三十七尊製作過程画像をご紹介します

今回の「空海の大日如来像」の最大の特徴のひとつが光背に金剛界37尊という文字通り37体ものポーズや持ち物が異なった仏および菩薩像が取り付けられることですが、その制作も一体ずつ丁寧に御室版と呼ばれる現在もっとも正当だと考えられる曼陀羅の図像を厳密に再現しております。その制作過程をご招待いたします。

金剛鬘菩

こちらは金剛語菩薩の持物である如来舌、つまり舌です。

 

こちらは金剛燈菩薩の持物である燈灯です。ランプですね。

 

と、このように小さな設計図をもとにパーツを木彫や金属で制作します。

 

漆を塗って乾かします。

 

 

漆を塗って乾燥させた後、本体には金箔を貼り、持物にはプラチナ箔を貼ります。

 

髪の毛には岩絵の具の天然顔料で群青色の彩色を施します。細部にも陰影を施すなど細かな彩色をしています。

 

こうして一体ずつ、丁寧に制作されています。

 

全部で37体、気の遠くなるような作業ですが、ここでご紹介できたのは全工程のほんの一部です。このそれぞれの画像の間にもさまざまな手数や試行錯誤があり、結果、採用されなったりすることもあります。この三十七尊が光背に取り付けられて、どのような姿になるのか、お楽しみにお待ちください。