日本初の本格的な都市型コミュニティ財団を、世田谷につくりたい

シリーズでご紹介している世田谷コミュニティ財団の発起人。

二人目は、柏 雅康さん（誠建物株式会社代表取締役／しもきた商店街振興組合理事長／公益信託世田谷まちづくりファンド運営委員）です。

 

 

世田谷全体の底上げにつながる力

 

私は世田谷生まれの世田谷育ちの５６歳です。祖父の代から下北沢で商売をしていて、私は世田谷区以外に住んだ事もありません。

一方で区内の学校には幼稚園以外に通ったことが無く、世田谷と言えば、祖父や父の店がある「下北沢」と実家近所の「羽根木公園（当時は根津山の方が一般的でしたが）」の記憶くらいしかありませんでした。

 

私は次男の為、親の商売を継ぐことも想定もしていませんでした。学校を卒業しサラリーマン生活を続け、結婚もしました。

商売を継ぐことを決めたのは３０歳の時でした。商売をしながら、父に代わって商店街活動を始めました。こうした活動を通じて、「世田谷」、「世田谷に住む」、「世田谷で商売をする」、「世田谷（下北沢）の街づくり」を価値を知り、意識し始めました。

　

それ以降１０年以上も続いている下北沢の連立立体工事のハードの街づくり、日々の生活を守り維持する地域活動、商店街活動、補導連絡協議会、社会を明るくする運動等々、世田谷で活動・活躍する多くの方々に会うことが出来ました。子どもの頃は考えたことがなかった「世田谷のまち」の楽しさや広がり、可能性を感じられるようになったのはこの頃からでした。

 

昨年からは「公益信託 世田谷まちづくりファンド」の運営委員を務める事になりました。その結果、今までの活動では知りえなかった世田谷区全域での区民のまちづくり活動に触れることが出来ました。そして改めて、その広がりと、区民の皆さんの真剣な取り組みに驚かされました。そんな時知ったのが、「世田谷まちづくりファンド」の信託財産の減少という厳しい現実と、一方で民間発であたらしいコミュニティ財団の立ち上げをしよう、という動きでした。

 

世田谷区は昨年、人口が９０万人を超えました。政令都市並みの人口にも関わらず、大企業は少なく、区の運営を、財政面でも実質的な意味でも支えているのは生活する区民だと思います。

区民がいきいきと輝き、お互いを支え合う活動を継続することが世田谷全体の底上げにつながる、そのために力になりたいと思い、「世田谷コミュニティ財団」設立の発起人となり、自分も寄付をすることに決めました。

 

 

商店街は地域の公共の担い手だともいわれます。都内の他の自治体や、他県の商店街の皆さんと話す中で、東京都や世田谷区の商店街はとても恵まれた環境にあるということを感じました。

実際、国、東京都、世田谷区などから様々な助成施策があります。当商店街のあるイベントは助成金を得てスタートしましたが、今では有料化して自主財源で運営できるようになりました。このように、助成金があることで、民間発の活動が広がることは往々にしてあると思います。

 

しかし、地域には商店街・町会以外にも地域活性化、子育て、福祉等で活躍する団体が数多くあります。そうした団体は、大切な活動を行っている一方で、様々な理由で活動が継続出来なくなっている例もあると聞きます。

「世田谷コミュニティ財団」では、助成金というお金による支援に加えて、様々な運営面でのサポートも行うつもりです。そうしたサポートは、区内にある多くの活動がもっともっと大きく、豊かになり、その結果、区民全体にとってかけがえのない、まちを支える活動がひろがっていくことを目指しています。私も自分の経験を生かして多くの活動を支えたいと思っています。

 

　私は、世田谷のまちを、子供の世代、孫の世代、もっと続く次の世代まで住み続けたい街、働き続けたい街、魅力ある街にしていきたいと思っています。

 

皆さまも、一緒に「まちを支える生態系」をつくりませんか。

是非、皆様からのご寄付をよろしくお願い致します。

 

　　　　　　　　　　　　　　　　　柏　雅康