
支援総額
目標金額 1,750,000円
- 支援者
- 188人
- 募集終了日
- 2019年11月29日
民話から広がること
モン族に語られている民話を録音して記録する活動にも、長い間関わっています。
民話は、お話の筋自体はそんなに複雑ではないですが、実は理解するのは、結構、難しいものです。民族のこと、文化背景、死生感、生きてきた環境・・・いろいろなことを知らないと、正しくは理解できません。私もモンの民話を訳す作業をしていますが、初めは「なんでこんな訳のわからない話なんだろう」と思うことばかりでした。少しだけ理解できるようになった気がしたのは、「たろうの図書館」を作るために2年間、モンの村に住みこんでからでした。村でモンの家族と一緒に時間を長く過ごしたことで、民話を語る人の気持ちや空気感が、少しだけわかるようになった気がしました。
ずっと前にモンのお爺さんが話してくれた「ロン爺さん」という話があります。いかにも楽しげな語りが録音してあります。その頃、その村には電気もなく、崖っぷちに家がポツンポツンとたっていたその場所には、いつモンの妖怪が現れてもおかしくない気がしました。
さて、その録音された話を元に、「たろうの図書館」のスタッフが、刺繍で絵を作り、本に作ろうという作業が進んでいます。

みなしごがサルの助けを借りて、殿様の娘を嫁にもらったけれど、空の国(死者の国)の王子がみなしごの妻に一目惚れ、どうしてもみなしごの妻を娶りたいと、空の国から刺客が送られてきます。妻を殺せば、死者の国へ連れて行けるからです。刺客とはヘビ、フクロウ。・・・サルの知恵で助かった妻ですが、とうとう最後に送られてきた「リーニュー」の鳴き声で、魂が呼ばれ、妻はあの世に行ってしまいます。最後にサルの機転で、「リーニュー」は捕まり舌を切られて、それからは人の魂を呼べなくなった・・・という話です。


面白おかしく聞いていましたが、つい最近になって、
「リーニューって何? どんな動物? それとも妖怪?」
ということが、にわかに気になり始めました。
刺繍の下絵を描いた図書館のスタッフの女性に聞いてみると
「見たことない」
と言います。「じゃあどうして描けたの?」と聞くと、「本を見たのよ」と。
ラオスで出版されている絵本「みなしごと象牙姫」というラオスの民話の後半部分が、この話とそっくりで、やはりそのリーニューの鳴き声で魂が呼ばれてしまうのです。本を読むと、ラオス語では「バンルア」と言います。
モンの民話にもラオスの民話にも登場するということは、昔は、ラオスに当たり前に住んでいた動物だろう・・・と、いろんな人に聞いてみても、その姿を見たという人はほとんどいません。
モンのお婆ちゃんは、
「わたしゃ、リーニューの声を聞いたことがあるよ。ンゴーーーウウウって大きな声でね、その鳴き声が聞こえたら、怖くてたまらない」
と話してくれました。やはり、ラオス人の夫の母に聞くと
「バンルアがなくと、必ず何かが起こったよ。どんな鳴き声かは覚えてないけど・・・背筋がゾゾゾってするような・・・魂を呼ぶって言われていてね、必ず人が死んだりするのよ。その鳴き声が魂を呼ぶっていう話は本当よ」
と言いました。民族を超えて、その鳴き声は恐れられているのです。でも、詳しいことはわかりません。
あれこれ調べてみると、日本の図鑑にも出ている「ヒヨケザル」という動物でした。(小学館の図鑑NEO 動物 より)

ヒヨケザルはサルではなく、ムササビのように皮膜を広げると、木から木へと滑空するのです。お母さんは赤ちゃんを乗せて滑空し、最高記録は100メートルも飛べるというのです。妖怪のような顔かと思ったら、目はクリクリとかわいくて、体もせいぜい1kgくらい。夜行性で、昼間は動かない。
こんな可愛らしい動物が、どうして魂を呼ぶ、恐ろしい存在になっているのでしょう? 一体、どんな声で鳴くのだろう?
今も尋ねたり、ネットで調べたりしていますが、よくまだわかりません。ラオスでは、もう、よほど深い森に行かない限りは、いなくなってしまったのかもしれません。
でも、こんなにお話に登場しているということは、昔は、たくさんいたのでしょう。そして、夜にしか姿を現さない小さな動物が、まるで空飛ぶ絨毯のように滑空し、たまに高い木のうえから、空気を割るように魂を呼ぶように鳴くとしたら・・・・その昔、夜は静寂と暗闇に覆われた中、空から響いてくるその声に、人々は、森の霊だと震え上がったに違いありません。
こんなことを民話から想像していくと・・・ラオスの少し前までは豊かで深く広がっていた森・・・森で暮らしていた動物たち・・・その動物たちと背中合わせのように暮らしていた人々・・・の姿が浮かんできます。でも、今は、人間の開発でどんどん森も自然も壊され、住処を失っている動物たち・・・・変わり失われいく伝統の生活・・・
いろんなことに思いを馳せられます。
ラオスの子供達に、自分たちの、ラオスの民話に親しんでほしい・・・と思います。民話には、その人たちが暮らしてきた生活や思いが刻み込まれています。お話を通して、あれこれ思いを馳せることで、いろいろな興味が広がっていくのは楽しいものです。
リターン
3,000円

【モン族伝統の刺しゅうギフト】ハートストラップコース
・サンクスレター
・活動報告書(PDFでお届け。1年間計4回を予定しています。)
・モン族の刺しゅうのハートストラップ
ラオスのシヴィライ村で暮らすモン族の人びとに代々伝わるユニークな刺しゅうをふんだんに使った贅沢な品々。どれもちくちく縫い上げたハンドメイドのオリジナル品。一点ごとに色も柄も違います。
- 申込数
- 66
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2020年10月
10,000円

【モン族伝統の刺しゅうギフト】財布とジュエリーケースのセット
・サンクスレター
・活動報告書(PDFでお届け。1年間計4回を予定しています。)
・人形劇の様子を動画でお届け
・ラオスへの招待状(現地にお越しの際、安井が現地をご案内いたします。)
・モンの刺しゅうの財布とジュエリーケースのセット
ラオスのシヴィライ村で暮らすモン族の人びとに代々伝わるユニークな刺しゅうをふんだんに使った贅沢な品々。どれもちくちく縫い上げたハンドメイドのオリジナル品。一点ごとに色も柄も違います。
- 申込数
- 44
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2020年10月
3,000円

【モン族伝統の刺しゅうギフト】ハートストラップコース
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- 申込数
- 66
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2020年10月
10,000円

【モン族伝統の刺しゅうギフト】財布とジュエリーケースのセット
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・活動報告書(PDFでお届け。1年間計4回を予定しています。)
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ラオスのシヴィライ村で暮らすモン族の人びとに代々伝わるユニークな刺しゅうをふんだんに使った贅沢な品々。どれもちくちく縫い上げたハンドメイドのオリジナル品。一点ごとに色も柄も違います。
- 申込数
- 44
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
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