猫を迎えるということ

「猫を迎えるということ」

 

 

 

保護猫活動をしていて思うことは猫は愛護動物といいつつも結局はモノという視点で見ている方がまだまだ多いと感じる。

 

 

 

宮城県の保健所に収容される子は大きく分けて4パターン。人間の都合で収容される。

 

 

 

1つ目は自活できていない飼い主のいない猫の収容。大体は一匹で生きる事が困難と判断された子猫の収容。乳飲み子等

 

 

 

2つ目は何らかの自己都合で飼えなくなって殺処分になるかもしれないと説明を受けたにも関わらず同意した飼い主やご家族の意思により収容。

 

 

 

3つ目は飼育不可と判断された多頭飼育や飼い主死去により親族がいないケース。多頭飼育の場合は保健所等の指導で改善され収容しない場合もある。

 

 

 

4つ目は飼い主不明で事故等により負傷として収容。

 

 

 

どれをとってみても人間都合の結果の収容と私は思う。

 

室内飼育をし、不妊去勢手術をし、適正飼育を一人一人責任を持てばそんな事は起こらない。

 

 

 

だけどどこの都道府県でも起きている。

 

 

 

ねこ活は保健所から成猫と傷病猫を引き出す活動をしているが飼い主のいない猫も度々やってきて保護することもある。

 

これは外にいることで交通事故等、人から傷つけられるのを未然に防ぐ為。

 

負傷で収容となれば殆どが譲渡対象にならないケースを見てきたから。

 

行政で治療のできない怪我や病気も同じ。

 

威嚇の度合いでも譲渡できない猫にもなる。

 

いつも命を失うのは人間都合で傷ついた子。

 

 

 

子猫を救う人は多い。子猫を欲しがる方も多い。もちろん可愛いし、譲渡になりやすい。

 

でも手を差し伸べられない成猫や傷病猫はどうなるのだろう。

 

成猫になるまでの時間を必死に生きてきた。

 

必死生きて、なお幸せになれない。

 

そんな成猫や傷病猫はたくさんいる。

 

成猫の脳成長は3歳くらいと言われている。　0歳も3歳も猫自身では生きていけない。

 

 

 

猫が自ら幸せになれないから私達みたいな保護活動者がいてなんとか余生を幸せに過ごしてもらいたいと譲渡に繋ぐ。

 

成猫や傷病猫を譲渡に繋ぐまでどれくらい時間がかかりどれだけ医療費をかけ、どれだけ苦労の連続か伝えたとて理解はしてもらえないだろうけどただその子が幸せになるためにだけを願い活動をする。

 

 

 

やっと譲渡に繋げて良かったと思い幸せになれるね。と喜び。

 

お迎えくださった飼い主さんにありがとうと大事にしてください。何かあったらサポートをします。と。

 

大事に大事にお世話した日々を思い出しさよならのさみしい気持ちを隠し託す。

 

 

 

きっと幸せになれるよ。

 

と自分にも言い聞かせる。

 

 

 

そんな風に大事に育て託した子。

 

 

 

大事にしてくれると思ったお家に、新しく子猫が来て、ご家族の愛情はそちらに向き、居場所を取り上げ、懐かないから返したら。なんて家族の1人でも言っちゃいけない。

 

 

 

今は人馴れしてなくても時間が解決してくれるかもとご家族で理解してお迎えをしたはずです。

 

そういう性格かもと。でも顔が可愛くて仕方ないと気に入ってお迎えした。

 

 

 

 

 

そんな簡単に返すなんて言葉がでちゃいけない。

 

 

 

私はお迎えし、治療し、お世話をし、自分の時間を全て費やして簡単な時間を過ごしできたわけじゃない。

 

そんな簡単な命じゃないんだよ。

 

一生懸命生きた命なんだよ。

 

 

 

モノじゃないんだよ。

 

 

 

新しくご家族が迎えたその子猫は20年生きます。

 

可愛い小さい時期は一時。

 

これからたくさんイタズラをし、成長し成猫になります。

 

怪我をし、病気をし、シニアになり立てなくなります。

 

それでも20年変わらない愛情を注いで欲しいです。

 

 

 

それが手放した［ひまわり］への償いです。

 

 

 

譲渡時に、お伝えする「飼えなくなったらねこ活にお戻しください」

 

その私の言葉は飼い主都合の為にあるのではなく猫の幸せだけの為にある言葉です。

 

 

 

 

不幸で終わらせないよ。幸せにするよ。

 

ママをもう一度信じてね。［ひまわり］