保護活動のどこにお金がかかるのか　医療費、備品消耗品費、交通通信費など

　湘南ワンレーベンの保護犬達は、身体の事情でオペができない犬（子犬や老犬など）以外は避妊去勢手術をしてから譲渡をしています。子犬でいずれできると思われる場合は、時期がきたら必ずオペをしてもらい、その報告を受けています。会の活動に協力してくださる医療機関のみなさまには、いつも心強く励ましていただいています。持病の服薬や奇形の治療、予防薬の処方や注射の対応もしていただき、時には出張で往診して一度にたくさん見ていただくこともあります。

　当然、ここでかかる費用を節約できる余地はなく、新規の受け入れをするたびに健康診断の検査も含めて発生する支出です。

 

　また、現代は室内飼養が基本になっていますので、排泄もトイレでできるように練習をさせています。なにしろ頭数が多いので、スーパーワイドサイズのペットシートを3枚並べた程度のトイレコーナーを3カ所、ケージ内のレギュラーサイズのもの、四畳半程度の和室の床一面など、さまざまなタイプのトイレを用意し、汚れるたびに清掃しています。これまで使用経験が少ない環境で育ってきた犬達ですが、他の犬の様子を見ながら覚えていきます。このゴミを捨てる指定袋も、購入する必要があります。散歩など出先の排泄処理でも、紙類や袋類は使っています。

　敷物などの洗濯用洗剤や消毒掃除のクリーナーなどが、他に衛生消耗品ではかかっています。

 

　また、頻回の譲渡会への移動や駐車場、高速道路代やガソリン代、車両の点検修理、飛行機運賃や借りたケージやクレートの返送料、里親さまご自宅への往復、万が一の脱走時にスタッフが駆けつけての捜索費用、グッズ販売やお手紙の送料、金融機関の送金手数料なども多く、減らしにくい出金です。（値上がりへの対応も避けられず）

 

　レーベンハウスのシェルターは物件を借りていないので、家賃は発生していませんが、光熱費水道代はかかっています。また、付帯する駐車場だけでは里親さまの訪問などに対応できないので、近隣に駐車場を借りていますが、それは使用料金を金額を割る形で決めているので、使う方が払ってくださっています。

　他、収納が足りないのでコンテナ倉庫を契約して借りています。

 

　この、ご飯待ち行列の可愛い様子、よく見れば両側の壁に応急処置のプラスチックダンボールを取り付けていることがわかります。床を掘るならわかるけど、壁？と思われるでしょうが、犬はかじったり引っ掻いたりする遊びが大好きです。

 

寄せたカーテンの陰に、今日も見つけてしまいました。下地は防水性がないので、すぐ対応する必要があります。

 

　壁材だけでなく、木材部分にも。

代表宅の家具や建具は、破損して随分処分しました。ボランティアが座る椅子の脚が突然折れたのは、決して荷重のためではなく、コツコツかじってヒビだらけにしておいた職人犬の活躍によるものです。

 

　清掃を心がけても、床に染み込むことが避けられなかった部屋は、張り替えをしたりもしています。ここまでしっかり対応するには、その部屋の犬を数日ボランティアの家庭に預かるなど調整が難しく、相当チャンスに恵まれた時にしかできません。

 

　あぁ床が、柱が、扉が。トゲなどの怪我をしない程度の補修はその都度対応しています。コードをかじられて壊れた物も数知れず。漏電や事故などは絶対に避けなければなりません。聞き慣れない工事の音に驚き、強いストレスを感じる犬も多いです。

　おもちゃで気を紛らわせてもらおうにも、取り合いから大きな喧嘩に発展しやすいので、シェルターでは不向きです。たまにおとなしい部屋で与えても、あっという間に千切れて飲み込んでしまいかねないため回収することや、綿が出てバラバラに散らかることになりがちです。

 

　こうして見ていくと、一般家庭での犬との暮らしや、住宅と兼用しないシェルターの場合とは異なる、このやり方ならではの対応の難しさや必要な費用のかかり方があるように思います。でも、24時間家庭的な場所で見守られながら暮らすことで人馴れが進んだり、個別にケージに入れる時間が少ないからこそ好きな場所を見つけてマイペースに過ごせたり、安全に自然に犬社会のルールを学んだりしているんだな、とまたレーベンの良さを感じられたりもします。

 

　ネクストゴールの設定が具体的に一つにまとまらず、焦点がぼやけて感じられる方もおられるかもしれません。くどい説明になり恐縮ですが、こんなクラファンの取り組みがなければ日々の忙しさに流されて私達も振り返ることが難しい部分もあるため、書き連ねてみました。

 

残り少ない期間の最後まで、みなさまのご支援に感謝しながら、全力で駆け抜けたいと思います。応援よろしくお願いします。