「種子島の海と山をつなぐ会」事業報告
【ご支援してくださったみなさまへ】
こんにちは!
2021年10月15日から11月30日まで実施しました、READYFORクラウドファンディング「種子島の海を豊かに!藻場を再生し、ウミガメと漁業者との共生の実現へ(目標金額2,200,000円)」では、総勢214人、総額3,261,000円のご支援を賜りました。
あらためて、多くのみなさまに感謝申し上げます。
ありがとうございます!
さて、「種子島の海と山をつなぐ会」は、みなさまから寄せられたご厚意を基に、さっそく予定していた下記の事業を行いました。
ここに、会計報告とともに、2021年12月~2022年12月までの1年間の事業報告をいたします。
【事業報告】
(1)セラミック購入
クラウドファンディング実施中ではあったものの、2021年10月24日に湊川河口付近の水質調査を実施しました。
そして、専門家による鑑定結果を基に、「サンタミネラル社」に当該水域の水質浄化に資するセラッミクを調整してもらい、2022年1月に特殊加工セラミックを100kg購入しました。
(2)セラミック投入
2022年3月13日に、10名の高校生および大学生が湊川河口に集合し、10kgずつ網袋に詰めて堤防外の海中に投下しました。
投下に際しては、漁業者の方に潜水して頂き、網袋の四隅にコンクリートブロックを括り付け、堤防に沿って等間隔に配置しました。
(3)水質調査
2022年7月末から8月上旬にかけて、セラミック投下水域の水質調査を行い、専門家に鑑定してもらいました。
投下から5か月余りが経過したとはいえ、まだ特段の変化は見られませんでした。
(4)台風による被害発生
種子島は、2022年9月上旬に台風の猛威に見舞われました。
その後、10月2日にセラミックの状況を観察すべく潜水調査をしたところ、セラミック2袋(20kg)がおそらく大波に浚われて消失したことが確認されました。
残存しているセラミックも、当初の投下地点から離れるなど、台風による大きな影響が確認されました。
他方で、残存しているセラッミク内にエビや魚などの稚魚が生息し始めていることも観察されました。
この点は、引き続き調査を継続して、効果について科学的な検証結果を得たいと考えております。
なお、関係者と協議の結果、2022年12月中にいったんすべてのセラミックを引き上げて状況を確認したうえで、2023年1月に堤防内側に再投入することになりました。
(5)植林事業の準備作業
2022年11月中旬に、湊川上流域において専門家の指導の下で、広葉樹と針葉樹の混交林づくりのための調査を行いました。
湊川上流域には、かつて薪炭林として利用されていたクヌギやマテバシイあるいはヤマザクラなどの広葉樹林が広がっています。
湊川の森林は、東側(セラミックを投下した海方面)斜面は強度間伐(植林したスギの2/3程度を間伐)により疎らに生えるスギの合間にヘゴが適宜育ち、亜熱帯林と亜寒帯林の貴重かつ見ごたえのある混交林の景観を醸成しています。
このことが、おそらく湊川河口域付近に比較的近似まで藻場が存在していた原因ではないかと推測されます。
ただし、上流域に生育している広葉樹の多くが、病害虫等により立ち枯れており、これらを早期に伐採する必要が生じています。
なお、西側斜面は弱度間伐(植林したスギの1/3程度を間伐)または無間伐であるためスギだけの空間が広がっており、広葉樹はほぼ生育していません。
今後、クヌギやハゼノキなど、種子島に自生している広葉樹、できる限り落葉樹の木の実を集め、実生から苗木を育てることになりました。
(6)海水中DNA調査
クラウドファンディング実施時には予定していなかった事業として、あらたに「海水中DNA調査」を行うことになりました。
2022年8月に、私たちの活動内容を知った大学研究者から申し出があり、海水中に含まれる魚類のDNA量を調査することで、周辺に生息する魚群規模を解明する技術の提供を受けました。
そこで、2022年8月に試験調査を行い、2022年11月末にサンプルとなる海水を採取して調査機関に送付し、現在調査結果を待っているところです。
2023年1月上旬に追加調査を行う予定です。
【収支報告】
みなさまからご支援いただいた資金は、下記の通り使用いたしました。
(1)収入
①クラウドファンディング成立金:3,261,000円
②READYFOR手数料:609,807円
③総計:2,651,193円
(2)支出
④リターン品発送関係費用:703,026円
⑤セラミック購入費用:1,111,825円
⑥水質調査費用:178,476円
⑦セラミック投下に係る付属品費用:106,554円
⑧人件費(謝金):280,000円
⑨外部専門家旅費:271,312円
⑩総計:2,651,193円
*収入総計(③)-支出総計(⑩)=0円
【今後について】
みなさまからの温かいご支援のお陰で、高校生だけではとてもかなわない活動に着手することができ、新しいメンバーも加わって事業継続の目途もつきました。
また、クラウドファンディングを通じて、全国各地の様々な分野の方々からもお声がけいただき、もともと予定していなかった活動をはじめる機会も頂戴しました。
ただし、本事業は、未だ実験途中にあり、結果が得られるのはもう少し先になりそうです。
これからも、引き続き応援してください。
よろしくお願い申し上げます!