こんにちは。フィリピンの建築設計事務所Jorge Yulo Architects & Associates代表のジョージ・ユロです。私の事務所は今回プロボノでコミュニティキッチンの設計・建築監理をサポートしています。

 

コミュニティの子どもたちの暮らしに影響を与えるプロジェクトに関わることは、ただ単にデザインを探求することから建築加が得られる知的満足や個人的な高揚感をはるかに超えた、精神的な充足をもたらすものです。

 

貧富の格差があまりに大きく、社会階級別人口のバランスが不健全な国における、今回のコミュニティキッチンプロジェクトのような試みの意義は、単なる建築的ランドマークを作るのではなく、生まれ、育ち、コミュニティを育むという一連の流れを作り出すことにあります。

 

私たちのコミュニティキッチンプロジェクトでは、整備する建物のコミュニティによる使い方が今後変化し、進化していくことを前提に考えていることが特長です。コミュニティキッチンの主な用途はキッチンと図書館ですが、託児所、配送センター、人々が集まるコミュニティイベントなど様々な用途に利用される可能性を持っています。コミュニティキッチンの建物は、ものとしては不完全な有機的な空間であり、使われることによって初めて完成していくのです。

 

建物に柔軟性・可変性を持たせることは、コミュニティが活動に合わせて場所を変えていくことを可能にし、その活動を発展させ、ひいては周辺の住環境を変えていく可能性を持つのです。コミュニティキッチンは、サンゴ礁やジャングルが、海洋生物や陸生生物にとって健康的な生息環境を提供するように、セントマーサエステートに健康的な住環境を作り、有機的な社会生態系を形成するための胚芽、種子、触媒なのです。

 

このプロジェクトの担当建築家ジュン・タカッドと私は、プロジェクトをなんとか実現しようと、徐佳凝さんを始めとする東京大学隈研吾研究室と、デイブ・ボックマンさん、キム・セリーゴさんらカマルフリーダが力を合わせた努力する姿に感銘を受けています。

 

コミュニティキッチンの建物はその建物が存在する期間を超えてコミュニティに生き続けるものになるでしょう。我々は皆、このプロジェクトに参加できることを誇りに思っています。

 

 

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