みなさんこんにちは。

再び、吉村教授率いる「太陽の船復原プロジェクト」のメンバーで、現地エジプトで現場主任を務めている黒河内 宏昌です。

 

今日はみなさまに、第二の太陽の船の保存修復現場の様子や現場での作業の流れなどをお伝えしたいと思います。

 

まず、私たちの現場はカイロ市郊外にあるギザ遺跡にあります。

ギザ遺跡は古代エジプトで最も有名な遺跡の一つで、クフ王(在位紀元前2550年ころ)ピラミッドをはじめとする三大ピラミッドやスフィンクスで有名です。

 

そしてこれが、私たちの現場です。左がクフ王のピラミッド、中央のかまぼこ型の建物の中に、紀元前2600年にさかのぼる木造船が解体されて眠っているピットがあります。

 

【現場の全景】

 

 

ピットの大きさは長さ約30メートル、幅約2.5メートルで、深さは約3.5メートルと推測されます。

 

この中におよそ1200点の部材が眠っていると考えられますが、長い歴史の中でピットに水が浸水し、それらはひどく傷んでしまいました。ですので、部材を取り上げるときはこのようにトレーに乗せ、鉄骨からトレーをつりさげ(赤い紐がそれです)、一点ずつ壊れないように丁寧に取り上げなければなりません。

 

 

【船の部材をピットから取り上げるシーン】

 

取り上げた部材は、壊れたところはできる限り修理し、これ以上壊れないように強化します。

部材を注意深く観察しながら、注射器やピンセットなどを用いて、細かい作業をこなしていきます。

有機溶剤を使うので、マスクも欠かすことができません。若い修復士たちが根気強くこうした作業を続けています。

 

【部材を保存処理する修復士たち】

 

 

修復士たちが修理を終えた部材を、測量班が測量します。伝統的な人間の「目」と「手」を使ったマニュアル測量の一方で、レーザースキャナーを使った三次元測量も計画しています。

 

部材を組み立てるとどのような船がよみがえるか、マニュアル測量により図面や模型で大まかによみがえらせ、三次元測量をもとにコンピュータを使って詳細な寸法形状を復原します。

 

【部材の測量(マニュアル測量)の風景】

 

 

太陽の船はどのような形だったのでしょうか。

 

【古代エジプトの墓の壁画に描かれた船の一例】

 

 

 

復原された太陽の船は、ギザ遺跡の近くに現在建設中の「大エジプト博物館」に展示される予定です。

皆さんとともに完成を見届ける日が一日でも早く来ることを目指して頑張ります。

 

引き続きの応援、どうぞよろしくお願いいたします。