合唱水槽　調教秘話　魚たちがデビューするまでの道のり

本日は、合唱水槽の調教秘話についてお話していきます。

合唱水槽では、デバスズメダイというお魚を展示しています。

現在は機械が故障してしまったため中止となっていますが、

30分に1回演出がかかり、お魚が合唱を披露してくれるショーを

行っていました。

ざっくりとどのようなことをして、このショーが出来上がっているのか

と言いますと、ターゲット（スポイトの黄色いところ）とエサを使って明るい

ところに行けば、エサがもらえるということをデバスズメダイに覚えさせる

といった調教をバックヤードの水槽でやっています。

水槽（ずっと同じ場所）に光を当てて、エサをその部分にだけ入れます。

エサを食べ終えたら、光を消すというこの繰り返しを1～2週間毎日行い、

明るいところでエサがもらえることを覚えさせます。

ここまでは、ほとんどの個体ができるのですが、毎回数匹は

あやふやな感じの個体がいます。

次に、同じ所に当てていた光を、別の場所に移動させて、

光の当たっている方にエサとターゲットを使って誘導させていきます。

ここが結構難所で、物覚えの良い個体はすぐにできるのですが、

できない個体は本当にできません。30～50匹くらいを

1度に調教するのですが、毎回1割から2割は理解してくれない

個体がいます。

できるようになった個体は、合唱水槽の方に出られますが、

できない個体はバックヤードの水槽に残って特訓が始まります。

お魚には言葉が通じないので、なかなか順調にいくことは多くありません。

私はそんな時に、言葉をあえてかけながらやっているのですが、

不思議なことに結構上手くいくことがあるんです。

お魚も何かを感じとってくれているのかもしれません。

出来上がるまで大変な分、できた時の達成感と嬉しさはとても大きいです。