プロジェクト概要

ご支援の御礼とネクストゴール700万円の挑戦】 


多くの皆様の厚いご支援により、クラウドファンディングの開始から23日で目標金額である350万円を達成することができました。これにより歴博の『正倉院文書複製製作プロジェクト』を前進させることが可能になりました。ご支援くださいました皆様に深く御礼申し上げます。
 

今回の挑戦は、一般市民の皆様にこの事業の意義や危機的状況を理解していただくことが主要な目的の一つでした。皆様からのご寄附とともに寄せられた温かい応援メッセージを拝見して、その目的は達せられたのではないかと感じております。また、ネット上で多くの方々に関心を寄せていただき、テレビや新聞、雑誌にも取り上げていただきました。


今後とも『正倉院文書複製製作プロジェクト』は続いていきます。皆様からいただきました厚い志を受け止めて、さらに精進して参りたいと決意を新たにしております。そして『正倉院文書複製製作プロジェクト』をさらに前進させるため、ネクストゴールに挑戦することにいたしました。引き続き、応援とご支援をいただければ幸甚に思います。


目標金額は+350万円とし、ご支援いただいた資金は、「正倉院文書第12帙第9巻の複製化」に充てたいと考えております。
 

この巻の内容は、同じく経典類の目録で、10紙から構成されており、借用先ごとの経典の疏(注釈書)についてのリストです。薬師寺や大安寺、元興寺など南都寺院に所属する僧侶の名前が列記され、彼らが各々所有する疏の借用のためのリストになっています。


引き続き皆様のご理解、ご支援をいただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

 

2018年2月6日追記  仁藤敦史(国立歴史民俗博物館)

 

 

1300年前、奈良時代はいったいどんな時代だったのでしょうか……。

古代のようすを紐解く鍵となる貴重な文書が奈良・東大寺内にある正倉院に眠っています。奇跡的に残された正倉院文書も、いずれ朽ちていく危機にあります。後世にこの貴重な文書を受け継いでいくために、半世紀にもわたる複製への挑戦です!

 

 

 

再発見されたことによって、奇跡的に残された1300年前の貴重な文書群

 

ーユネスコ・世界遺産にも登録されている正倉院とはー

 

正倉院は、元々東大寺の正倉であり、奈良時代より貴重な宝物を数多く守ってきました。聖武天皇・光明皇后ゆかりの品をはじめとする天平時代を中心とした多数の美術工芸品を収蔵していた施設で、奈良県奈良市の東大寺大仏殿の北西にある高床の大規模な校倉造倉庫です。建物は、ユネスコの世界文化遺産にも登録されいるもので、建物、そして中に収められていた宝物も非常に貴重なものです。そして、今回のプロジェクトで複製の製作を目指す文書もこの中に含まれていました。

 

1300年の歴史を持つ正倉院 ※写真は模型

 

ー偶然残された正倉院文書ー

 

正倉院文書とは、この東大寺正倉院に保管されてきた文書群です。その文書には、奈良時代当時の様子を知ることができるさまざまな情報が記されています。1300年前の様子を知ることができる文書がこれだけまとまって残っていることは、とても貴重であり、奇跡的な状況です。

 

印が押された行政文書は、実は裏面が写経所文書に再利用されたため、偶然に保存されたものです。裏面として再利用をした写経所文書は、727年から 776年までの約50年間にわたって、作成された東大寺写経所の帳簿類であり、こちらも貴重な資料となっています。

 

これらの文書は、官庁が作成した文書や諸国からの報告書であり、そこには戸籍や税についての記載がみられます。そこからは奈良時代の律令制の下で、当時どのように諸国が各地域を支配していたのかや、戸籍などから当時の生活の様子を垣間見ることもできます。これらの文書は定期的に破棄しておりましたが、たまたま東大寺の写経所で再利用がされたために、奇跡的に残された結果となりました。

 

巻物のかたちで収められている文書を開きながら、作業を進めていきます。

 

 

歴博が挑む、半世紀にもわたる完全複製プロジェクト!

 

国立歴史民俗博物館は、正倉院古文書の約800巻の完全複製を目指し、1981年以来、長期事業を継続して行ってきました。2017年度現在、続々修第12帙まで撮影が進行し、全体の約半分の400巻を完成させています。

 

これまで約40年にわたり、複製製作・データ化を進め、半分ほどという状況です。このままのペースで進めることができれば、同様に30年程で完成を目指すことができますが、予算の縮小などもあり、これより半世紀にわたっての作業となる可能性もあります。

 

この半世紀にもおよぶ事業を安定的に行うことは、非常に困難です。しかし、この資料の完全複製化、そしてデータベース化を行うことによって、現在貴重な原本のみでは公開の機会が限られており、かつ非常に貴重なため動かすことなどが難しく、実現できていない研究が進むと予想されます。日本の古代の歴史だけではなく、東アジア全体の歴史を紐解く重要な資料として、活用と研究が進むと考えられます。

 

この日本の歴史にとって欠かすことのできない正倉院文書を守り、後世へと残していくことは、資料の複製化にあたり精巧に資料を判別することができる研究者を擁し、かつ継続的に事業に取り組むことができる歴博の使命だと考えています。

 

