↑ スコヴロネック(1963年)作

フレミッシュニ段鍵盤チェンバロ/ドゥルケンモデル(1745年)

 

https://readyfor.jp/projects/space1f
『名工が製作したチェンバロ達を、エアコンを買換え、守りたい!』
のプロジェクト、期限まで残り22日となり、只今33%達成=あと334000円必要…いよいよおしりに火が付いてきました! ご支援下さいました22名の皆様には、心より御礼申し上げます。目標を達成して、ご支援いただいた皆様へお返しができるように、チェンバロ達を守れるように、ぐんぐんラストスパートをかけて参ります!

 

さて、Space1Fにあるチェンバロ達についてのエピソード その2 です。


 引換アイテムのCD『深層の陰と陽』でお聴きいただけるチェンバロ音色は、M.スコヴロネック(1963年)作 フレミッシュニ段鍵盤チェンバロ/ドゥルケンモデル(1745年)。
 この楽器はワシントンのスミソニアン博物館所蔵のドゥルケン1745年作(アントワープ)のオリジナルチェンバロに基づき、歴史的な楽器製作が起こった最初期といえる時期に作られた一台。製作者はドイツの マルティン・スコヴロネック(Martin Skowroneck 1926年~2014年5月)、1950年代からベルリンの楽器博物館の所蔵楽器を調べ設計原理を研究、歴史的な構造のチェンバロ製作を行なったパイオニア(先駆者)です。オランダのチェンバロ奏者 G.レオンハルト(Gustav Leonhardt 1928年~2012年1月)の為にスコヴロネックが1962年に完成したドゥルケンは愛器となり、数々のLPの録音にも使われ、深く美しい音色で名器として知られました。
 この名器を生んだスコヴロネックは、90年代70歳を迎えても製作を続けていましたが、これまで受けた注文をこなすだけで精一杯、新たな注文は不可能で、既に所有しているチェンバロ奏者は誰も手放したがらない、というほどの名匠として知られています。

 

 現在Space1Fにある楽器は1963年完成で、レオンハルトの楽器と同時に製作し始めた同モデル3台のうちの1台とのこと。これを注文・所有していたのは、レオンハルトの高弟であるチェンバロ奏者のアラン・カーティスでした。
 当会創設者の 故 鍋島元子(1999年没、享年63 http://www.origoetp.gr.jp/about/motoko-nabeshima-profile/)が、兄弟子であり親交のあったヴェネツィア在住のA.カーティスから「私のドゥルケンを買いますか」という連絡を受取ったのは、1995年のこと。彼はこのチェンバロをアメリカ帰国の際の活動用にバークレーの音楽学者に預けてあり、本拠地をヨーロッパに移すにあたり手放すことを考えたのです。鍋島とのやり取りには「古いけれども、きっと貴女(鍋島)が大切にし、生かしてくれる」との信頼があったといいます。また、預かり主の音楽学者の送り状には「人々に愉しみを供し、やがて真のアンティークとなるでしょう」と書かれ

ていたそうです。
 当プロジェクトの引換えアイテムの中のCD『深層の陰と陽』のライナーノートには、この楽器を購入するまでの詳しい経緯が書かれていますので、是非お読みいただければと思います。

 

「国内外チェンバロ奏者の演奏会やレコーディングにも使われています。」とプロジェクトの本文で書きましたが、いくつかご紹介しましょう。
 レオンハルトによるJ.S.バッハ/3台のチェンバロの為の協奏曲の録音で使われています。同じLPに収録されたレオンハルトの演奏の中にも、この楽器での演奏があるとのこと。
 また、レオンハルトはアメリカでの録音や演奏会でこの楽器を用いたこともあり、来日時に鍋島宅を訪問した際、懐かしく弾いたそうです。
 最も新しい録音は、チェンバロ奏者 渡辺順生氏のCDで、2011年10月に録音されました(ALCD-1132/ALM)。そのライナーノートにも、この楽器について詳しい言及があります。

 

 鍋島はこの楽器を入手してわずか数年後に亡くなりましたが、引き継いだ私達は、古楽復興の歴史とも言えるこの楽器=スコヴロネック作のドゥルケンを、チェンバロ奏者の皆さんに使っていただけるよう、その音色をたくさんのお客様に愉しんでいただけるように、と考え、Space1Fに置いて活かすことにしました。
 昨日今日は最大級の台風に見舞われましたし、またもうひとつ近づいてきます。湿気の塊のような台風からSpace1Fにある楽器たちを守るには、どうしてもエアコンでの除湿が必要です。古くなりいつ止まってもおかしくないとメーカー技術者に宣告されてしまったSpace1Fのエアコン。
 是非、当プロジェクトを成功させ、エアコンを1台だけでも買い替え、チェンバロたちを守りたいのです!!!

 

 次回は、G. カルマン(1996年)作 フレミッシュニ段鍵盤チェンバロ/コルマール・ルッカースモデル(1624年)について。

 

 チェンバロについてご興味ありそうな方に、是非ともFacebookをはじめとするSNS.やブログで、楽器についても含め、当プロジェクトのことを広めていただければ幸いです.。皆様の温かいお力添えで<Space1F>のチェンバロたちを守れます!

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