滋賀県田村山の希少種「ヤマトサンショウウオ」を次世代に繋ぎたい!

滋賀県田村山の希少種「ヤマトサンショウウオ」を次世代に繋ぎたい!

支援総額

1,649,000

目標金額 1,500,000円

支援者
146人
募集終了日
2024年10月12日

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プロジェクト本文

▼自己紹介

田村山生き物ネットワーク会長の齊藤修です。普段は長浜バイオ大学でアニマルバイオサイエンス学科の教授として研究と学生教育を行っています。出身は東北の秋田で、子供の頃は、池や野山で見つける魚や昆虫などの小動物が大好きで、沢山の生き物をこっそり子ども部屋で飼って遊んでいました。

 

ただ、実は秋田では、一回もサンショウウオを見たことがありませんでした。父が秋田大学の事務に勤めていた事から、大学に居る研究者を知るようになり、生き物の学者に成りたくて大学に進みました。初めは生態学的な分野にも興味がありましたが、脳や筋肉の働く仕組みの解明に惹かれるようになって、大学院・留学を経て東京都の研究所でマウスなどの脳や神経の遺伝子レベルの研究をするようになりました。

 

何か縁があったのか、40代前半に滋賀に新しく出来た長浜バイオ大学で教員になることに決まって、妻と3人の子供を連れて長浜に引っ越して来ました。親戚の中では、最も西にいる存在です。まず、着任して驚いたのは、滋賀・長浜の雄大な自然と琵琶湖の夕焼けの美しさです。そして、恵まれた自然環境に残る多くの生き物に出会うことになり、更にその後の人生を大きく関わるサンショウウオを見つける機会に恵まれました。

 

 

 

 

▼プロジェクトを立ち上げたきっかけ

東京時代、自然豊かな場所で子供を育てようと、都心から1時間半の山に近い郊外に住んでいました。そこで、休日にたまたま見学にいった地元小学生の自由研究の発表で、近くに希少動物のトウキョウサンショウウオがいるらしい事を知りました。私自身、当時はサンショウウオを殆ど見たことがなく、どんな生き物か大変興味がありました。そこで、息子の自由研究のお手伝いということにして、是非見つけてみたいと思うようになりサンショウウオ探索を始めました。しばらくの努力の甲斐があって、息子が4年生になる春先だったと思いますが、住んでいたマンションの裏山斜面の側溝で、運よくサンショウウオの卵を見つけ、実際に息子の自由研究が始まりました。

 

2004年に、縁あって長浜に引っ越す事になりました。滋賀県の湖北にあたる長浜は自然が豊かなので、ここに棲む別のサンショウウオが直ぐに見つけられると良いねと息子と話していましたが、実は簡単ではありませんでした。

しかし、一年位たって諦めかけていた頃、たまたま私が昼休みに大学近くの田村山近くを散策していて、トウキョウサンショウウオそっくりの卵を田村山麓の畑の側溝の水の中に沢山見つけました。

 

これが、当時はカスミサンショウウオ、現在は再分類によって名前が変わったヤマトサンショウウオとの出会いでした。子供たちがこのサンショウウオを題材に自由研究を続けていきましたので、ずっと手伝いをしていましたが、調べてみると実はかなり希少なレッドリストにものる動物であることを知るようになりました。

この頃は、私自身はヒトを中心とした動物の脳や神経の研究をしていましたので、サンショウウオの詳しいことは殆ど知りませんでしたが、とても可愛らしく、面白い生態をもった生き物だと感じていました。毎年、田村山麓のU字溝の側溝で、沢山のサンショウウオの産卵や幼生の成長を見ていましたが、実は、少しずつU字溝が劣化して側溝から水が漏れるようになって来ていることに気づいて、いつかサンショウウオ幼生が大きくなる前に水枯れしてしまうかもしれないと心配するようになりました。

 

 

そして、残念なことに2009年の5月についに完全に水枯れしてしまい、そこにいた5000匹位の幼生が全滅してしまいました。当然、このような年が何年か続けば、この希少動物の集団が失われる事になります。多くの人はここにそんな生き物がいることを殆ど知らないようでしたから、「何とか救ってあげたい」と、大学や地域の方々に声をかけ、保護組織「田村山生き物ネットワーク」を立ち上げ活動するようになりました。

