先日、娘と息子が通う小学校にて講演をしてきました。この緑風学園は沖縄県では唯一、過疎地域を盛り上げようと小中一貫教育の9年生式学習システムを導入した学校です。

4月に晴れて一年生になった息子も、6年生の娘も、そして近所に住む従兄弟たちも皆バスで通学しています。つい1カ月前に妻の実家の側へ引っ越した僕たちですが、前に住んでいた宜野座村で中学校の校長先生が転勤になりこの緑風学園の校長先生となり、バッタリ再会することができました。しかも僕の妻や義兄たちの中学時代の恩師と言うこともあり、これまた凄い縁を感じました。

 

 

僕は以前の村に住んでいる頃、3年間中学校の評議委員を務めさせていただき、生徒たちの元気な姿を陰ながら応援してきました。一方、以前子供たちが通っていた小学校の校長先生もとても海人丸のプロジェクトに理解がある方で、飫肥杉探しの為に山のぼり、伐採式を経てようやく材料が沖縄に届き、それを自然乾燥させるために校庭の中庭を提供していただいたり、運動会のメインイベントで海人丸を披露してくれるなど、本当に心温まるサポートをしていただきました。

 


 

子供達の教育が叫ばれているこの時代ですが、僕が幼少時代に育った環境は決して勉学に向いているとはいえませんでした。中学から高校にかけて様々な誘惑に振り回され非行に走ったり、仲間と争いごとにも巻き込まれ学校に行くことも嫌な時期が長かったです。テストの点数だけで子供の価値を判断するのが当たり前の時代に、一生懸命反抗し戦ってました。

 

いい成績を残して、いい学校に行けば、いい会社に就職できる。そして一生安泰に暮らせるなんてどうしても理解できなかったのでしょう。普段は利口で元気に見える子供たちでも、決して表に出せない心の悩みがあります。そのモヤモヤが積もったままに大人になることはとても危険です。目の前の結果だけ優先し、目に見えない場所にはゴミを残す人間になってしまいます。

 

僕は心の中のそういうモヤモヤ感をぶつける場所がまさに海でした。大学時代に海と再会しどれだけでも広く続く海に飛び込むことで胸がスッキリしました。これが海人丸二号を作り、人をのせて海を渡る目的、このReady for を通して皆様に協力をお願いしている理由です。

 

 

学校でしか教えることができないこと、そして自然からしか学べないことがあります。卓上の理論と自然の叡智が合体したときに知恵になると僕は信じています。

 

ニスの代わりにサメの肝臓油を塗り、ボルト・ナットの代わりに紐結びの技術を習得しながら古くなったサバニを甦らせた海人丸一号の建造でした。日々の水を汲み出しや、メインテナンス作業や海遊びを通して僕も近所の子供達も、次の時代を生き抜く為のサバイバル能力を鍛えていることと同じです。

 

 

嵐の中でどう生き抜くか?ということはすなわち人生をどう生きるかということと同じです。日々体内に入れる空気と水、そして必要最小限の食料をどう確保してどう保管するか?もしもの為の蓄えと、必要以上の贅沢の線引きができる人間に育ってほしいと思います。僕は海を通して遊ぶことで人はどれだけでも強く、逞しくなれる事を知っています。

 

『目の前に広がる海に飛び込んでほしい。思いっきり地球とぶつかって遊んで下さい!!』

 

と、僕の想いをストレートに伝えました。これは言葉で伝えてもなかなかうまく伝わらないメッセージですが、実際海人丸の航海映像や、二号建造の為の飫肥杉伐採の様子を見た途端、皆一瞬で真剣な眼差しになっていました。そして日頃の海遊びの映像を見たら皆笑顔で大笑いしてました。これは当たり前のことを当たり前に感じている証拠ですね。あまりうまく話ができたかどうかは分かりませんが、僕の進んできた海の道をただそのままに伝えました。次は子供達が感じたままに動いてくれること。これが僕の一番の楽しみかもしれません、

 

 

先生も親も、近所の叔父さん叔母さん、そしてお爺お婆も。子供たちはいつも大人の背中を見ています。この夏は、我が子だけでなく、近所の子供達、そして都会の子供たちが海に漕ぎ出すことでしょう、

 

Ready for海人丸二号プロジェクトの募集期間も残り3週間となりましたが、これまで通り、地道に想いを伝え続けていこうと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

Keep paddling. 荒木汰久治

 

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