シリーズ【森を愛する村への歩み】②

山の木々を無計画に乱伐するトングリ村の人々に対しての周囲の目は厳しいものでした。

自然豊かな山の木々がほぼすべて失われたころ、トングリ村の人々は「木の泥棒」と呼ばれるまでになってしまいました。生きていくために仕方がなかったとはいえ、村にとって貴重な木を伐りつくしてしまったこと。貴重な大自然を失ってしまったこと。周囲の山々がすべてはげ山化してしまった姿を目の当たりにして、ようやく村の人々も失ったものの大きさを実感しました。

貴重な自然を失い心を痛めたトングリ村の有志が動き出したのは2009年でした。彼らの呼びかけなどによりさらなる伐採はなくなり、これからは森を大切にしようと意識が変化していきます。しかし、これまで木を植えたことがない彼らに、現状を維持することはできても、苗木を植えて森を再生する技術はありませんでした。もちろん貧困に苦しむ状況下では資金的にも苗木を植えることは難しい状況でした。

村のリーダー(右)と現地調査をする地球緑化クラブ現地スタッフ

そこで、はげ山に対する緑化の実績がある地球緑化クラブに声がかかったのです。私たちがまず行ったのは現状を把握することでした。

どのような経緯ではげ山になってしまったのか？

もともとはげ山はどのような植生であったのか？

近隣で在来種の苗木を生産しているのか？

トングリ村の人々は森の再生に意欲的なのか？

など、様々な項目を実際に現地に行き調査をしたのです。

・・・③へ続く