 

実際の活動としては水枯れを防ごうと様々な取り組みを試しましたが、結局まずはやはり安定して水を保てる池が是非必要ということになり、学生さんや地域の皆さんと協力して人工池を作りました。そして、現在、なんとかサンショウウオを水枯れしてしまう側溝から人工池に移動してもらうことに成功しました。

 

 

 

 

 

 

▼プロジェクトの内容

現在の保護池は、池の構造等については問題ありませんが、以下の課題があり、末永く次世代にこれらのヤマトサンショウウオを残していくには難しいと考えています。

ヤマトサンショウウオは、まず親サンショウウオが、冬から早春にかけて山から水場に下りてきて産卵し、また山に戻ります。一方、産卵された卵は、孵化して幼生になり半年ぐらいかけて水中で成長した後、親の形に変態して上陸し、多くは池から田村山に戻っていると思われます。しかし、現在の保護池では、山と池の間に道路、さらにU字溝の水路があります。その為、山から産卵に来て、その後山に戻る親サンショウウオも、また池を巣立って初めて山に向かう若いサンショウウオも、全てこれらの水路と道路の障害を乗り越えねばなりません。サンショウウオには大きな負荷が掛かっていると考えています。実際に池直前の水路に親サンショウウオが複数残っているのを観察することがあります。また、年々少しずつ産卵数も減ってきている傾向があります。

 

そこで、末永くヤマトサンショウウオを次世代に残していく為、田村山から道路や水路を横切らずに直接池に向かえる位置に池を移設するプロジェクトを実施します。

保護池移設予定地

 

▼プロジェクトの展望・ビジョン

サンショウウオが山から道路を渡らずに直接移動できる場所に新しく池が出来ましたら、まず春の産卵期に元の池に産卵された卵を新しい池に移動します。彼らの多くは、自分の生まれた水場に戻って産卵します。なので、初めは元の池に産卵に来ますが、卵の移動を続けていけば、だんだん「新しい池」出身のサンショウウオが生まれた池に産卵に来るようになっていきます。その為、しばらくは新旧どちらの池も維持する必要があります。これまでの研究で、生後2年目から産卵に来始めることが分かっています。約5年間卵移動を続けるとほぼ移植は終了すると思われます。しばらくは、新しい池で、卵の孵化、幼生の成長、変態して山に帰る様子を観察する必要があります。また、餌不足になると共食いをしてしまうので、様子によって人が餌をあげる必要があるかもしれませんが、生態系が循環し安定すれば様々な餌となる生き物が侵入・出現する筈です。

 

その後、池を巣立った子サンショウウオたちは、山に戻って行きます。山では、枯れ木の下や落ち葉の下に隠れて生活しています。正確な寿命は分かりませんが、比較的長生きで20年くらい飼育された記録があるようです。山で暮らす親のサンショウウオを見つけるのはすごく難しいですが、山が荒廃したり開発されると当然生きてはいけません。

 

我々はこの希少動物のヤマトサンショウウオを次世代に末永く残していくためには、単に水場の池があれば良いだけではなく、山も健全に守って里山を維持していく事が重要と思います。 希少動物・ヤマトサンショウウオがどんな生き物で、田村山の麓にいて保護され次世代に残していこうという活動があることを、地域の方々、さらに多くの人たちに知ってもらい賛同を得ることが、末永くこの生き物を残していくには必須と思われます。

そのためには、本活動を知って貰う機会を作っていくことが是非必要で、方策を考えねばなりません。また、滋賀県内には他にもヤマトサンショウウオ生息地があり、その一部では保護活動が行われています。そのような保護に関わっておられる方々と情報共有する機会・仕組みを作り、シンポジウム等を開催し、保護の輪が広がっていくことを今後の展望としています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プロジェクト実行責任者:
田村山生き物ネットワーク 会長 斎藤 修
プロジェクト実施完了日:
2024年11月30日

プロジェクト概要と集めた資金の使途

田村山生き物ネットワークがヤマトサンショウウオの保護池を移設させるための費用として活用させていただきます。

リスク&チャレンジ

リターンを実施する上でのリスクについて
保護池移設後の成体移動、観察会の日程の詳細はまだ決まっていません。

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プロフィール

長浜バイオ大学 地域連携・産官学連携推進室に所属しています

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