在として。

そういう生態をもち、人のいない場所では暮らせないのです。

 

現代は土地そのものが小さく区画され、「個人の持ち物」という意識が高まっています。

それは、あくまでも人間界だけのルールですが、他の生き物・・・虫一匹入ることさえ許さない意識が現代社会に蔓延していますね。

 

そこに猫が通ろうものなら大騒ぎ。

この地球は、土地は人間だけのものではないはずです。

生態系破壊が取りざたされる割には、身近な生き物の存在価値や寛容さはどこへ？

この春も子猫を連れて懸命に生きていた三毛。

でも、次々と居場所を追われ、山の中腹、人が入れないような竹やぶの中に移動せざるを得なくなっていたのです。

その間に私たちは、三毛ちゃんに不妊手術を実施。

子猫たちのもとに帰していました。

 

ところが、それを知った山の持ち主が、竹やぶを切り倒してしまったのです。

ふだん、誰も入らない、何にも利用されていない全く見向きもされない場所に、子どもを連れてひっそりと暮らしていた三毛。

充分雨露をしのげるわけでもないのに、そこにしか居場所がなかった・・・

そんな彼女をまたしても追いつめたのです。

 

その間に、4匹いた子猫は、1匹が交通事故で、もう一匹は他の猫に連れ去られ亡くなってしまいました。

 

ご飯をもらえる時間になると、山から大急ぎで走ってきていた三毛。

子供のために、食べるとすぐに戻っていく姿。

母の愛があふれる行動を見るにつけ、人の不寛容、冷たさに心が凍る思いです。

再度追われてしまった三毛は、事故の危険性の高い場所に移動しました。

これ以上の悲劇はご免です。

ついに親子3匹、保護することにしました。

 

が、もう保護場所はありません。

でも、入れなければならないこのような子がたくさんいるのです。

 

皆様のおかげでシェルターを作ることができます！
でも、今溢れてしまっている子を移動したら、もう一杯。

一刻の猶予も、そしてキャパもないのです。

 

この世は、人間だけが快適であればいいわけではないですよね。

美しい地球であるためには、まず、自分の周りのあらゆる生き物、生態を受け入れることから始めなきゃ。

 

迷惑・・・本当に迷惑・・・？

 

迷惑と不寛容をごっちゃにすると、それはただのわがままなクレーマーになってしまいますよね💦

心を広く、豊かにできる、寛容さ。

それは、ほかの立場のものをそのまま受け止める、ことに他ならないように思います。

 

三毛親子は、とっても甘えん坊でかわいらしい性格です。

ひとえに、心配してくださった人たちとの信頼関係が作っているものでしょう。

エサと、愛情を傾けてくださってありがとうございました(#^.^#)

必ず幸せになれますね！