【ウソのような本当の話】

　2017年5月7日、東京都美術館で展示された紙コップのインスタレーションにご自身の分身カップに再会しようと訪れてくださった母と娘の話です。

 

当たり前と言えば当たり前ですが・・

 

15,000個もある紙コップの中から自分が描いたカップを見つけるなんてそんな簡単なもんじゃないですよね。

 

お母様の方は、「大人の知恵」とでも言うんでしょうか。

360度どこから見ても見つけやすいデザインにしたようで、比較的早くに見つかりました。

 

でも、娘さんのカップはいくら探しても見つかりません。

泣きたい気持ちを我慢しながら探し続けます。

１時間以上探したでしょうか。

私も気まずくなってしまい・・（おかしいなあ・・アトリエに置き忘れたカップでもあるのかなあ・・）とさえ不安になりました。

 

しかし、この母と娘はあきらめません。

 

なんと！

なんとですよ！！

 

この娘さんのカップはお母様の隣にあったのです。

 

最初にお母様のカップを見つけた時には、反対側から見て見つけたので隣のカップが自分のものとは気づかなかったそうです。

でも回り込んだ位置から探すと・・

母と娘が並んでいたのです！

 

これは偶然と片付けられることでしょうか？

紙コップは何度もいろんな場所を旅し続けてきました。

その場所では、積み上げた後で全部のカップを豪快に崩します。

そして集めて箱に詰めるので、沖縄でのカップも台湾やフィリピン、タイのカップもみんなごちゃ混ぜのはずなんです。

私は算数が弱いので・・どれくらいの確率でそうなるのかわかりませんが・・・

分身カップにも「想い」があるように感じて驚きました。

このプロジェクトでは、まだまだ不思議な体験をしています。

少しずつ発表しますね。