プロジェクト概要

 

ディストピアSFのような世界ではなく、魔法的シンギュラリティへ。筑波大学の助教・落合陽一が「コンピュータと人が協調する未来で主体的に問題発見・研究出来る人」を育成するため教育研究に関わる支援を募集します。

 

"現代の魔法使い" 落合陽一とは?

 

 こんにちは、落合陽一です。僕は「コンピュータ研究者」と「メディア芸術家」の、二足のわらじを履いて生きています。最近では、"現代の魔法使い"と僕を呼ぶ人もいます。僕が生涯をかけてやりたいことは、21世紀の思想を作っていくことです。思想と言うと難しそうに聞こえますが、21世紀の時代を支えるような考え方とものづくりを目指しています。

 

 そのために、二つのアプローチをとっています、一つは発明によって描き出される文化的側面を追求していくこと、その中で作品発表や展示などの形で具体的に提案すること、もう一つは、それらを定期的に思想としてまとめたり工学的な研究論文として発表していくことです。そのために、工学的アプローチで発明し続けていくために大学で研究をしながらものづくりをしています。そういう発明やものづくりが昔から好きです。

 

(落合陽一 / 1987年生まれ。名前の由来は電気の+(プラス)と−(マイナス))

 

 両親は、 僕が生まれたときに、電気の「+」と「-」から「陽一」という名前をつけたそうです。 その影響からか子供の頃から理科が好きで、簡単な実験に没頭したり、 大学の研究室に遊びに行ったりしながら育ってきました。その一方でアートにも強く惹かれ、学生の頃からメディアアートの分野で作品を発表してきました。

 

 筑波大学の助教として、通称デジタルネイチャー研究室という自分の研究室で、人間中心だった社会が変化したあとのコンピュータと自然物(人間を含む)がごちゃ混ぜに混ざり合った世界を想像し、人とコンピュータとの関わりを今からどうやって変えていくか、そこに必要な技術は何かということを、文化の面と工学やサイエンスの面から、次代を担う学生たちと共に日夜探求しています。思想の枠組みを作っていくには、そしてそれを世界に出していくには多くの学生を育てていく必要があると考え、企業研究所ではなくて大学というポジションを選びました。

 

 

新しい自然観「デジタルネイチャー」

 

 今さまざまなところで,人工知能やIoTといったような流行語が取り上げられていますが、最近は人工知能のもたらす悲観的なディストピアを想像した人から、「じゃあ、どうやって生きたらいいんですか。人間は必要なんですか。」と質問を受けることがよくあります。人とコンピュータはどちらがどちらかを飲み込むのか?コンピュータを道具のように使い続けることができるのか?それとも人間がコンピュータの奴隷のような存在となるか?

 

 現代はすでに「人間とそれ以外に分ける」という人間中心の昔ながらの二分法では捉えきれません。コンピュータが制御するモノとモノ、 あるいは場と場の新しい相互関係によって作られ、人間とコンピュータの区別なくそれらが一体として存在すると考える新しい自然観を「デジタルネイチャー」と呼んでいます。
 

(「デジタルネイチャー」って図で説明するとこんな感じです by落合陽一)

 

 

虚構の消失。デジタルとアナログの区別がない世界

 

 僕は、人とコンピュータが敵対関係や上下関係でなく共生できる未来のために、その形を表現し、要素開発を行ってます。例えば、工学の面では、どうやってコンピュータの形をなくしていくか、という研究をしています。


 データで表現される世界、コンピュータグラフィックス(CG)は、今までは画面の中にあるものでした。例えば、ディズニー映画の『アナと雪の女王』では、エルサが空に掲げた手に雪の結晶が舞う。これまでCGで表現していた「見えない力でものを操る」ようなことを、僕は画面の外、つまり我々が今生きている現実世界で表現しようとしています。
 
 その中で例えば僕は、「超音波によって物体を空中で動かす」研究をしてきました。合計1140個の小さなスピーカーを使って超音波による空間を発生させ、それをプログラミングで制御することで、空中に浮かせた白いビーズを三次元的に自由に動かしています。この技術を使えば、例えば大量の水を浮かせてそこに投影したり、空中に「触覚ある映像」を作ることも可能になります。

 

 

(空中に浮かせた白いビーズを三次元的に自由に動かすことができる)

 

  また以下では、「空気中に触れる立体像を表示」させる研究を行っています。短時間(100兆分の3秒)に強力なレーザーを集中照射することによってプラズマの三次元の絵を空中に描く。手で触れても大丈夫なくらいのエネルギーに落としたレーザーを用いることで、指で遮っても皮膚にほぼダメージがなく、プラズマによるわずかな衝撃でピリッとした触った感覚があります。また、触れたことを判定し、その瞬間に立体映像を反応させることもできます。

 

 

(プラズマを撮影しているカメラが指に当たったことを認識し、像が変わるプログラムが組まれている)

 

 

「魔法の世紀」へ

 

 21世紀は、リアルとバーチャルの対比が、コンピュータによって踏み越えられ、作り替えられる世界になります。今まで映像の中でしか見られなかった事柄が、物質世界に飛び出し体感されるような時代を「魔法の世紀」と僕は呼んでいます。

 

 僕は、コンピュータは好きですが、今の形ある姿が嫌いです。例えば、スマホは重いし、充電しないと動かないし、画面という狭い枠に限定されていて臨場感がない。頭に装着して映像を表示するようなウェアラブル装置もありますが、次の50年を見据えて「仮想世界を覗くのみの」技術開発ではなく、「現実と見分けがつかなくなるような何か」を物理世界につくりたいと思っています。
 
