
支援総額
目標金額 4,000,000円
- 支援者
- 252人
- 募集終了日
- 2023年11月30日
ニュースレターVol.04 / 4週目: 潮は湧いて、人の業も渦巻いて/ 女木島〜本島(塩飽諸島)
この度はご支援いただき、誠にありがとうございます!
原隊長の手記をこれまで公開していましたが、別途メールマガジンとして配信していたニュースレターも公開させていただきます!これまでのVol.01~03も公開予定です!
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カヤックで海を旅していると思わぬ出会いすることが多いものです。特に漁師さんにとって、この小さな小舟での航海は大変興味深く映るようで、浜辺にいるだけでよく声をかけられて話が弾むこともあります。鬼ヶ島伝説のある女木島(めぎじま)で話しかけてくれたある老漁師もそうでした。
若い頃の櫓を漕いでの漁の経験から始まり、大型漁具を使用するこませ網漁業に至るまでの変遷や、女木島周辺海域の海の変化を語ってくれました。砂地の多い女木島周辺にかつて広大な藻場があったこと、そしてその殆どが消失したこと。この2〜3年の漁の落ち込みはかつてないほどで、底魚や根魚の漁獲は壊滅的だということ。初めて出会ったにもかかわらず、気さくに言葉を交わす間柄になれる嬉しさ反面、魚がいなくなる海の惨状が、瀬戸内国際芸術祭で島を訪れる数万人の観光客に伝わっているのか、もどかしさが残りました。

女木島からは新しい隊員が1人合流して備讃瀬戸の本島(ほんじま:香川県丸亀市)へ。撮影隊が先回りして取材したのは、坂出のアナゴ延縄漁師である西原さん。毎年の横断隊で備讃瀬戸を通過するときには、いつもお世話になっている方です。西原さんの地元である瀬居(せい)はかつて、瀬居島(せいじま)という離島でしたが、番の州という広大な浅瀬を埋め立てることで四国の一部となりました。本土に繋がる瀬戸大橋の接続口となった瀬居の運命は、高度成長期の瀬戸内開発の象徴と言えるでしょう。
海を進む際は海のものを口にするのが1番良い、と隊士には伝えてきました。西原さんのアナゴの差し入れは本当に貴重で、焚き火で焼いていただいた思い出が強く心に残っています。撮影班は西原さんの延縄漁に同行するも、ほとんど獲れなくなったという西原さんの言葉のとおり、アナゴの姿を捉えることはありませんでした。
塩飽諸島、特に本島は豊臣秀吉以降、幕府に協力した恩恵を受けて人名制(にんみょうせい)という独特な自治権を有した地域でもあります。
源平合戦において平氏方に与した塩飽水軍は、壇ノ浦の戦いで平氏が滅亡したのちに討伐対象となり一度は解体されます。中世になって、源氏方の水軍として再編成され、1508年には能島村上水軍当主である村上雅房が塩飽島の代官に任じられ、以後の塩飽水軍は能島村上氏に従うことに。塩飽水軍は木津川の戦い等で信長・秀吉方についたことで、瀬戸内海からの海賊衆追放を免れ、秀吉から保護を受ける存在になりました。 ※ 事務局補足
明治以降その特権階級制度は廃止されましたが、島民によるその意識は根深く小坂騒動という事件にまで発展します。人名制の象徴ともいえる勤番所や笠島地区の素晴らしい町並み保存地区を歩き小坂地区まで歩き、たまたま出会った人が本島漁協の組合長さんでした。本島での漁協の話や、小坂騒動の史実の裏側までのお話を聞くことができました。
様々な歴史の側面を実際に聞くことで、かつての瀬戸内海の海民の気質や視点が浮かび上がってくるような思いがしました。点在する島の間を流れる複雑な潮流を「潮が湧く」ように見える塩飽諸島には、人の業も渦巻いた歴史がありました。

組合長の紹介で若い漁師さんとの出会いもありました。「本島さかな部」という漁師の枠を超えた団体を立ち上げ、島を挙げてのイベントや食育の活動を積極的に行っておられるようです。かつての漁獲量は望めない中、消費者の口に届くまでのルートを自分たちの手で作る試みをされています。
印象的だったのが「海を休ませる」と言う言葉でした。海を休ませて魚が増えてくるのを待ちながら、その間は栽培漁業で補う。そこで始めたのが瀬戸内海では初めてらしいサバの養殖。日本の漁業には漁獲制限はありません。泳いでいる魚は全て獲るというのが漁師さんの習性とも言えますが、そこから脱却して海を休ませて育てるという本島の漁師さんの挑戦には、感銘を受けました。
かつては世界一の漁場であった瀬戸内海の真ん中の備讃瀬戸海域は、かつてない不漁にさらされています。その中でも諦めることなく海と共に生きる選択をし、社会を俯瞰しながら柔軟に漁業に取り組む姿はいずれ瀬戸内海のスタンダードになるのだろうと予感ができるものでした。
本島から広島、手島、小手島、真鍋島、志々島、粟島と塩飽諸島を漕ぎつないできました。それぞれの島にそれぞれの歴史があり、しなやかに生きる島民の方と出会うことができました。たしかに過疎高齢化が進んで島の存続が危ぶまれる事実もあります。その中でも島民自らが様々なアイデアを出し自らが実践されています。そんな島には移住者も少しづつ増えて新しい風が吹いています。
成功するとかしないではなく、自らが考え動き、なにかを始めようとする一人一人の気概は宝石のように輝いて見えました。そんな人達が住む島は本当に良い空気が流れているものです。また訪れたくなる、そんな島が多かったです。
海旅がはじまって1ヶ月が経過しました。もはや今日が何曜日かはなにも意味はなく、気になるのは潮回りと風のことだけです。荘内半島を経て、その後は笠岡諸島に入ります。
リターン
5,000円+システム利用料

クルーメンバーコース
●お礼のメール
●瀬戸内カヤック横断隊クルーメルマガの配信(希望制)
2023年末まで行われる瀬戸内カヤック横断隊の旅のメルマガを配信します。週一回の配信でリアルな海旅の様子をお届けします。
●瀬戸内の残したい風景ポストカードセット
●プロジェクトクルーカード
今回のプロジェクトにご賛同いただいた証として、クルーカードを作成してお渡しします。
- 申込数
- 21
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年3月
10,000円+システム利用料

書籍コース
●書籍(2025年発行予定)
※瀬戸内の過去と未来を形にし、皆様のもとへお届けします。
●書籍にお名前掲載(希望制)
●お礼のメール
●瀬戸内カヤック横断隊クルーメルマガの配信(希望制)
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●公式HPにお名前を掲載(希望制)
●瀬戸内の残したい風景ポストカードセット
●プロジェクトクルーカード
今回のプロジェクトにご賛同いただいた証として、クルーカードを作成してお渡しします。
- 申込数
- 94
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2025年12月
5,000円+システム利用料

クルーメンバーコース
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- 申込数
- 21
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年3月
10,000円+システム利用料

書籍コース
●書籍(2025年発行予定)
※瀬戸内の過去と未来を形にし、皆様のもとへお届けします。
●書籍にお名前掲載(希望制)
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2023年末まで行われる瀬戸内カヤック横断隊の旅のメルマガを配信します。週一回の配信でリアルな海旅の様子をお届けします。
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●瀬戸内の残したい風景ポストカードセット
●プロジェクトクルーカード
今回のプロジェクトにご賛同いただいた証として、クルーカードを作成してお渡しします。
- 申込数
- 94
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2025年12月

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