農民芸術概論綱要（宮沢賢治）

　劇団プチミュージカルのコンセプト「アマチュアが文化を創る」は、宮沢賢治の農民芸術概論綱要と意を共にしています。

　最初にこのコンセプトを思いついたのは、バリ島の文化の在り方でした。今のバリ島の芸能（ケチャやガムラン）の一部は観光化されており、アマチュアとは言えませんが、かつて生業である農業とバリ島の芸能は、生活に欠かせない一体の活動でした。特に芸能は生きることを精神面から支える重要な役割を持っていました。

　香川県でも農業と獅子舞、農村歌舞伎、和太鼓等は同じ意味を持っていたと思います。つまり芸能は職業ではなかったということです。

　これをモデルにプチミュージカルは劇団として独立しました。決して芸能界を目指すアクターズスクールではありません。後に宮沢賢治の「農民芸術概論綱要」を読み、まさにやろうとしていることはこれだと思いました。

「農民芸術概綱要」抜粋

職業芸術家は一度亡びねばならぬ
誰人もみな芸術家たる感受をなせ
個性の優れる方面に於て各々止むなき表現をなせ
然もめいめいそのときどきの芸術家である

　プチミュージカルはスクール生（自らの表現力や情操を高める）、研究生（スクール生を指導しながら、自らの表現力や情操を高める）、劇団員（地域社会において、子どもを育成しながら、ミュージカル文化を創造する）はそれぞれの役割で活動しています。

　研究生は自分の事だけでなく、指導的立場から子どもを教えたり、演出や振り付けの補助、助言を行って、実際の練習を支えています。出演しながら、裏方の仕事も担っているのです。大人の役者として今年も活躍しています。

基地を支える女子挺身隊役