 僕たちが魔法や特殊効果を、ハリウッドのCGなら、コンピュータの中でなら自由にできる、と仮想物体ベースで考えていたことを、これからの子どもたちは実体ベース、現実世界ベースで考えられるようになる。そういうふうに思考の枠組みを変えていきたいんです。

 

(透明なシャボン玉膜には普段は映像が映らない。超音波振動させることで、投影することを可能にした研究)

 

 

「これからの世界」をつくる人

 

 人工知能が人間を超える瞬間のことを、未来学者のレイ・カーツワイルは「シンギュラリティ(技能的特異点)」と名付けました。シンギュラリティはまだ完全には訪れていません。でも、すでにコンピュータに取って代わられた人間の仕事はたくさんあります。いまの社会では、人間がコンピュータの「上司」のように振舞っている場面さえある。そういう時代に、人間には一体どんな価値があるのか、人間がコンピュータに対してやるべきことは何か。僕自身、まだ明快な答えは出ませんが、将来を生きる若者達のためにはそういう大きな問題を真剣に考えるべきでしょう。

 

 若者達が身につけるべきは、自分の考えをロジカルに説明して、ロジカルにシステムを作る能力。抽象的な教養やアイディアだけあっても、何もできません。「実装」と「アイディア」が個人の中で接続されることに価値があるのです。そこを鍛えなければ、シンギュラリティの世界に適用する人間にはなれません。それは、「コンピュータと人間が相互に補完しあってそれ以前の人類を越えていく時代」だからです。お互いにできることを示さねば、片側に吸収されてしまうのです。

 

(コンピュータと人が協調する未来で主体的に問題発見・研究出来る人」を育成したい)

 

 

クラウドファンディングによる研究助成手法を導入

 

 本プロジェクトで集められた寄付金は、筑波大学・デジタルネイチャー研究室の1〜3年生の研究教育用の試作予算に主に充てられます。

 

 本来、大学の研究室の半分の目標は教育なので、未来をつくる若者達にしっかり投資して、研究させられる場が必要ですが、そういったお金の取り方はなかなかできません。僕個人は、研究者として作りたいものがあり、予算も獲得することができます。

 

 しかし、うちの研究室の学生は僕とは違うことをやって育っていって欲しい。発案、実装、成功や失敗を高速で繰り返す経験は人を育てます。研究教育を行い、世界のトップレベルの成果を狙うことは、学生にとって又とない経験になるはずです。そういった思いから、僕のプロジェクトで得た予算や科研費を、学生達のやりたい研究といかに共有できるか、どんな物品なら提供できるかを常に会計の人と相談しながらやっているのが現状で、本当はもっと純粋に学生の研究に投資して欲しいと思っています。そういう仕組みが必要だと思い、今回、クラウドファンディングによる研究助成手法を導入します。それによって次世代の人材を育て、社会に供給したいと考えています。

 

 

※ 税制上の優遇措置について


 筑波大学へのご寄附に対しましては、確定申告を行うことにより税制上の優遇措置が受けられます。(詳細はこちら:https://futureship.sec.tsukuba.ac.jp/tax/index.html


優遇措置の内容

■ 個人でご寄附をされる場合
− 所得控除
所得税法上の「寄附金控除」の対象となる特定寄附金(所得税法第78条第2項第2号)の税法上の優遇措置を受けることができます。具体的には、総所得金額等の40%を上限とした寄附金額について、「寄附金額-2,000円」の額が所得から控除されます。

 

− 住民税の軽減
お住まいの都道府県・市区町村が、条例で筑波大学を「寄附金税額控除」の対象として指定している場合、総所得金額等の30%を上限とする寄附金額について、下記の金額が翌年の個人住民税額から控除されます。

・都道府県が指定した寄附金 [寄附金額 - 2,000円]×4%に相当する額
・市区町村が指定した寄附金 [寄附金額 - 2,000円]×6%に相当する額
※県・市町村の両方が、寄附金税額控除対象指定を行っている場合、都合「寄附金額 - 2,000円」の10%に相当する額となります。

※平成23年度税制改正により、寄附金税額控除の適用下限額が、5,000円から2,000円に引き下げられてます。

※本学を寄附金税額控除対象指定している自治体は、茨城県、千葉県、つくば市など多数があり、詳細は「筑波大学へ寄附される個人の皆様へ(2012.2.7) (94.8KB )」をご覧ください。

 

− 計算例
課税所得500万円でつくば市にお住まいの方が、10万円寄附された場合の計算方法は以下のとおりです。

(所得税の軽減額)
・寄附していない場合
  5,000,000円×20%(税率)-427,500(控除額)=572,500円
・10万円寄附している場合
  {5,000,000円-(100,000円-2,000円)}×20%-427,500(控除額)=552,900円
  572,500円-552,900円=19,600円(所得税の軽減額)

(個人住民税の軽減額)
(100,000円-2,000円)×10%=9,800円(個人住民税の軽減額)です。したがって、つくば市にお住まいの方が10万円寄附された場合、 19,600円(所得税の軽減額)+9,800円(個人住民税の軽減額)の合計29,400円が税制上の優遇措置による軽減額となります。
※上記はあくまでも目安です。実際は収入の種類、各種所得控除等により変動が生じることがあります。

 

優遇措置を受ける手続き

本学では、寄附金のご入金を確認しますと、ご寄附を頂いた方へ「寄附金受領証明書」をお送りしています。この証明書を添えて、所轄税務署で確定申告を行ってください。(住民税の寄附金控除のみを受ける場合は、市区町村に申告することになります。)なお、この証明書は、税制上の優遇措置を受けるために必須の書類ですので、大切に保管してください。


※一般的な所得税の確定申告提出期間は、毎年度、翌年2月16日から3月15日までの1ヵ月間です。なお、この期日が土曜日・日曜日と重なると順次繰り下げ、月曜日までとなります。

 

 


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