2018年度の活動のご報告です!

セントマーサエステートのプロジェクトに一昨年よりご支援をいただいている皆様には、コミュニティキッチン建設予定地の土地権利証取得に伴うトラブルで、キッチン建設にいまだ着手できておらず、プロジェクトの遅延をお伝えしなくてならないこと誠に申し訳なく思っております。キッチン建設プロジェクトの今後の方針がようやくまとまりつつあり、詳細な状況および今後の方針に関して追ってメッセージの方でご報告をいたしますので、そちらをご一読ください。

 

キッチン整備に関しては当初予定よりも大幅に遅れてしまっていますが、幸いにもこの2年間、追い出されることなく仮キッチンを利用することができ、カマルフリーダは仮キッチンを拠点として、セントマーサエステートのお母さんたちの貯蓄クラブ編成、野菜スナック製造販売ビジネス、協同組合の立ち上げなどの支援を行ってきました。(こちらは2018年度アジア生協協力基金の助成を受けて行った活動です)

皆様のご支援にこたえたいと思う、地元のお母さんたちの頑張りもあって活動は順調に進んでいます。そこでこちらでは、カマルフリーダとお母さんたちの2018年の活動についてご報告します。

 

まず、活動の概要を時系列で紹介します。

  • 2018年4月:お母さんたちへの研修プログラム(多目的共同組合の枠組み、仕組み、会計初歩、マイクロビジネス立ち上げノウハウなどを指導)を決定。

  • 2018年5月:お母さんたちへの研修を実施。参加したお母さんたちは貯蓄クラブ(小規模の貯蓄を中心とした自助グループ)を編成。貯蓄クラブの小口預金先を遠方にある提携組合のVFMPCから近隣にあるセントマーチンスに移行。

お母さんたちへの研修の様子
  • 2018年6月:お母さんたちの貯蓄クラブが2班となる。ヘルシーキッチン貯蓄クラブ(野菜スナック製造販売事業行うお母さんたちによる貯蓄クラブ)が近隣小学校で野菜スナックの販売をはじめる。

  • 2018年7月:ヘルシーキッチン貯蓄クラブのお母さんたちは野菜スナックの開発をさらに進める。好評につき増産開始。

野菜スナック製造販売事業に取り組むヘルシーキッチン貯蓄クラブのメンバーたち
家族で野菜スナックを作る様子
  • 2018年8月:カマルフリーダの読書プログラムに参加する児童の父兄が新たに貯蓄クラブを編成。カマルフリーダが支援する貯蓄クラブが合計4班となる。リサイクル素材を利用したビジネスプランの研究と希望者への研修を実施。

  • 2018年9月:セントマーチンスのスタッフが直接セントマーサに毎週預金を集金にくるシステムが確立、貯蓄クラブへの参加者が増える。

  • 2018年10月:ヘルシーキッチン貯蓄クラブのメンバーが、ヘルシ―キッチン協会として正式に組織化する。内規を制定し、代表理事を決める。

  • 2018年11月:ヘルシーキッチン協会が自治体の公募助成プログラムにプロジェクト申請して採択された資金14万円が着金。うち1割は原材料費としてヘルシ―キッチン協会内で分配し、残りは器具購入費としてとりあえず預金。

  • 2018年12月:ヘルシ―キッチン協会がクリスマス用商品を開発、マニラを射程にいれ販売に成功し、売り上げを伸ばす。カマルフリーダと提携する組合のひとつであるUCCから指導員を招聘し、組合の役割と財政管理についての研修を実施。

  • 2019年1月:新たに2つの貯蓄クラブが発足。敷物づくりを生業とする60名が組合を作りたいと表明し、勉強会を始める。UCCによる財政管理の価値と運営方法についての研修を実施。

  • 2019年2月UCCによる組合の結成の仕方と登録の仕方についての研修を実施。

  • 2019年3月:新たな貯蓄クラブが敷物づくりを生業とする60名によって発足。8つ目の貯蓄クラブが隣町ノースヴィルファイブに結成される。

 

以上のカマルフリーダによる取り組みの流れをまとめると、大きく三段階に分けられます。

 

まず第1段階として、同じビジネスやプログラムに参加する人々が貯金を目的とした貯蓄クラブを結成し、生活の安定化やマイクロビジネス立ち上げのための貯金をできるようサポートします。現在約150名がカマルフリーダの支援する貯蓄クラブに参加し、貯蓄クラブのメンバーは順調に毎週20-100ペソを預金しています。

 

次に、第二段階として、マイクロビジネスの同業者による貯蓄クラブが、貯金だけでなくビジネスを目的とした組織として活動できるよう、協会立ち上げ、規約の制定、協会運営等を支援しています。現在、ヘルシーキッチン協会には20名程度が参加し、野菜スナック製造販売事業自体は家族単位や2-3人の気の合う主婦仲間で運営されていますが、協会として大人数が集まることで、野菜スナックの原材料(小麦粉など)を大量に卸値で購入でき、事業の収益性が上がるというメリットがあります。また、ヘルシーキッチン協会参加メンバーの商品は「ヘルシーキッチンオブセントマーサ」の統一ブランドで市場を開拓しており、統一ブランドでのブランドイメージの確立・認知度向上による収益アップを狙っています。これまでに、ヘルシーキッチン協会メンバーは一人あたり月収8000ペソ、1万6000円程度の副収入獲得に成功し、現在も収入は増加中です。

 

第三段階として、これらの協会が協同組合として正式に組合登録することを支援しています。現在、ヘルシーキッチン協会、敷物づくりを生業とする人々による貯蓄クラブメンバーと、もう1つの貯蓄クラブメンバーが協同組合化に意欲を示しており、これらのグループのリーダーや他の貯蓄クラブリーダーに、リーダーシップトレイニングや簡単な帳簿つけ、家計管理や組合の意義について研修を行っています。

 

これらの活動と並行し、子供向けの読書プログラムも継続して行っています。セントマーサエステートには子供向けの図書館はなく、放課後勉強を見てくれる施設もありませんでした。他方こどもたちは本が好きで放課後の活動を好んでいたので、東京アメリカンスクール有志の支援を得て、世話役と本をそろえ、夕方の児童プログラムをはじめたのが2017年です。参加費用は無料ですが、2018年からは参加する児童の親は貯蓄クラブに加わり、毎週すくなくとも20ペソを預金することが義務付けました。貯蓄クラブとして父兄が集まることで、彼らの教育熱も高まり、今後も読書プログラムの継続が熱望されています。

 

このような中、先日、ついに現在の仮キッチンを6ヶ月以内に引き渡すようにという通達を受けました。ヘルシーキッチン協会、貯蓄クラブ、読書プログラムの活動拠点を失わないよう、皆様からご支援を受けたコミュニティキッチンの整備を必ず実現すべく交渉を続けております。

また今後もメッセージやこちらの新着情報で状況をお知らせしますので、カマルフリーダと現地のお母さんたちの活動を見守っていただけると幸いです。

 

カマルフリーダ

西村祐子

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