支援総額
目標金額 3,000,000円
- 支援者
- 286人
- 募集終了日
- 2024年10月23日
ニューズレター5-6月号を発行いたしました&講演会「デジタルアーカイブで竹本床本を読む」ご報告
本日、ニューズレター5-6月号を発行いたしました。
お知らせしました通り、本年より、隔月(奇数月)の発行となっております。次号は7月10日に発行いたします。
当館HPより、上記PDFファイルでご覧いただけます。
5-6月号掲載情報 <こちら>
・講演会「デジタルアーカイブで竹本床本を読む」報告
・「八代目尾上菊五郎 六代目尾上菊之助襲名披露記念」特別展示&資料紹介
・オリジナルグッズ新商品が発売開始!
・松竹大谷図書館所蔵 歌舞伎映画一挙上映&尾上右近トークショー開催!
・ 4月特別展示「大谷竹次郎が遺した歌舞伎映画」&資料紹介「祝20周 年!シネマ歌舞伎」を開催しました
・【北條秀司スクラップブック】のアーカイバル容器への収納作業完了
・松竹大谷図書館所蔵 歌舞伎映画作品6月衛星劇場にて一挙放送!
・新着資料案内
・新規登録資料案内
・資料提供
・新たに資料をご寄贈くださった方々
・夏期休館のお知らせ
・公益財団法人松竹大谷図書館へのご支援のお願い
・松竹大谷図書館へのご来館に関しましてのお願い
・利用案内
さてニューズレターでもお知らせしておりますが、去る3月22日(土)に、人間国宝で竹本の太夫である竹本葵太夫師を講師にお迎えして、中央区立京橋図書館主催の講演会「デジタルアーカイブで竹本床本を読む」が開催されました。この講演会は当初、葵太夫師に歌舞伎の義太夫狂言の劇音楽である「竹本」と、竹本の太夫(語り手)が舞台で用いる「床本」について解説して頂く、という企画だったそうですが、葵太夫師のご発案により、昨年10月にWeb公開を行った当館のデジタルアーカイブ<竹本床本検索閲覧システム>を活用した講演会にしようということで、当館にもお声掛けを頂き、司書の武藤祥子が参加して、葵太夫師のご講演の前にデジタルアーカイブについて解説を行いました。
葵太夫師は、三月歌舞伎座で昼の部の『仮名手本忠臣蔵四段目』にご出演中であったため、午後6時から8時という夜の開催となりました。講演テーマが「竹本床本」という、歌舞伎の資料の中でも非常に専門性の高い資料であったため、どの程度興味を持ってもらえるのか企画時から心配の声はありましたが、参加受付が開始されてから6日目の東京新聞朝刊で告知記事を掲載して頂いたところ、出足からすでに好調だった申込がその日の午前中にはあっと言う間に定員80名に達して受付終了となったそうです。当日は、開場前から入場待ちの列が出来る盛況ぶりで、関係者席には國學院大學客員教授で文芸家の岩下尚史氏、元伝統歌舞伎保存会事務局長の浅原恒男氏、早稲田大学演劇博物館児玉竜一館長、竹本鏡太夫師曽孫である細川伸夫様をお迎えし、熱意に満ち溢れた会場での講演会となりました。
初めに武藤から、松竹大谷図書館の資料の概要、特に歌舞伎の上演台本の特徴についてお話した後、<竹本床本検索閲覧システム>のデジタルアーカイブ化の経緯と検索システムの使い方、そしてシステムの書誌データについて解説をしました。システムの使い方や書誌については、以前の活動報告でもご説明していますので、詳しくはこちらをご覧下さい。
《竹本床本検索閲覧システム》使い方
データの入力にあたっては、作品の通称や幕名、段名を入力したり、葵太夫師にご助言をいただき、詞章の「語り出し」と「末尾」を入力したりするなど、竹本の太夫が検索に使用する言葉を入力する事で、実演家の利便性を考慮した検索システムになるよう心掛けました。最後にアーカイブの公開による利活用効果として、画像を利用に供することによる原物資料の保存、竹本床本へのアクセシビリティの向上、地芝居伝承者や歌舞伎義太夫(竹本)研究者の利用促進などが期待される事をお話しして、いよいよ講演会の中心である葵太夫師のお話となりました。
まず、義太夫本(浄瑠璃本)の諸本について、版本の丸本(通し本)や、作品の一部を書き抜いた床本と三味線譜について、文楽と竹本での書式や体裁の違いなど、当館の所蔵資料と葵太夫師所蔵の資料の画像を交えてご説明頂きました。
続いてメインテーマである「竹本床本」について、ご解説頂きました。「竹本床本」は竹本の太夫が舞台で使用する台本で、使用する太夫が直筆作成する唯一無二の資料です。その床本を太夫さんが実際どのように製作されているのかについて、用紙や筆、〇印の押印に使用するキャップや下敷などの用具、墨書の書体や配置など、葵太夫師ご自身の用具や床本の画像をスライドにご提供頂き、詳しくお話してくださいました。
続いて、床本には、太夫が語る「詞章」の他に舞台で実際に語るために必要な様々な情報が記載されている事をご説明頂きました。劇中で演奏開始の合図となるのが「キッカケ」です。キッカケとして一番多い「セリフ尻」は、「見届下され」などと俳優のセリフの最後の部分が記載されていて、そのセリフが言い終わった所で演奏が始まる事を示しています。また「力弥下手に座るト」という様に俳優の動作がキッカケとなる場合もあります。強調のため、キッカケの頭には○印が付けられています。
また、「三味線譜」が記載されているのも床本の大きな特徴です。演出により同じ演目でも曲調が変わってくるそうです。三味線によるセリフの強調である「ウケ」や、動作の強調である「カラ二」という言葉も、三味線に関わる記載情報です。
演出が変更になった場合には、貼紙により修整を行うそうです。葵太夫師は、「本文と異なる紙の方が舞台で直ぐ判別できる」と教わったそうです。当館のデジタルアーカイブに含まれる「竹本鏡太夫」や「豊竹寿太夫」の床本にも、貼紙による修整や、覚書の紙片の挟み込みなどが多数あり、貼紙の撮影順の決定や撮影の取りこぼしが無いようにチェックした事など苦労した覚えがありますが、葵太夫師によると、貼紙の様な実用的な工夫は、床本を舞台で活用するために長年の経験によって先人が考え出した工夫である事という事です。
こうして舞台で使用され、様々な情報が記載された「床本」を、葵太夫師は持ち運びの際、肩衣生地で作った床本入れに入れて大切に扱われて、ご自宅ではクリアファイルに収めて、書棚に「本外題>段>場面」の順に立てて収納していらっしゃるそうです。
「床本」は使用する太夫自身が作成するため、師匠や先輩から手本とする床本を借り受けて書写する事が欠かせません。葵太夫師は、初めは師匠から借りた床本や譜本を罫紙に書写して鉛筆書きで書込みをして学習帳を作り、いよいよ舞台で勤める時は床本を書いて作成したそうです。最近はコピーも使用するそうですが、葵太夫師は後で必ず書写する事を若手に勧めるそうです。またコピーについては、勉強のための複写だけでなく、万一に備えた危機管理として、副本を作っておく事にもつながるそうです。葵太夫師は出演期間中、ご自身が休演した時の対策として床本を楽屋に置いて帰るそうですが、「床本」が、使用する太夫自身が作成する唯一無二の資料ならではのお話だと思いました。昔は、仕事の種である床本を貸さない、簡単には見せてくれない師匠もいたそうですが、葵太夫師は、先人が苦労や工夫を重ねて作り上げた床本を預って、今度はご自身が次世代へ取次ぐという意識でいらっしゃるそうです。
後半では、デジタルアーカイブの竹本鏡太夫師の床本『忠臣蔵四段目』の画像を映写して、葵太夫師に各場面大変分かりやすくご解説頂きながら、実際に詞章の部分を語って頂くという非常に贅沢な講演会となり、実演家ならではのエピソードを交えて、要所に入れてくださる語りの声に、参加者の方々も熱中して聞き入っている様子でした。
最後に、葵太夫師は、「床本には魂が宿っている」というお話をしてくださいました。「床本」に込められているその作品の浄瑠璃作者・作曲者・伝承者・指導者などの魂に敬意を払って活用し、そして、また後継者を育ててそれを伝承していくという事の大事さが込められたお話でした。
当館では、竹本協会のご紹介により、太夫のご遺族やお弟子筋からご寄贈を受け、現在約1900冊の床本を所蔵し、今回そのうちの590冊について、デジタルアーカイブで検索・閲覧が出来るようになりました。今回の講演会もデジタルアーカイブ公開の非常に大きな成果であると思っております。床本のデジタルアーカイブ化にお力添えを頂いた皆様、そして今回の講演会の開催を導いてくださった皆様、すべての関係者の皆様に深く感謝申し上げると共に、今後も貴重資料の保存と活用に努めてまいります。
講演会「デジタルアーカイブで竹本床本を読む」
2025年3月22日(土)午後6時~8時
主催:中央区立京橋図書館
会場:本の森ちゅうおう1階多目的ホール
講師:竹本葵太夫(人間国宝・竹本太夫)/武藤祥子(松竹大谷図書館)
リターン
3,000円+システム利用料

