お早うございます。松竹大谷図書館の武藤です。


本日6月30日より閲覧室の所蔵資料ミニ展示がかわりました。7-8月の展示は、本年没後20年をむかえる「時代劇スター 萬屋錦之介」展です!

 

歌舞伎の名女形三代目中村時蔵の四男として1932年に生まれた萬屋錦之介は、東映時代劇を代表する時代劇スターであり、昭和の日本映画全盛期に活躍した映画俳優です。1936年11月歌舞伎座にて初舞台を踏み、歌舞伎俳優として舞台に出演していましたが、1954年に映画俳優としてデビュー後、同年公開された『笛吹童子』が大ヒットし、映画が娯楽の中心だった当時、瞬く間に「錦ちゃんブーム」を巻き起こしました。テレビの世界でも、1973年放映の『子連れ狼』は高視聴率を獲得するなど、第一線で活躍し、また、毎年6月歌舞伎座での自身の公演が恒例になるなど、舞台俳優としても人々を魅了しました。

 

今回は、演劇・映画の両分野に亘って活躍した萬屋錦之介の資料をご紹介します。

讀賣新聞で連載された記事「あげ羽の蝶」を一冊にまとめた著書や、映画や舞台のスチール写真、『子連れ狼』放映開始時に表紙に載った「TVガイド」、最後の映画出演作『千利休 本覺坊遺文』のプログラムなど、様々な資料を展示しています。

 

また、当館では萬屋錦之介出演作品の台本も所蔵しておりますが、今回の展示では展示ケースのスペースの都合上、台本を展示することができませんでしたので、こちらの新着情報で、写真でご紹介いたします。

こちらの台本は出演作品の一部です。ご覧になった作品がありますでしょうか?

1954年の映画デビュー作『ひよどり草紙』より、1989年の最後の映画出演作『千利休 本覺坊遺文』まで、代表的な作品を選びました。製作年順に、上左より古い作品から並んでいます。

 

上左から『ひよどり草紙』『里見八犬傳』『お坊主天狗』『獅子丸一平』『曽我兄弟 富士の夜襲』『異国物語 ヒマラヤの魔王』『新諸国物語 七つの誓い』

中左から『風と女と旅鴉』『一心太助 天下の一大事』『浪花の恋の物語』『赤穂浪士』『ちいさこべ』『武士道残酷物語』『鮫』

下左から、『花と龍』『宮本武蔵 巌流島の決斗』『祇園祭』『幕末』『柳生一族の陰謀』『日蓮』『千利休 本覺坊遺文』

 

写真の上段にある台本は、「錦ちゃんブーム」が起こるきっかけとなった作品のひとつ『里見八犬傳』(1954年)を筆頭に、美少年振りで人気を博した作品が集まっていますが、真ん中の段になりますと、『風と女と旅鴉』(1958年)や『ちいさこべ』(1962年)、『武士道残酷物語』(1963年)など、名監督と組んだ文芸作品も見られます。

下の段には、1年に1作ずつ、5年をかけて武蔵を演じた『宮本武蔵 巌流島の決斗』(1965年)、東映退社後の自主作品『祇園祭』(1968年)、12年振りに東映作品に出演した『柳生一族の陰謀』(1978年)、そして最後の映画出演作『千利休 本覺坊遺文』(1989年)などの作品があります。映画俳優、萬屋錦之介の道程がわかる作品群です。

 

また、舞台作品の台本も1冊ご紹介します。

こちらは、1964年7月歌舞伎座上演の『反逆児』の台本です。

1961年に萬屋錦之介(当時中村錦之助)主演で公開された『反逆児』は大佛次郎の戯曲『築山殿始末』を映画化した作品で、この映画を土台として舞台化されたのがこの写真の台本の『反逆児』です。映画を監督した名匠伊藤大輔が舞台の脚色・演出も担当しました。このときの公演は、父三代目中村時蔵と次兄四代目中村時蔵の追善公演で、萬屋錦之介は1953年に歌舞伎座へ出演してから11年振りの歌舞伎座出演となりました。この後、毎年6月の自身の歌舞伎座公演が恒例となり、次兄早世後の一門を率い、盛り立てていきました。

 

萬屋錦之介主演作の台本は他にも所蔵しておりますので、ご来館の折は目録でお探しになってみてください。もちろん、カウンターでもお尋ねいただけますので、お気軽にどうぞ!今回の展示期間は、8月15日までとなっております。お近くまでいらした折には、是非当館にお立ち寄り下さいませ。

 

松竹大谷図書館の開館日はこちらのカレンダーでご確認下さい。

http://www.shochiku.co.jp/shochiku-otani-toshokan/pdf/17_calendar.gi

新着情報一覧へ