「台詞はうんこだ!」ユニークな演技論を展開する田窪一世の舞台
「台詞はうんこだ!」ユニークな演技論を展開する田窪一世の舞台

支援総額

530,000

目標金額 500,000円

支援者
38人
募集終了日
2017年2月2日

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2017年01月05日 12:57

オフィーリア

 

もともとシェイクスピアが大好きで舞台俳優を目指しました。高校3年生のときの文化祭で「ハムレット」を演じました。教室を一部屋借りて暗幕を張り巡らし、企画、演出、主演をこなしました。何故か当時から小劇場志向だったんですね。体育館でやってた演劇部の舞台より好評で、新聞部が取材に来たりして、まあ、得意満面で「生か死かそれが問題だ!」なんてやってましたね。お恥ずかしい限りです。

 

「ハムレット」の中に、オフィーリアというヒロインが登場してきます。この人物、よくわからないキャラクターなんです。デンマーク王子であるハムレットの恋人で、ハムレットと敵対する叔父王に仕える大臣の娘なんですが、父親にハムレット様と付き合っちゃならんと言われて、おとなしく「はい、お父様」って承知してしまうし、その父親をハムレットに殺されると、今度は気が狂って川に落ちて死んでしまうという、まあ、可憐で儚い役なんですが、もちろん、彼女の中では、葛藤があったり苦悩があったりはするんでしょうけど、なにも、気が狂って死ぬほどのことではないんじゃないかなあ、と、ずっと思ってました。

 

で、30年間、ずっとこだわっていて、あるときフッと思ったんです。もしかして、彼女のお腹の中に、ハムレットの赤ん坊が宿ってたとしたら?父親に反対され、恋人には冷たく罵られ、うろたえ悩んでいる最中にも、お腹の中の赤ん坊は毎日育っていくわけです。そのことを誰にも相談出来ずに苦しんでいる最中に、父親が恋人に殺されてしまう。これならば納得がいきます。オフィーリアの気持ちが初めてわかったように思いました。でも、もう僕には演じられません。いや「もう」じゃなくて元々演じられません。残念ですが。

 

実は僕がオフィーリアにこだわったきっかけは太地喜和子さんでした。文学座の女優さんで、映画やテレビでも活躍されました。杉村春子さんの後継者と目されていた人でしたが、残念なことに事故で49歳で亡くなっています。この人が若い頃にオフィーリアを演じています。そして前出の「はい、お父様」という台詞をすぐに素直に答えずに、かなり間を取って思い詰めたように告げたのです。この時僕は初めて「ああ、オフィーリアってハムレットのことが好きだったんだ」と腑に落ちたのです。しかし僕はその舞台を見ていません。雑誌の記事か本で読んだだけです。(何しろその当時、僕はまだ田舎の中学生くらいでしたから)でも、その瞬間まざまざと映像が浮かんで来ました、ように感じました。そのたったワンシーンの想像が僕の記憶の中では今でも鮮明に存在しています。

 

最近、BSテレビで蜷川幸雄演出の「ハムレト」を観ました。そしてオフィーリアのその場面で、満島ひかりさんは素直でしたが複雑な表情を浮かべて「はい、お父様」と言っていました。良い女優さんです。

 

 

リターン

10,000


【公演チケット付きコース】

【公演チケット付きコース】

・サンクスレター
・3800円のチケットを2枚(日時指定自由席)
*チケットは公演前の3月にお送りする予定です

申込数
33
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2017年6月

10,000


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【公演に行けなくても大丈夫!応援コース】

・サンクスレター

申込数
4
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2017年6月

10,000


【公演チケット付きコース】

【公演チケット付きコース】

・サンクスレター
・3800円のチケットを2枚(日時指定自由席)
*チケットは公演前の3月にお送りする予定です

申込数
33
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2017年6月

10,000


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【公演に行けなくても大丈夫!応援コース】

・サンクスレター

申込数
4
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制限なし
発送完了予定月
2017年6月
1 ~ 1/ 6


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