日本の歴史だけではなく、東アジア地域全体にとって貴重な資料です。

 

ー今回対象のデータ化・複製化箇所「続々修第12帙第8巻」

 

ここには、当時東大寺写経所で書写された400巻余に及ぶお経の目録が記された帳簿が収められています。皆様がご存じの般若経などがリスト化され、返却や借用などのための照合の記号が随所に書かれていています。当時の写経所における運営の様子などを感じることができます。

 

書物は1300年前のものですが、現在皆様が会社のなかで行われているのと同じように、
何度もチェックをされて、直された痕跡などが垣間見えます。
実は現代と変わらないこともあるのかもしれません。


 

データ化・複製化の作業工程

 

①原寸大のカラー写真撮影

②現像焼き付け

原本照合

刷版

⑤試し刷り

⑥試し刷りによる色校正 

⑦印刷

紙すき・仕立て・完成

 

基本的に正集から順番に撮影を行い、以来、毎年十数巻(近年では予算縮減により数巻に減少)の複製製作を継続し、今日に至っています。これまで複製化されたものは、手続きをすれば研究者の熟覧が可能であり、今後この作業が進むごとにその需要も増えていく見込みです。

 

 

実はこんなところが難しい!

 

・資料には、当時のシミなのか? 経年でついてしまった汚れなのか?と判断が難しいものがあります。これらをひとつひとつ判別し、当時の原本により近い状態の復元を目指しています。

 

・資料にはところどころに、明治の整理の際に付けられたふせんが残されています。そのふせんを残したままだと、その下に書かれていることが隠れてしまったり、繋がりがわからなくなってしまったりします。そのため、ひとつひとつめくったり、直したりしながら撮影を行っていきます。

 

各工程を積み重ねていくことで、当時により近い状態の複製が完成されます。

 

ー資金使途ー

 

現在進めている「続々修第12帙第8巻」の複製化は、近年の予算縮減により撮影までは完了していますが、複製製作の経費が大幅に不足している状況です。そのため皆様のお力をお借りしまして、「第12帙第8巻」を是非とも完成させたいと考えています。ぜひ多大なるお力添えをよろしくお願いいたします。

 

まだまだ全ての完成までは先が長いですが、いまこの取り組みを進めるということが
後世へ貴重な資料を残していくことにつながっていきます。

 

 

未来へ貴重な歴史を残すだけではなく、複製で実現できる研究で新たな発見を!

 

1300年前の奇跡的に残った正倉院文書は、遠い将来には朽ちていく運命にあります。これは避けられないことです。しかし、まだまだ古代についてこの資料から知ることができることはたくさんあるでしょう。ただ朽ちてく資料を保存していくだけではなく、複製を行うことによって、まだ見ぬ歴史と出会うことができるかもしれません。

 

これまで行われてきた整理や経年によって失われてしまった本来の姿を、この複製化の作業によって、取り戻すことができる可能性もあります。原本は、貴重ゆえに動かしたり、組み替えることが難しい状況です。複製化によって、当時の姿を取り戻すための組み換えや、つなぎ合わせも実現できます。

 

そして、多くの研究者だけではなく、一般の方々がこの複製化によって、当時の資料を見ることができたり、新たな発見を知る機会も出てくると思います。ぜひ歴史を繋ぎ、新たな研究の一歩となる今回の取り組みに、皆様のお力添えをお願いいたします。

 

皆様のお力によって、複製化が進み、後世へと資料を受け継ぐことができるようになります。

 

 

プロジェクト代表者・ 国立歴史民俗博物館 仁藤敦史

 

静岡県生まれ。1982年早稲田大学第一文学部日本史学専攻卒業。1989年同大学院文学研究科博士後期課程史学(日本史)専攻満期退学。1998年「古代王権と都城」で博士(文学)を早稲田大学で取得。現在は、国立歴史民俗博物館研究部教授として同プロジェクトへ尽力。

 

 

国立歴史民俗博物館

 

「歴博」の愛称で親しまれている国立歴史民俗博物館は、昭和58年3月に開館しました。本館は日本の歴史と文化について総合的に研究・展示する歴史民俗博物館で、千葉県佐倉市 にある佐倉城址の一角、約13万平方メートルの敷地に延べ床面積約3万5千平方メートルの壮大な規模を有する歴史の殿堂です。 原始・古代から現代に至るまでの歴史と日本人の民俗世界をテーマに、実物資料に加えて精密な複製品や学問的に裏付けられた復元模型などを積極的に取り入れ日本の歴史と文化についてだれもが容易に理解を深められるよう展示されています。

▶HP

 

 

 

寄附による税制上のメリット

 

寄附いただきました皆様へ領収書を発行いたします。

 

【法人様からのご寄附】

・全額損金算入が可能です。(2004年3月財務省告示第178号)

 

【個人様からのご寄附】

・所得税…寄附金額(総所得金額の40%を上限とする)から2,000円を差し引いた額が、当該年の課税所得から控除されます。

・個人住民税…お住まいの都道府県・市区町村が条例で人間文化研究機構を指定している場合、翌年の個人住民税額から控除されることがあります。

 

詳しくはお住まいの都道府県・市区町村にお問い合わせください。

 

 


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