子どももここまで考えている。里親さまからのお手紙より

ご縁がまとまり、散歩練習をしながら受け入れ準備を進める里親さまご家族は、その後ボランティアが犬を連れてお宅を訪問しながらの飼育環境の確認を経て、1ヶ月程度のトライアル期間に入られます。

以前から犬が家族にいた家庭も、初めて犬を迎える家庭も、緊張しながらわくわくしたお気持ちだと思います。注意点をお伝えしたら、ご挨拶もさりげなくボランティアは静かに帰ることにしています。犬達が混乱することをできるだけ避けたいからです。

散歩練習で犬との絆を深められたご家族はここから、毎日犬と向き合いながら新しい暮らしのペースを模索していきます。今回は、先日無事に正式譲渡を迎えたご家族のお子さまが書かれた作文をご紹介します。送ってくださって読ませていただき、ここまで深く考えを巡らせていただいていることに、感謝の気持ちでいっぱいになりました。翔平が家庭の犬にしていただけた喜びと、こんなご家族だから幸せになれたんだな、という思いを読まれた方にも持っていただけることと思います。

こんにちワン🐾
　私がなぜ「保護犬」の里親になりたかったかというと、動物も人間も同じように生きれる世の中になって欲しいと思ったからです。

今人は誰もの意思が尊重され、自由に生きれるようになっています。それは人間が動物とは違い、自分の意見を言葉にし、『こうするべきだ』と伝えることが出来るからだと思います。

けれど犬などの動物は、人間とは違うからというだけで物のように扱われ、自分らしく生きることが出来ない子もいます。人間が原因でたくさんのワンちゃんが命を落とすのはあまりにひどい、そんなワンちゃん達を救いたい、私達のように愛情を受けて楽しく暮らして欲しい、という思いで飼うことにしました。

　翔平くんが家に来てから、生活はとても変わりました。ご飯をあげたり、散歩に行ったり、トイレをきれいにしたりと、とても充実した毎日を送っています。「飼いたい」という思いだけじゃ飼えないというのがよくわかりました。犬はものではなく一つの命だということを忘れずにお世話をしています。そう思ってやっていても、疲れてしまい、お世話が大変に感じてしまう時もあります。だけれど、翔平くんのかわいい仕草や寝ている姿などが癒しになり、頑張ろうと思えます。

　これからも翔平くんとたくさん触れ合って、「翔平くんらしさ」をたくさん見せてくれたらいいな、と思いました。