A|【税控除対象】お気持ち応援コース(3千円)
■サンクスメール
■松竹大谷図書館HPへのお名前掲載(ご希望の方のみ)
■報告書(2025年4月末に送信予定)
■寄付受領書・控除証明書(2025年1月末に発送予定)
- 申込数
- 80
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2025年4月
5,000円+システム利用料

B|北條秀司作品台本デザインオリジナル文庫本カバー
北條秀司作品『井伊大老』『浮舟』の台本の表紙をデザインに使用したオリジナル文庫本カバー(非売品) をお届けいたします。
■サンクスメール
■松竹大谷図書館HPへのお名前掲載(ご希望の方のみ)
■報告書(2025年4月末に送信予定)
■北條秀司作品台本デザインオリジナル文庫本カバー
-----
※ 本コースへのご支援は税控除の対象となりませんのでご注意ください
- 申込数
- 55
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2025年4月
3,000円+システム利用料

A|【税控除対象】お気持ち応援コース(3千円)
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■松竹大谷図書館HPへのお名前掲載(ご希望の方のみ)
■報告書(2025年4月末に送信予定)
■寄付受領書・控除証明書(2025年1月末に発送予定)
- 申込数
- 80
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2025年4月
5,000円+システム利用料

B|北條秀司作品台本デザインオリジナル文庫本カバー
北條秀司作品『井伊大老』『浮舟』の台本の表紙をデザインに使用したオリジナル文庫本カバー(非売品) をお届けいたします。
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■報告書(2025年4月末に送信予定)
■北條秀司作品台本デザインオリジナル文庫本カバー
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